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いろんな場合

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#毎日note

まったくタイプの違う4人がリレー小説をする場合

爽やかな日差しに思わず目を細めながら、僕は肺いっぱいに息を吸い込んだ。燦燦と輝く太陽が僕達に微笑みかけているように思えて、なんだか照れくさくなる。目の前には一面に広がる色とりどりの花畑。僕はふうっと大きく息を吐いて、君に「きれいな向日葵だね」と言った。だけど君は俯いたまま何も言わない。何か引っかかることがあるなら、もしそうなら、遠慮なく話してほしい ― 僕達も出逢って7年、どんな悩みだって打ち明け

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説明が長くなる場合

「休憩入りまーす」

「お、クミちゃんおつかれ」

「きょぺ先輩お疲れ様です。....あ、そういえばきょぺ先輩ってなんできょぺって呼ばれてるんですか?」

「あーそれはちょっと説明長くなるかも」

「いいですよ全然」

「いや実はさ、俺本名が翔平っていうのよ。だからこのバイト始めた当初は『翔平くん』って呼ばれてたんだけど…だんだんそれがなまって『しょぺ』って呼ばれるようになったのよ。で、しばらくし

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たとえがわかりづらい場合

「たとえばさ、俺が古代ローマでセロ弾きをやってたとするじゃん?そこでね、急にムロツヨシがやってきたとしても、俺は驚かないわけ。というか驚けないのよ。なんでかっていうと俺はムロツヨシを知らないから。というか知れないのよ。いや今は知ってるよ。今の俺はムロツヨシを知ってるんだけど、古代ローマにおいてはムロツヨシという存在を知るすべがないじゃない。だから当時の俺はタイムスリップには驚くけど、ムロツヨシだー

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