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DV事案とは・・・警察に通報して欲しい

数ある報道の中でも、詳しめなのがこちら

原告側のコメントも詳細だ

妻が主張していたDVについて、認められなかった点について「裁判所は、暴行の有無について(証拠となった)写真の提出が遅かったことを理由にあげて否定している」。
精神的暴力についても、「妻は経済的な不均衡から萎縮して支配関係があったのにもかかわらず、たまに言い返したことを持って対等な関係にあったとしてしまう。そのため口論として扱い、精神的なDV については認めなかった。裁判官の認識不足、理解不足であり、裁判官がいかにDVを理解していないかがわかる」。
さらに「離婚慰謝料が認められなかったのも、裁判所はその対象となる被告の行為態様を別居時までとしたから。別居後のそれも問題すべきだった。メディアを利用したり、ハンストを強行したり、逮捕状をとったりして、彼女を支配しようとした」。
「婚姻費用はこれまで被告から支払われたことがないこと、給与差押えをしたら会社を辞めたこと、家の持分を一方的に売却して差押えを逃れたこと、これらは経済的DVにあたる」として、別居後もDV は継続していたのだと指摘した。

原告代理人のコメント

DVの議論になっているので、検証が必要だと考えた

どうも判決は、DV,精神的DV,離婚慰謝料請求について認めなかったことがわかる

それにもかかわらず、それでもなお、別居後もDVは継続していた、といい、裁判所の判断と異なる評価をしていることについては、裁判官の理解不足を理由にしている。

こういうことが放置されれば、共同養育がおよそ無理である

ここで、DV事案に対しての共通理解が有用に思う

そこで、裁判所の受付も、調停委員も裁判官も、警察官も、行政も、DVであることを否定しない典型的DV事案について、今一度紹介しておこうと思う

DV被害者救済のためにも有用であることは、理解いただけるだろうし、完全に典型的DV事案をDV事案と呼ぶことを大前提として、果たして、DV事案の概念を拡張することの是非は、別途議論すべき課題として指摘にとどめたい

DV事案の弁護士介入のタイミング

DV被害者は、その自覚が欠けていることもあって、そもそも法律相談自体に出向かない

DV専門相談等担当した場合の大半は、すでに行政相談を自ずとされていて、行政のサポーターが同伴することもあるし、別居が完了していることが多い

すなわち、別居指南を弁護士がすることはない

場合によっては、行政の中でも特に警察が介入済みのケースはある
すなわち、DV加害者が逮捕・勾留されていることさえあるのだ

DV加害者が逮捕・勾留されていると、被疑者弁護人が就いて、弁護士との示談交渉などをしなければならないという段階で、被害者支援制度を使った弁護士への相談・依頼というところから弁護士が介入するということがある

その時点で、加害者の身柄拘束による別居が完成しているので、DV被害者が避難する必要はなく、子連れ別居は起きない

DV被害者は連れ去らない

(仮に居所を移転する場合も、避難なので、正当化されるので、連れ去りにはならないし)

被害者となる親子の日常生活は変わらず、転居・転校・転園することもない

心配なのは、身柄拘束期間が過ぎたときのこと

従前の居所で生活を続けることになるので、もちろん、加害者に居所を知られていることもあり、その不安が募るのももっともである

とはいえ、逮捕・勾留され、取り調べを受け、刑事処分について検討の対象となり、弁護人にも諭されるだろう、何より、自由を奪われた身となる体験は、たいそう堪えるのも想像できる

刑事弁護人活動としてありがちな、早期身柄解放、あるいは、処分を軽くするための、示談交渉が行われるので、自ずと、接近禁止の誓約が盛り込まれていく

あるいは、この身柄拘束期間中に、急ぎ、DV保護命令の申立をしていくことも不可能ではない

保護命令が発令され、接近禁止となっているのに、接近してしまえば、保護命令違反としてさらに逮捕されていくことになる

統計によると保護命令違反例というのはほとんどないようだから、こうやって、DV被害者の日常生活は安心して維持されることができる

また、警察署も定期的に要警備家庭として見守ってくれるから安心だ

別居確立後の離婚交渉

DV保護命令が発令された場合の隠れた機能として、その確定証明書とともに、行政に提出すれば、離婚成立前でも、児童扶養手当の支給が開始されることだ

別居後の当面の生活についても経済面で手当を受けることができると、離婚交渉を急ぎでする必要がなくなる

ゆっくり婚姻費用分担請求をして、目の前の暮らしのために無用に妥協することもなく、折り合いがつかなければ、早々に審判移行すればいい

留置所での反省の成果か、婚費調停に対して誠実に解決する例もある

離婚交渉は、日常生活の平穏が手に入ってからゆっくり行うことが叶う

早期解決を期待して、協議離婚での交渉もありうるが、慰謝料請求をすると、反省はともかく金額の折り合いがつかないこともある

とはいえ、被害者が受けた被害も尋常ではないわけで、別居だけではなく、その後に心のケアを要するようなこともあるから、最大限の請求をしてもいい

頃合いを見て離婚調停の申し立て

いよいよ協議が進まない段階でいいので、離婚調停を申し立てる

申立書に添付する書類に、相手の加害性を伝える機会があるし、十分な配慮をしてくれることもある

集合時間をズラしたり、待合室のフロアを変えてもらったり、最も配慮があるケースだと、通常、裁判官や調停委員が固定している同室に、当事者が交替で入るのに、安全の優先が高まると、当事者が固定して、裁判官らが部屋を移動してくれることもある

担当の書記官以外のスタッフも多く配置され、顔合わせすることがないよう、徹底されていく

安心の中で、調停期日の対応をすることができる

争点は金額の折り合いくらい

警察が介入した経緯のあるDV事案になると、DVかどうかということで争いになることはおよそない

離婚請求に対して応じないということにもならない

親権者の指定にも揉めない

面会交流の希望があるかもしれないけど、無理を求めることもない

慰謝料等給付金については、いくら反省があっても、現実的に支払われる額に折り合いがついていくことになる

被害者としても、早期解決するメリットや、確実に支払われる金額を見越して、意外に合意による解決が可能になることがある

1年以内の解決


冒頭に紹介した離婚裁判が、3年がかりという

DV事案は、争いたくても刑事記録になっていて争いようがないこともあって、結局、1年もかからずに離婚が成立することになる

典型的なDV事案が適切に対応され、警察なども厳重に見守りながら、被害者となる親子の安心した生活が約束されていることを、もっと世に知らされるべきだと思う

DV保護命令の発令及び確定証明書によって、ひとり親家庭としての扱いが前倒しに実現する支援もあれば、やはり離婚の成立を要するものもある

慌ただしく子連れ別居を強行するよりも、保護命令によって、当面の安心できる生活環境を確保しながら、ゆっくりと、公営住宅への転居をしていくということさえできる

DV被害者を守る仕組みのある世の中になっている

これだけ、手厚い保護がある一方で、被害を受けたことによる心身の負担は痛ましかったりする

各種保護・支援があっても気休めにしかならないかもしれない

そもそものDV被害があってはならない

DVを撲滅していく

そのためには、お飾りの婚姻中共同親権ではなく、適切に人権尊重を尽くす制度が必要である

単独親権制撤廃がDV撲滅に貢献する


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