見出し画像

学生服リユースショップさくらや研究【さくらやぼん編その8】

 クラウドファンディングで目標額の500%超えを達成して1か月半が経った7月7日に、さくらやぼんは無事出版されました。さくらやぼんは、講演の機会が多かった馬場さんが参加型の講演のテキスト(ワークブック)として活用することも想定して作成したのですが、講演自体がコロナでできなくなったので、お披露目の機会もないままでした。

 出版記念パーティーを開催することもあり得たのですが、緊急事態宣言が終了したとは言えコロナ禍の中でパーティーを開催するわけにはいかないだろうと判断し、代わりに写真展を開催することにしました

 写真展は、7月から8月にかけて東京と高松で開催することを念頭に準備が行われました。高松会場は、さくらやぼんの写真を担当したカメラマンの紹介で、瀬戸内海が臨める海沿いのカフェ・レストランを予約しました。東京会場は、馬場さんは東京でのイベント開催に慣れていないので、写真展の開催に適した場所を探すのに苦労したそうです。渋谷や表参道を歩いて探し回り、神宮前の貸しギャラリーを紹介してもらいました。

 写真展の告知はSNSやブログで行い、準備も整えていた矢先の7月、熊本など九州で豪雨災害が発生しました。馬場さんは、さくらやぼんのPRや販売よりも、さくらや全体で支援を考えることを優先することにして、写真展は延期することにしました。

画像3

 2018年夏の西日本豪雨災害のときには、馬場さんは現地の広島や倉敷のパートナーに動いてもらって状況の報告を受けながら物資支援を行った経験がありました。馬場さんは当時、倉敷市真備地区の現地に赴いて清掃のボランティア活動も行いました。今回の熊本の豪雨災害の報道に接して、西日本豪雨の時の被災者の心労や苦労を思い出して、動くことに決めたのでした。

 さくらや熊本店と長崎大村店のオーナーは、現地に出向いて情報収集してくれました。西日本豪雨災害での経験から、土砂災害で家屋に流れ込んだ土砂を除去する作業で衣服に泥が付いた場合には、その服は後日はなるべく使わないと馬場さんは聞いていました。そこで、今年の九州の豪雨ではさくらやの店舗から作業用の体操服を現地に送って活用してもらうことにしました。

画像1

 「シャツが必要」「ズボンが欲しい」など、現地の学校からの声を聞き、全国のさくらやパートナーに在庫を調べてもらい、在庫がある店舗から長崎大村店や熊本店に送ってもらました。

 ちょうどその少し前に、兵庫県加古川市内の学生服の小売業者が廃業に伴って不要になる在庫をさくらやで使って欲しいとの要請がありました。そこで、さくらや加古川店のオーナーに同行して馬場さんが出向き、子どもたちがまだ使うであろう新品の学生服や小物類など引き取っていました。その中に新品の靴下がたくさんありました。

 学生服は地域ごと学校ごとにデザインが違いますが、靴下は大丈夫。地肌につけるものだから中古品よりも新品がいい。そこで、新品の靴下も一緒に被災地に送りました。

画像2

 こうして、さくらやぼんの出版という大事なスタートのタイミングでPRを行って売り出すことができず、さくらやぼんの在庫は積まれていますが、

「コロナが終息すれば、もっと地域コミュニティや、地域起業を考える人が増えて、このさくらやぼんをワークブックにしながら講演を行う機会がきっとある」

そう馬場さんは期待しているそうです。

続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?