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自然と共存するってどういうこと?映画『悪は存在しない』を鑑賞

「自然との共存を大切にします」
そんな言葉を耳にすると、「なんて綺麗事なんだ」と思ってしまう。
ただそうは思いつつ、自分には綺麗事ではない「自然と共存する」方法の答えを持っていない。
そもそも「自然と共存する」とはどういうことなのか。
そのことを教えてくれたのが映画『悪は存在しない』だ。

あらすじ👇
自然に囲まれた長野県水挽町で娘の花と暮らす巧。代々この土地で、自然の恵みを受けながら慎ましい生活を送っていた。そんなある日、近くの土地にグランピング施設を建設する計画が持ち上がる。やがて計画を進める企業による地元住民への説明会が開催される。

あたかもこの世界の頂点のように振る舞う人間は、人間のことしか考えない。
劇中でもグランピング施設側の人間は、「地域住民が過ごしやすいように」「地域に雇用が生まれるように」と、地域住民を説得する言葉が並べられる。
鹿や鳥、草花、木々それらの生存を一切無視して。

映像で示される美しい自然といがみあう人間の対比を見ていると、友人から聞いた話を思い出す。

ある国の国立公園では、ゾウと人間が一緒に暮らしている。
時々ゾウが人間を踏みつけて殺すこともあるそうだが、
同じ場所で共存しているから仕方がないという考えのためゾウを捕らえないらしい。

その視点に立って振り返ってみると、世の中で起こっていることの捉え方が変わってくる。
よく秋になると「熊が人間に危害を加える」というニュースを耳にするが、そもそも人間の生活が熊に危害を加えているから起こっている事象ではないか。

説明会で主人公巧が放つ「バランスが大事」という言葉。
人間だけが優先されるのはよくなくて、人間は自然の一部であって支配者ではない。
そのことを決してわたしたちは忘れてはいけないのだ。

映画『縄文にハマる人々』では、縄文時代の専門家でなくても縄文時代の片鱗を感じることができる。

「縄文人は自然に抗わない」
自然を支配するのではなく、自然と共生する社会を築いたからこそ1万年続いたのだろう。

そう、バランス。
いまこそ縄文時代から学ぶときだ。


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