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狂感を持ち合わせるあの焼きそば好きなタイプ(KOGADOの冒険ワークショップ vol.3 西川さんとの対話の続きの巻)

『工画堂文庫』編集長さんから、ちょっと眠くなってきた工画堂文庫に喝を!ということで始まったこの企画、GW経過でうっかり忘れることもなく毎週金曜更新の今回は3回目。
私自身が、浪人(こと、旧ツイッター木曜担当)という名乗りにどうしてもなじめないまま、今週も「毒にも薬にもならない」箸休めっぱなしコンテンツスタートです。

 今週は先週のつづきから。前回はこちら↓

 文章からは読み取れませんが、ほんとに一週間時間をおかれて会話の続きが始まりました。


~某日~

浪人:
 そうね。
 あ!そうだ!これ聞きたかったんだ!Chat-GPTとか、自然言語処理系のAIが今にぎやかですけど、どうですか?結構西川さんの立場を脅かす存在?かな?

西川:
 いろいろな人がネットで公開しているので、出力した結果を見る機会も増えてきたのですが、すでにもう文章的にほとんどおかしくないレベルに達していて、本当にすごいと思います。自信満々に間違った情報を言い切ってしまうところなども、かわいいですよね。

浪人:
 かわいい……。なんか、おそらく私のプロンプト(問いかけの文章のこと)の入力が下手なんですけど、……いまいちありきたりなことしか返してくれないんですよね。まあそういう用途に使うのならばすごくいいんでしょうけど。

西川:
 求めているものを引き出す技術みたいなものは、やはりあるのでしょうか。
 あるいは、ツイッターなどで出力結果を貼っている人は、気の遠くなるような繰り返しでようやく出てきてくれた、奇跡のような面白いものだけを載せているのかも?

浪人:
 そうそうそれ。1000回リテイクしても文句言われないから躊躇せず突っ返せるのがいいって言ってるひとがいました。その人は絵のジェネラティブだったけど。
 ちなみに、いまテストを進めてる■■■■■■■のテスト用のキャラの名前と、簡単な設定、序文など、ものの1分くらいでかきだしてくれましたね、あれには結構眩暈が、というかにやにやが止まらなかったよ!

西川:
 それで文章が破綻してないのが本当にすごいです。
 ただ、調べ物をするのはまだ早いのでしょうか。百瀬さんの出力結果とか、ほんとに面白かったです

浪人:
 私がフォローしてるPajiさんがジロリアンなんだけど、「ラーメン二郎(で提供されているもの)はラーメンではないと聞いたんですけど?」って対話をしてて、ジロリアンとしては「ラーメン二郎はラーメンではなく二郎という食べ物である」って答えを期待したんでしょうが、「ラーメンではないです、焼きそばです」って説明されて、論破できなかったって書いてて面白かったw

西川:
 二郎=やきそばというのは、どういう学習をしたんでしょうか(笑)ラーメンではない、というこちらからの情報が最重要視されているせいかもしれませんが。

浪人:
 そのシナプスのつながりっぷりが面白いよねw
 そういうひらめきをどんどん発揮してほしいんだよね。人間には予測できないこととか、いうなれば外れ値をどんどん出してほしい。

西川:
 お笑いとは相性がよさそうな気がしました。有名なお笑い芸人さんが「自分の代表的なギャグを教えてください」とリクエストして出てきた、聞いたことのない、やったことのないギャグをわざわざ再現してくれたりとか。

浪人:
 もう、何がオリジナルとか、原点とか本物とか、関係ないのねw
 嘘が混じるのが問題だっていう人もいるけど、誰だったかな、その嘘を見抜けるリテラシーが人々の中で高まっていくだろうから大丈夫だって言ってる人がいて、なるほどなって思ったよ。

西川:
 でも人が書いたものとほとんど見分けがつかないので、ネット全体の文章の事実を疑って見るのは、さすがに疲れてしまいそうですが(笑)

浪人:
 創作界隈では、やっぱり許容するかしないか問題、絵でも文章でも、絵の方が顕著かな?かなり白熱してるよね。つい先日もとあるところでツイートした内容がかなり話題になってたけど、作り手として西川さんは、危機感というか、そういうのあります?自分のクローンが出てくる、やれることがなくなる、みたいな。

西川:
 丸々一本のシナリオを……というそんな行き着くところまでいってしまうのは、もう少し先の話なのかな?とも思います。小さなアイデアや、ランダムでなんでもいいから数が欲しいみたいな使い方ならできそうではありますが、ただ、それも時間の問題で、いつかはそんな時が来るのかもしれません。

浪人:
 今回だって、みんなここまでできるようになるのはまだ先だって思ってたわけだしね。

西川:
 ですね。でもその時は、プロットだけ自分で作成して、それをAIに書いてもらう、なんて未来もありうるのかもしれませんが、例えば、自分の下で複数のライターさんに分業で書いてもらうのと、あまり変わらないのかも?と思ったりもしました。

浪人:
 ああそうかそうか、いままでだってそういう分業があったわけか。なるほどね。つまりそんな不安、この人に仕事とられちゃうんじゃないかな?みたいな、そういうのはもうとっくに味わってるんだ。

西川:
 一人で全部書けるくらいに、手が早ければよかったのですが……。
 他のライターさんにお願いする場合でもプロットから書いてもらうことが多いので完全にプロットだけ、というのは本当に珍しいケースではあります。なので、まだ恐怖を味わったということはなかったような……?
 あと何年シナリオライターとして活動できるかはわかりませんが、それまで、なんとか文章系AIの進化がゆるやかになっていてくれれば(笑)

浪人:
 自分を脅かすのが、心のある人間なのか、無感情で無慈悲なAIかで、どっちかっていうと恐怖を感じるのは後者なのかもしれないね。ほら、怒りは恐怖から生まれるっていうじゃない?進化もしちゃうわけだし。

西川:
 どうでしょう?自分は人に対する嫉妬のほうが大きいかもしれません(笑)
 技術が進めば、車より速く走れないことに嫉妬する短距離選手がいないように、かえってあきらめがつきそうな気も?

浪人:
 ひっ……。
 なんか話がちょっとやばい流れになってきたので、今日はこの辺でやめましょうかね。

 ロ■■■■■の0話、とても期待できました! 金曜日の会議も、よろしくです、そっちは■■■■■ドね。

西川:
 了解です!

浪人:
 では、おつかれさまー、ありがとー!

西川:
 ありがとうございました。

~~~~~

 二回に分けてお送りした西川さんへの聞き込み取材、というか会話の垂れ流しは、ここまで。
「あまり面白いことを言えず申し訳ないといつも思っておりますが、それでも読んでくれる方がいるようでありがたいです」と言ってました西川さん。
謙虚だねえ。
ということで、冒険ワークショップ、これからもよろしくお願いします。
次回は誰に突撃しましょうか?

※「KOGADOの冒険ワークショップ」では、レポーター「浪人」にやってもらいたいことを募集してきます。
ここにいってこれを調べてきて、この人にこれを聞いてきて、など可能な限り実現したいと思います。
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〇西川真音がシナリオを担当した代表作品〇
1)工画堂スタジオ オリジナルゲーム シンフォニック=レイン

 雨が止むことなく降り続ける街ピオーヴァのシンボルであるピオーヴァ音楽学院を舞台にした、キャラクターゲーム+音楽ゲームの融合作品。

 主人公であるクリス(プレイヤー)は音楽学校の器学科3年生で、卒業まで残り3ヶ月間。時間がないのにも関わらず卒業課題であるオリジナル曲も未完成、卒業課題の発表会でタッグを組む、歌を担当してくれるパートナーも見つかっていません。

 さあ、発表会が開催される1月半ばまでに、評価に値するオリジナル曲を完成させ、パートナーを見つけましょう!
※ゲームは『アドベンチャーパート』と、『音楽ゲームパート』の2つで構成されています。また、プレイヤーの選択や、音楽ゲームパートの結果などの条件によって、さまざまなエンディングを迎えることができます。

 ※↓はシンフォニック=レインを題材としたショートストーリーです。


2)オリジナル小説『Colors Fade~カラーフェード~』


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