改めて、専門家として知的障害について考えてみたー第2話
この記事は2,461文字あります。個人差はありますが、4分〜6分でお読みいただけます。
今日はnoteの連続更新111日目です。
noteのほかに、Voicy(音声配信)もしておりますので、ぜひ併せてご活用ください!
さて、今日は昨日の続き、「改めて、専門家として知的障害について考えてみたー第2話」をお届けします。どうぞお付き合いください。
まずは第1話のダイジェストから
今回は、昨日の記事の続きですから、もしまだ「読んでない!」という方がおられれば是非。
昨日はとある撮影があって、そこでは「知的障害」や「発達障害」について話をしたんですね。
そんな時間ない!
chatGPTに、前回の記事を要約してもらったのでどうぞ。
……….なんか自分の文章よりもスッキリしているし、めちゃめちゃ端的にまとめてくれている。ありがとう。ちょっと複雑だけど。
でも、これには続きがあって、最後にこんな一文が。
そ、忖度もしてくれている!ありがとう!嬉しいです!
というわけで、第2話スタートです。
IQを重視しすぎって言うけど、何か問題が?
これはまぁまぁな問題もあって。
そもそもIQを測るというのは、日常生活の中で誰もが受けることはなくて、何らかの困りごとがあって相談にいき、そこで「お子さんのことをよりよく知るために知能検査もしましょう」となるわけです。
つまり、「個々に程度の差はあれども、何らかの困りごと、支援ニーズがある」ということです。そして、検査を受ける側にとってみれば、数値は良くも悪くもインパクトがありますが、それだけで何らかの困りごとが解決するわけではありませんから、数字よりももっと知りたいことがあるわけです。
「結局、どうすれいいの?」
「どんなサポートが必要なの?」
「どんなサポートが受けられるの?」
これらの方がずっと大事なわけです。
IQによって受けられるサービスに違いがあるの?
IQによって理解できることがら、取り組めることがらに濃淡は出ると思います。だけれども、それは「支援の必要性の濃淡」とイコールではありません。
でも、実際には前回の記事でも書いたように、療育手帳の取得はIQで決められたり、それ以外にも、就学を含めた進路選択でも知能検査の結果を求められることがあります。特別児童扶養手当というものがあるのですが(詳しくは、下記)、これもIQだけで判断されると思われていることもありますし、窓口で「知的障害がなければ取れませんよ」と言われる人もいます(実際にはそんななことはないのですが)。
ちなみに、以前は、特別支援学校の対応は「知的発達の遅滞の程度が中度以上のもの」とされていました(教育支援資料、309号通達)。詳しい説明は省きますが、IQの分類でいくと最重度、重度知的障害および中度知的障害に相当する場合は対象とされていました(現在は、そうした基準は廃止されていますが、それも最近です)。
でも、IQが高い方が生活はしやすいでしょ?
こんな疑問をお寄せいただくことがありますが、これは一概にそうとは言い切れません。
支援の一つの目標に、「生活の質(QOL)」が高まることというのがあります。何をもってそれぞれの方の生活の質を測るのかは難しいところもありますが、QOLとIQの関係についての調査がされていたりします。
いくつか専門用語が出ていますが、要は「IQとQOLにはそんなに関係がないよ」ということです。
確かにそれはそうで、「IQが高い=生活しやすい」であれば、昨今になって「大人の発達障害」がこれほど話題になることってないんじゃないかなとも思ったりします。これは、知的能力の困難は薄いけれども、生活上の困りごとは大きい人たちがいます、これが背景にあるわけです。
結局、何が大事なの?
現在の国際的な流れとしては、IQだけじゃなくて、適応行動も加味して考えていきましょうねとなっています。つまり、生活上における困難、どんな支援が必要なのかを、IQ以外の情報も含めて考えていきましょうということです。
とはいえ、IQが不要かと言われるとそれもまた別で。
IQも大事、そしてそれ以外の情報も大事ということです。
次回は、IQ以外の情報ってなに?とか、知的障害によくある誤解あたりについて取り上げたいと思っています。
補足はVoicyの配信をお聴き頂ければと思いますので、宜しければVoicyの方も応援していただければと思います!
佐々木康栄
災害時に役立つさまざまな情報
被災地で、発達障害児・者に対応されるみなさんへ(国立障害者リハビリテーションセンター)
防災・支援ハンドブック(日本自閉症協会)
災害時、発達障害の子どもの支援についての医療関係者へのお願い(内山登紀夫先生)
災害時の発達障害児・者支援エッセンス
#障害者を消さない(ヘラルボニー)
寄付型セミナー(TEACCHプログラム研究会東北支部)
代表を務めているTEACCHプログラム研究会東北支部で、「寄付型セミナー」を立ち上げています。ぼくの衝動的な行動であることは自覚しています。それでも、今ぼくらにできることを考え、過去に配信したオンラインセミナーを再度配信させていただき、その売上(配信や販売に関わる手数料を差し引いた全額)を能登半島地震の支援・復興に向けた寄付することに決めました。宜しければ応援してもらえると嬉しいです。
#能登の障害者に届け
能登の障害者の方々に直接支援が届くように、一般社団法人障害攻略課さん
、NPO法人石川バリアフリーツアーセンターさん、一般社団法人Smart Supply Visionさんが「#能登の障害者に届け」というプロジェクトを立ち上げてくださっています。
この短期間でこれだけの状況を整えることは、どれだけ大変だったのだろうかと思います(きっとかなり睡眠時間や休みの時間を削って急ピッチで取り組んでくださったのだと思います)。本当に感謝です。
一緒に応援しませんか?
その他お知らせ
オンラインサロン「みんなで考える発達障害支援」
クラウドファンディング
▼9月に大阪にて講演会をさせて頂いた「一般社団法人泉大津・発達支援勉強会Lien」さんが、「大阪府泉大津市、及び、泉州地域である近隣市町村一帯が、発達障がいや多様な子どもたちにとってより過ごしやすい地域に」を目指して、クラウドファンディングをされています。特に、4月2日の世界自閉症啓発デーでは、世界中がブルーライトアップされます。これは色々な人に目を向けてもらうための活動でもある一方で、それだけ予算がかかります。
そのため、どの地域でもできるわけではありません。今回、泉大津市内のブルーライトアップをしたい!という想いを叶えるためのクラウドファンディングです。目標金額は220万円です。ちなみに、これは行政と一緒に取り組んでいるものなので、「ふるさと納税」として寄付ができます。
ぼくも応援メッセージを出させて頂いています。どうか皆さんも応援していただけないでしょうか。
皆さんの応援が力になり、その力が地域を進める行動になり、その行動が当事者やご家族の未来になります。
一緒に地域の未来を変えるお手伝いをしてくれませんか?
セミナー情報
▼TEACCHプログラム研究会 第16回実践研究大会 in 東北・東京・熊本・鹿児島 「共に学び 成長する 熱い冬」
ぼくは仙台会場にいって、一丁前にコメンテーターというのをさせて頂きます!翌日にはTEACCHプログラム研究会東北支部主催でイベント「自閉症支援の未来会議 in 仙台」も開催しますので、2月10日(土)、11日(日)はご予定の確保をお願いします!
▼会員限定動画▼
これまで、会員の皆さんには限定のコラムや動画を配信してきました。現在下記のような動画を配信中です。閲覧にはパスコードが必要です。何度かメールでご案内しておりますが、もし会員の方で「パスコードがわからない!」という方はteacch.tohoku@gmail.comまでご連絡ください。
▼会員限定コンテンツ▼
現在、会員限定の質問フォームを設けています。匿名にしようかとも思ったのですが、会員の方からのご質問であることを確認するためにお名前のご記入をお願いしたいと思います。ご質問については、全てにお返事できるわけではなく、会員の皆さん全体にとって有益だろうと思うものを中心に取り上げて、限定コラムなどで書いていきたいと思います。
▼その他▼
ここに記載した以外にも、東北支部ではさまざまな取り組みを今後もしていきます。会員の皆さんには、「今こんなことを考えています」というのもお届けしますのでお楽しみに。公式LINEもあり、会員以外の方もぜひご登録ください!定期的に情報発信していく予定ですので、「TEACCHって何だろう?」「興味はあるんだけれども、どんな活動をしているんだろう?」という方はぜひご登録ください!
SNS
▼Voicy
▼stand.fm
▼X
https://twitter.com/KoeiSasaki
https://www.instagram.com/koei.sasaki/
https://www.facebook.com/koei.sasaki.5