説明が長くなる場合

「休憩入りまーす」

「お、クミちゃんおつかれ」

「きょぺ先輩お疲れ様です。....あ、そういえばきょぺ先輩ってなんできょぺって呼ばれてるんですか?」

「あーそれはちょっと説明長くなるかも」

「いいですよ全然」

「いや実はさ、俺本名が翔平っていうのよ。だからこのバイト始めた当初は『翔平くん』って呼ばれてたんだけど…だんだんそれがなまって『しょぺ』って呼ばれるようになったのよ。で、しばらくしたらそれが『ショペンハーゲン』に変わってさ…だんだん後半の『ハーゲン』だけになったかと思ったら今度は『ハーゲンダッツ』って呼ばれだしたの。んでいつの間にかそれが削られて『ダッツ』だけになって、ある時ひっくり返って『津田』になったんだよ。で、たしか....あ、そうだ、当時俺アンダーアーマーの靴はいてたんだけどそれを見た後輩が『アンダーアーマー津田』って呼んできてさ。それがだいぶ長いこと定着してたんだけど、ある日店長が『アマ津』って略して呼んできたのをみんなが爆笑してさ、そこからしばらくは『アマ津』だったのよ。で、いつの間にかそれが『遍昭』になったんだよな。なんでも遍昭が古今和歌集にのこした歌で、あまつかぜ 雲の通い路 吹きとじよ をとめの姿 しばしとどめん っていうのがあるんだけどその『あまつかぜ』と『アマ津』をかけたんだと思う。んで、その『遍昭』がいつの間にかイニシャルだけの『HJ』に変わって、その『HJ』がエネルギーの単位である『ヘクトジュール』の頭文字と合致したことから『ヘクト』って呼ばれるようになったはず。で、そのあと....あれどうなったんだっけな?....あ。そうだ!たしかヘクトはデカの10倍を表す単位ってことで『デカ10』って呼ばれ始めて、デカって響きからあぶない刑事を連想したのか知らないけど、柴田恭兵にちなんで『恭兵』って呼ぶやつが出てきたの。その『恭兵』がなまってだんだん『きょぺ』に変わっていってさ。やがてそれが『キョペンハーゲン』になって、『ハーゲンダッツ』になって、『ダッツ』になって....ここからさっきと同じ道のりをぐるーっともう一周して、いまは二周目の『きょぺ』ってわけ」

「え、先輩いつからここでバイトしてんすか」

「二か月前」

「一個一個のスパン短っ!」

おしりんまるwwwww