#232 リモートワーク禁止にしたら生産性が上がるって本当?
こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。
コロナによって世の中でリモートワークが一般的になりましたね。
私も完全リモートワークの時期を経験し、現在はリモートワークと出社のハイブリッドで勤務しています。
最近は、生産性の観点で原則出社やリモートワークを禁止する会社も増えていますね。
お互い顔が見える方がコミュニケーションが取りやすい。同じ空間にいることで雑談や相談が自然発生しやすく連携や教育の観点でもハードルが下がる。管理もしやすい。
などの出社派の言い分もよく分かります。
しかし、私はリモートワーク主体のハイブリッド派です。リモートワークで生産性が低いのであれば対面でも高い生産性は発揮出来ないと考えるからです。
その点には言及せず、対面にすればコミュニケーション課題が解決し、生産性を向上するというのは幻想であるという話です。
◯リモートワークはやり玉に挙げやすい
弊社でもコミュニケーション課題はあります。しかし、その原因がリモートワークだけとは思えません。
弊社では売上や規模の拡大を進めており、生産量の向上を優先することで組織内に境界が生まれてきています。
案件の獲得を最優先にすることで説明なく案件が降ってきたり、進め方の合意形成なくプロジェクトの期限だけは決められたり、組織の役割分担により押し付け合いが起こったりしています。
この状態の原因はリモートワークだ!!
リモートワークをやめて原則出社にし、密なコミュニケーションでこの難局を乗り越えよう!
というのはとても簡単です。
そのため、やり玉に挙げられるのかなと。
対面での同期的なコミュニケーションの良い点は認めますが、リモートワークをやめても解決しない問題から目を逸らすだけではだめ。
◯対面に甘えはじめると生産性は落ちる
新しいメンバーのオンボーディングや顧客との詰めの商談、センスメイキングのためのWHYを語る場などは対面が好ましいです。
そういう場では私も出社します。
今日たまたま社内の関係者に挨拶回りをする機会があり30人くらいにお菓子を配ったのですが、そういった仕事以外の話を対面でする場を設けるのも良いですね。
久しぶりに顔を合わせたり、雑談したりと、楽しい会話によって一緒に頑張っていこうという気持ちも生まれ、関係構築にも役立ちます。
しかし、議論をする会議では対面にすることで甘えが生まれやすくなると実感しています。
口頭でのやり取りは事前準備がなくてもある程度はその場ですり合わせ出来てしまいます。そのため、事前の準備なく会議に臨み「なんの件だっけ?」と議題の共有で冒頭の時間を使ったり、「自分はこういう認識です。」「私はこういう認識でした。」と自分の頭の中の情報ベースでコミュニケーションを進め、結局何について話しているのか噛み合わずに「何が決まったの?」となることもあります。
厄介なのは本人は一生懸命喋っているため、ある種の達成感があり、無駄だったとは思わないことです。
準備不足の議論に参加し、一生懸命に喋って時間を溶かすということは自分もやってしまうため要注意です。。
口頭でのやり取りには、準備不足で臨み、結局時間の無駄だったということが簡単に起きてしまう点には気をつけなければいけません。
対面にしろリモートにしろ会議の設計、準備、時間管理を怠れば生産性は落ちてしまいます。
コミュニケーションの設計も大切です。
◯リモートで成果を出せる状態を作ろう
リモートでは仕事が出来ないという人の意見もわかります。
そもそも仕事部屋がない。仕事用のデスクがない。座り心地の良い椅子がない。小さなお子様がいると集中出来ない。など、仕事に適した環境がなければ出社するのが良いです。
雑談や相談がすぐにできないのが困る。というのもわかります。
チームにジョインしたてなど、快適に仕事をするための情報にアクセスしにくい状態では、非同期のコミュニケーションで聞くよりも口頭でちゃちゃっと聞くほうが効率が良いです。
そのため、オンボーディング期間は出社の頻度を増やして、気軽に話しかけてもらえるようにしつつ、ランチに誘いコミュニケーションの量を増やします。ただし、チームの業務に必要な情報はドキュメントにまとめ、簡単にアクセスできる状態を先に作るのが先です。なんでも口頭でのやり取りを基準にしてしまうと、前述の通りの甘えにもつながるためです。
オンラインミーティングも固定で設定しておくことで、口頭で話せる時間も設けています。隣の人に声をかけるよりはハードルが高いのは理解しつつも、コミュニケーションのレベルを上げることも大切です。オンラインミーティングでも、日々の課題解決や意思決定が出来る状態を目指しています。
また、チームの仕事にセンスメイキング(腹落ち)していることも重要です。腹落ちした状態で同じ方向を向けていれば、基本的には個々人で仕事を進め、オンラインで進捗をシェアして微修正することで成果が出せます。
自走しやすい状況を整えフォロー出来るような状態でオンボーディングを行い、慣れてきたら非同期コミュニケーションの質向上を目指すことで、リモートワークでも成果を出せるようになります。
ということで、対面での会議に甘えているシーンに頻繁に出くわすことで、リモートワーク禁止で生産性が向上するわけではないなと感じたという話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。