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シナリオライターになり、充実感と収入が得られた話

ライフスタイルの変化


「転勤が決まった」
突然言い渡されると分かっていても、いざ現実に言われると想像以上の大量のタスクに眩暈がしました。
夫の職場の転勤先へ家族みんなで引越し。
私は看護師としてパートで働いていました。
「すみませんが……」と職場に退職を申し出て、子どもの保育園の退園手続きをして、次の住まいを探して……
怒涛の3月4月をなんとか乗り越えて一息つくとある悩みが出てきました。
「再就職どうしよう……」
 
子供もまだ小さいし、将来のためにお金はいくらあってもいい。
だけど、就職先を探し、履歴書を書き、面接に行き、知らない人だらけの中でハードな仕事をこなす。
またあの一連の流れをやるのかと思うとどうにも気が重くなりました。
 

在宅で働けないのか


私の強みは看護師であるということ。
子どもの行事や急な休みに対応するため、働きに行くのではなく家にいたい。
まとまった時間はないけど、隙間時間ならある。
看護師資格を活かしたら給料もいいかな?
在宅の仕事を探しはじめましたが、すぐにできそうなものはなかなか見当たりませんでした。

私はお母さんであり続けるべき?


家にいるようになると、私は働いていた時よりも家族の用事ばかりこなしている感覚になりました。
 「朝ごはんができました。これが今日の持ち物です」
とさながらマネージャーさんのように、朝から晩まで家族が生活をしやすいようにサポートをする。

毎日夫と子供の洗濯物を干しながら
 
「私、何してるんだろうなぁ……」
と思うことが多くなりました。
 
家事が特別好きではない私には、日常で充実感を得られることは
ほとんど無かったのです。
子どもがDVDを集中して見ている横で
何気なく在宅ワークを検索していたときのこと。
偶然目に入ってきたのがクラウドソーシングでした。
 
未経験の方が収入を増やしていく動画を見て
 
「医療の知識を提供することで収入が得られないか」
と思い、サイトに登録してみることにしました。
 

シナリオライティングとの出会い


看護師資格を生かした案件は転職関係のライティングが
ほとんどでした。
医療の知識を提供するにはさらに資格を取らなければならず
壁の厚さを感じました。
それでも今の自分にできることはないかと
様々な案件にチャレンジしていました。
 
「シナリオを書いてみませんか」
ある日スカウトを頂き、テストライティングを受けてみました。
書き始めてすぐに思いました。
 
「楽しい」
提示されたプロットに肉付けをする作業でしたが
キーボードを叩く指が止まらず、文章が溢れ出てくるようでした。
試行錯誤しながら書き上げると
 
「本当に初めてですか?」
とクライアントさんは仰り、嬉しさがこみ上げてきました。
 
私は昔から本が好きで
「そんなに本を読んでいるなら小説書けるんじゃない?」
と夫に言われたことがありました。
プロの作家の方が苦しみながら
一行をひねりだしているというのに
一介の本好きが簡単に書けるものじゃないよと
苦笑いして答えていたのをふと思い出しました。
そんな私が文字を綴ってお金を得るようになるとは。
 
私のシナリオを気に入ってくださったクライアントさんが
丁寧に添削してくれたおかげで徐々に文章のクオリティが上がり
 
「セリフが良かった」「泣けた」
 
といった反応が動画のコメントで頂けるようになりました。
ただの本好きで家にいる私が書きあげたストーリー。
それが感動の評価を貰えるなんて。
鳥肌が立つような驚きと喜びでした。
これまで培った医療の知識がシナリオにリアリティを与えたように感じました。
いつの間にか今までの経験が生きていて嬉しくなりました。
 
私はシナリオ制作に夢中になり、子供が遊んでいる傍らで
パソコンを開いていることが増えました。
すると
 

「ママ、パソコンで遊んでばっかり!」


 
娘の気持ちがストレートにこめられた言葉が勢いよく刺さってきました。
 
「い、一応お仕事しているんだよ」
と説明しても
「ママ全然遊んでくれない! つまんない!」
次第に子ども達は物に当たるようになっていきました。
 
実際、公園で遊ぶ子ども達を見ていると
「今パソコンが手元にあれば進められるのになぁ」
と思ったことは1回や2回ではありません。
 

お母さん→自分→お母さん


私は悩むようになっていきました。
私が充実感を得ることは悪いことなのか。
私はどこまで家族に尽くせば自由な時間が得られるのか。
 
パソコンに向かうと罪悪感に駆られる。
ある日Twitterで繋がった方に
 
「どちらか一方のみを優先させるのではなく『順番こ』という
考え方はどうでしょう」
 
私はハッとなりました。
「自分の時間が終わったらまたお母さんになればいいだけなんだ。
繰り返していいんだ」

まずは時間にメリハリをつけるようにしました。
執筆は朝に行い、子ども達が幼稚園から帰ってきたらとしっかりと向き合う。
早朝から仕事をすることで、より集中して執筆に取り組めるようになり、子ども達と本気で遊ぶ余裕が持てました。
ついでに前倒しでスケジュールを組めるようになり
慌てずに夕飯の支度ができるようになりました。
 

好きなことをするっていい!


これまで本や映画や漫画から私はたくさんの影響を受けてきました。
自分の中に蓄積された面白い考え方や重厚な言葉たちが
新たな形になって飛び出てくる。
 
1日のうちに集中して物語を綴れる時間があると
生活の満足度が爆上がりしました。
収入も少しずつですが右肩上がりです。
 
もしかしたら今後、再び看護師をやることもあるかもしれません。
でも「看護師以外のこともできるんだ」と思わせてくれたこの経験は大きな自信となるでしょう。
 
私と同じように家事、育児で自分の時間がなく
日常に満足感が得られていない人がいるのではないでしょうか。
 
好きなこと、得意なことで他者と関わると自分のために生きている実感がわきました。
 
どんな一歩を踏み出せばよいか分からない人もいると思います。
そんな人達と悩みながら一緒に励ましあっていきたいです。
 
不安定な仕事なので、急に収入がなくなる状況になったこともあります。
子ども達に早朝から「遊んで!」と言われ
スケジュールが狂うこともあります。
 
だけど
「ちょっと待っててね。お母さん大変だけど楽しいの」
と言える今が嬉しいです。


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