![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/120233725/rectangle_large_type_2_a1ef5da076011c52139ecfb7e9b2c719.jpeg?width=1200)
空間AI白書 - 活用編その1
MidjourneyやStable Diffusionを筆頭に、昨年の夏から爆発的に広まってる画像生成AI。昨年の夏も少しいじって下記のnoteを書きました。
そこから数ヶ月…
「添景以外でももっと空間デザインで画像生成AIを活用できるはず。」そう思ってここ数日色々と触ってみました。思った通りでした。まだまだ先は長いですが、ひとまず現段階でできることをまとめたのがこのnoteです。最下部に募集のお知らせもありますので、ご一読いただけると嬉しいです。
空間AI白書(β版)の概要
建築や空間でAIを活用する方法をまとめたものを、仮に「空間AI白書」と呼んでいます。白書のゴールは建築や空間のデザインの業務において実用的な扱い方をまとめることにあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1682075450990-Ef82CO7cNT.png?width=1200)
白書は建築や空間のデザインプロセスと画像生成AIの特徴や機能を考慮し、8つの大項目とそれに紐づく数十数百種類のプロンプトに整理しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1681914666788-9xqKYJFmJ0.jpg?width=1200)
各項目で最低限のプロンプトができたので今回はβ版完成としました。AIでできることが多すぎて着手できたものはほんの一部にすぎませんが、それでも既に実用で使えてしまうだろうと思います。AIの可能性凄まじい。
初心者向けのAIについての前置き
少し前提に触れておきます。下記で紹介する事例は全てオープンに誰でも触れるツールを使用したものです。例えば下の2つなどです。
それぞれに特徴があり、1つ1つのソフトにも特殊なコマンドやパラメーターが無数に存在しています。狙った画像を出すためにはソフト選定や機能調整が必要で、それをまとめたものが白書だと理解してください。
![](https://assets.st-note.com/img/1682163649758-PMbuCYq61G.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1682127228685-hY2jDmU32p.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1682127370157-Rq920tobwS.png?width=1200)
また、AIと聞くと「文字を打つだけでなんでもかんでもできる!」と理解されている方がたまにいるので、フォトバッシュについても触れておきます。これは、手で書く行為と画像生成で書く行為を往復する画像生成方法で、画像生成のベーシックな考え方の1つです。
特に建築の領域ではフォトバッシュが前提になることが多く、空間AI白書でも利用しています。(とは言っても簡単なスケッチ程度なので絵が達者ではない方もマネできます)「なるほど全部自動ってわけじゃないんだな。」ってくらいの期待値で(今のところ)理解していただけるといいと思います。
最後に大事なことをもう1点、このnoteを読んだだけではAI初学者の方は完全再現ができないかもしれません。ある程度触った方であれば再現できるくらいまでしか書けていません。申し訳ない….
「可能性の模索する優先度が高すぎてまとめる時間がマジで全然ない!」というのが理由なのですが、まとめる作業は継続しておこなうので暖かく応援していただければ嬉しいです。そして「手伝えるよ!」という方は是非。
お待たせしました!次からできることのまとめです。
空間AI白書の一部紹介
出来ることの例1:フォトリアルなパース作成
鉄板のフォトリアルなパースは外観も内観も簡単に出力可能です。下記はmodern interiorやmodern architectureと打つだけで出力されたものです。
![](https://assets.st-note.com/img/1679369346734-C4HhgM0FEW.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679369312023-EQiiXDg93D.jpg?width=1200)
プロンプトを詳細に記述することで、仕上げや部屋の種別や風景や画像比率をコントロールして狙った画像の出力も可能になります。細かいプロンプトについてはこちらのTweetも参考にしてみてください。
![](https://assets.st-note.com/img/1679366858416-IWjsW9eDGP.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679373261075-31i8MtNke9.jpg?width=1200)
また詳細な記載をせずともempty roomのような強力なプロンプト(=キラープロンプト)を利用することで特殊な空間を出力することも可能にできるようになっており、白書にはキラープロンプトも沢山蓄積されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1680351347176-I9usq4tJjv.jpg?width=1200)
出来ることの例2:ファサードのスタディ
画像生成AIにはソフトによってinpaintと呼ばれる特定の部分を修正する機能があり、何かしらの写真素材の一部を上書きするように画像を生成することが可能です。この機能を応用すると建築や空間のスタディがおこなえます。
![](https://assets.st-note.com/img/1679712754827-EnT1ED49zi.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679712758764-mg8u6stUaG.jpg?width=1200)
修正範囲を工夫することで法規や構造を踏まえたスタディも可能です。
![](https://assets.st-note.com/img/1679718311669-ueoC68Fmhm.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679718316087-xUfVzlU8Rx.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679634396655-pN30uCxakm.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679634398867-gdLlyrkRh5.jpg?width=1200)
出来ることの例3:ボリュームスタディ
出力できるものは写真的な表現だけではなく、axonometricやisometricといったプロンプトで模型のようなを画像も出力が可能です。抽象化の程度もコントロールできるので設計の幅広いフェーズで使用ができそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1679365463924-HTSvdANfFS.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679365992578-7Xm4JOlYXJ.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679366637520-MCrbYKAvKB.jpg?width=1200)
また、最近ではblend機能でスタディ案を合体させたり、kaedimというサービスで画像を3D化することができるようになっており、案を具体的に詰めていくプロセスに組み込むことができるようになってきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1682074222478-hMEp8rr4v4.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1682074254131-UexfpA7hc4.jpg?width=1200)
出来ることの例4:リフォーム案の検討
ControlNetという機能を利用すれば特定の形状を保ったままデザインを変更することができます。これを利用することで物件のリフォーム案を出してみるとか、建物の外観の改修案を出すなんてことができるようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1679369033325-SjHnB8TUYx.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679369179934-M277lSTZJR.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679987794711-XYvkqnPjRf.jpg?width=1200)
出来ることの例5:プレゼンテーションの補助
ここまで建築物そのものの画像を出力することを紹介してきましたが、AIを駆使すればさまざまなプレゼンテーション素材での活用が考えられます。例えば下記はgoogle mapにControlNetを利用して周辺地図を作った例です。
![](https://assets.st-note.com/img/1679470999990-dlzLGRNitw.jpg?width=1200)
上記であればPhotoshopで比較的簡単にできることを代替しただけになりますが、AIを利用すると思いもよらぬ表現も生み出せるかもしれません。
![](https://assets.st-note.com/img/1679471111400-8uPrMDQang.jpg?width=1200)
配置図に始まり平面図や断面図、3Dモデルや模型といった各種素材のクオリティを上げたり別の物に変換したりできるのでツールとしてマジ便利。
![](https://assets.st-note.com/img/1679749357123-J6cJ6G1Do6.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1682074364579-Yox7uxkmIW.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1682074316191-aPe6ZFrnAT.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1682074343178-EcPAtnLt0y.jpg?width=1200)
出来ることの例6:パースの素材作成
以前から実験していたパース用の添景ですが、数ヶ月前には難しかった人の生成も可能になりました。性別や年齢、服装や髪型の指定ができるのはもちろん。姿勢やポーズなども指定することができるため、特殊なシーンのパースでも適したもの添景を用意できるようになります。人以外でも、同じものの使い回しがちな植物や、ニッチで素材がない雑貨など、必要な添景を必要なときに製作することができるのがAIの魅力です。
![](https://assets.st-note.com/img/1679383211260-oOUxIuS52B.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679370795136-vB8vh1KhaE.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679379319567-B05NX5mvA9.jpg?width=1200)
素材としては添景以外に、3Dモデリングで使用するシームレステクスチャを作成することもできます。しかも、既存のいいなと思う写真を参考にそこからシームレステクスチャを生成することができて便利。
![](https://assets.st-note.com/img/1679387457474-7i2haK6Pfn.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679387460786-LMzWWEohkX.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1679471188577-sj2bCAJR0R.jpg?width=1200)
出来ることの例7:ChatGPTとの組み合わせ
同じくGAIのChat GPTと組み合わせて使うことで、お題に対してコンセプトを立案するところから画像を生成するところまで、AIに全てお任せで一気通貫でおこなうなんてこともできるようになりました。
まずはChatGPTにお題を聞いてコンセプトを作ってもらいます。
![](https://assets.st-note.com/img/1680074768020-Ebk0f0ZG9f.jpg?width=1200)
一回でベストな案は出ないのでとにかく数を出す。その中から良さそうなものを1つ選び、形状に関する詳細を聞き、それを生成するのに必要なプロンプトも教えてもらうことができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1680074771581-xsdciS20r9.jpg?width=1200)
出力されたプロンプトを利用して画像生成をおこない、各部分の説明をまとめてもらったものとセットにしていくと以下のようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1680076374585-hkwJwMnSUm.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1680076379221-h3BhLx6SpR.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1680076381942-hEUoe2zpMV.jpg?width=1200)
ひとまずここでご紹介するのは以上になります。
noteにまとめるのが大変になってきたので一回これくらいでご勘弁を。画像生成周りの技術進化が早すぎるので多分1ヶ月後には古い内容になるんじゃなかろうかと想像しています。さて、以下がとても大事なお知らせです。
共同研究者やテスターを探しています!!!
冒頭から度々ぼやいてますが、、、手が足りません!!
ですので諸々協力していただける方を探しています。例えばこのような方いませんか!を下に書かせていただきましたがそれ以外でも全然構いません。連絡については「自己紹介」と「やりたいこと」など情報をtwitterアカウントにDMいただければと思います。よろしくお願いします。
共同研究者の募集について
AI周辺の進化のスピードが早すぎて開発が追いつけていません。。。頭にあるけど着手できていない内容がたくさんあります。これを一緒に潰していってくれる方を切実に探しております!なるべく門戸を広げたいとは思いつつAIについて一から教える余裕はありません…のでこちらは一定期間画像生成ツールを利用している触られている方を対象にさせてください。
空間AI白書の実践パートナーついて
冒頭にも記載しましたがこちらの白書は実務で利用できる内容をゴールとしています。現状でできていることを活用して何かトライをしてみたい企業さんや大学の研究室があればお声がけいただけますと幸いです。例えば、
建築や不動産や街づくりのベンチャー
空間×画像生成分野の研究をしてみたい大学の研究室
住宅メーカーや設計事務所の商品開発部や新規事業部の方
素材や建材系のメーカーの方
などなど、おおよそ建築や空間に関連する企業さんでどなたでもウェルカムです!新しい利用方法の共同開発もしてみたいと思ってます。具体的なイメージがなくてもひとまずブレストするところからでも是非。
ワークショップについて
ある程度溜まった知見についてはパブリッシュしていこうと思っています。個人的に、AIは情報として知るだけやサラッと触る程度ではほぼ意味がないと思っているので、ある程度まとまった時間を前提に開催したいと思っています。個人のキャパシティ的に何回も開催できないと思うのですが。興味がある方はご連絡いただければ嬉しいです。
設計手法の研究について
どう実用するのかとは別に、設計の手法としてどう扱うことができるのかも試してみたいと思っていて、興味のある学生さんがいれば協力いただけると嬉しいなと思っています。例えば下記のような想定です。
大学の課題で利用してみたい!
院試や就活向けにポートフォリオの素材を作りたい!
画像生成を使ってコンペに挑戦したい!
卒業設計や修士設計のテーマにしたい!
しっかりとやり切って欲しいのでガッツリコミットすることはお願いしたいなと思いますが、AIのノウハウはもちろん全てレクチャーします。スキル提供に関してお金は取りませんが、ソフトはご自身で契約してもらうことになるので月1〜2万程度かかってしまいます。それでも興味のある方は是非!
皆さんのご連絡を何卒お待ちしています!!
DMはこちらへ → https://twitter.com/koh__dai
※あまりにもAIの進化が早いため環境の変化によって、出来ることができなくなったり、注力領域を絞ったりする可能性もあります。募集などで内容について変更がある場合、twitterのアカウントよりお知らせします。
この記事が参加している募集
読んでいただきありがとうございます。サポートいただけたら、デザインの勉強に使わせていただきます。