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#122 成長を促す責任と挑戦

こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。
前回はチームにメンバーを迎え入れる時に立ち上がりを加速されるためにはお客様のように扱うべきではないという話でした。

今回は若手の成長機会をどのように作るべきかという話です。


〇後輩の安定感の理由

今年度に入ってから一緒に仕事をするようになった新卒4年目のHさんはとても仕事が出来ます。技術への関心も高く、開発力があるだけでなく仕事力があります。
私はエンジニアであっても技術力よりも仕事力が重要であると考えています。

チームで運営しているシステムのキャッチアップを兼ねて新規機能開発の案件を任せると、Hさんは自ら進んで仕事を進めてくれます。

システムのドキュメントやソースコードを自分で読んで把握し、開発を進め、仕事の進め方や実装部分に関する疑問などは適切に質問してくれます。私のチームのシステムは社内でも複雑な部類ですが、Hさんはそれを難なくこなしています。

周囲の社員からも「頼もしい」と評判です。その理由の一つに、新卒で配属されたチームの先輩が皆いなくなった経験が挙げられます。

入社時から高いプログラミング能力を持っていたHさんですが、業務としての開発やシステムの運用は未経験でした。しかし完全に放置されたわけではなく、自ら考えて意思決定し、失敗から学ぶ経験を重ねたことが安定感につながりました。
当時は大変でしたが、今では貫禄さえ感じさせます。

私自身もまだ人数が少ないベンチャーでタフな経験をしましたが、多くの成長機会がありました。そのため、ファーストキャリアとしてベンチャーを選ぶ価値があると考えています。

〇責任を負うことが成長の源泉

様々な経験の中で最も成長に貢献するのは責任を負うことだと思います。

木下斉さんのVoicyでも似た話題が取り上げられていましたので、共有させてください。

Hさんは新人時代からチームの技術的な意思決定の役割を果たしてきました。規模は小さいですが、マネージャーもHさんの担当するシステムの詳細を把握しておらず、Hさんに判断を委ねることがあります。要件定義や見積もりなどの意思決定をして、顧客との約束を果たすために責任を持って取り組んでくれました。

このような覚悟と責任を試される経験は、プレッシャーやストレスを伴いますが、そう簡単に得られるものではありません。それがある意味でラッキーとも言えます。

サッカーのストライカーはチームがつないでくれたボールを「自分のボール」として扱い、ゴールを決めるエゴイストである必要があります。チームが繋いでくれたボールを自分のものとして責任を持ってシュートし、ゴールを重ねることで、特別なストライカーに成長できるのです。

〇過保護になるな。適度な無茶振りを!

Hさんのケースは相当な無茶振りでした。
Hさんの能力が高くタフだからこそ成長につながった面もありますが、プレッシャーに耐え切れずに挫折することもあります。人的供給が制約される時代に、厳しい試練を乗り越えることだけで組織を構成することは現実的ではありません。

一方で、過保護になってしまうのも良くありません。ストレスのない環境で働くことは安心感がありますが、チャレンジの機会がなければ大きな成長は期待できません。

お客様のように丁寧に扱うのは、チームに手厚く受け入れる余裕がある場合に限られます。組織としてはより多くの成果を上げる必要があり、手厚くフォローする余裕があるなら他にもやるべきことがあります。

また、丁寧に扱われる側も成長のチャンスを与えられなければ、やりがいを感じたり良い評価を得ることは難しいです。終身雇用のように会社に長くいれば安泰という時代でも、そんな安定が保障された環境でもないため、実績を積み重ねなければキャリアの選択肢が狭まってしまいます。

今の時代、そのような環境は危険です。
チャレンジする機会を提供し、自己効力感を得られる経験を与えることが重要です。

自己効力感を得られる経験には、コンフォートゾーンから出るためのはしごをかけることが重要という記事も紹介させてください。


ということで、責任を負うことで成長し、適切な機会を提供することが成長の鍵であるという話でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。



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