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#24 どうしてこんなにも団体行動が出来ないんだろう 2


2日目、終日自由行動の日。

この日はオプションツアーに申し込むか、各々レンタカーを借りて行動するかの二択。当然ながらオプションツアーにひとりで申し込んだ。バスで目的地まで移動し、そのあとは数時間フリータイム。幸いツアー参加は少数派のようで顔見知りは居なかった。当然のようにひとりで座りイヤホンで周囲の会話をシャットアウトする。

旅行前に先輩に一緒にレンタカーで回らないかと誘ってもらったが、やはりお断りした。ありがたいが、耐えられる自信がなかった。

職場で自由行動はどうするのかと聞かれる度にひとりでツアーですね〜と公言した。布石は十分である。恐らく一緒に回らないかと誘おうとしてくれた上司の何とも言えない顔が今でも忘れられない。すまん上司。

旅行初日も色んな人に明日の自由行動はどうするの?と聞かれたが、ひとりツアー参加ですねーと言い続けた。もの珍しいのか不思議がられた。元上司には一緒に回れば良かったのにとひとりぼっちを同情されたが乾いた笑いで誤魔化した。違う、ひとりになりたいのだ。中には気を遣ってひとりで行動できる人尊敬するなーと言ってくれた人もいたが、”ひとりで行動出来るからじゃない、団体行動ができないんだ”とはっきり言ったらやはり気まずそうな顔をしていた。

もはや周りにどう思われるかとか気にする余裕はない。無礼の積み重ねで摩天楼がそびえ立つ勢いだ。

バスツアーで目的地に到着し、数時間の散策をしたが我ながらこれは社員旅行とは言えないなと思った。でもひとり時間をそれなりに確保できたお陰で何とかなった気がする。

夜になり、ホテルに戻るとまだ同室の2人は帰っていなかった。大浴場にひとりで向かい、部屋で束の間のひとり時間を過ごす。

やがて2人が帰って来た。聞くと朝の9:00にホテルを出て、夜の22:30まで7人が車にギチギチになって過ごしたらしい。もしその場に参加していたと思うと血の気が引く。同調圧力に負けなかった自分を褒めてやりたい。

2日目はほぼ会話せずに終わった。

3日目、最終日を迎える。


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