見出し画像

人間だって空を飛べる―アメリカ黒人民話集ー

この1週間、たくさんいつもより本が読めました。
どっぷりと本が読めるというのはいいことですね。
 
先日、遠くへバイトに行っている三女から連絡が来ました。
中島京子さんの「やさしい猫」(中央公論新社)は何度も読み直す
本になりそう、と話していて嬉しくなりました。
彼女もそういう道が気になるようです。
 
 
多読もいいけれど、気に入った本を何度も読み返すというのも一興。
 
友人も、これからの読書は新しいものを読むというよりも、
これまで読んだ自分の中での必要な本、古典を読み返したい。
そう話していました。
 
わたしはまだまだ読みたい本ばかりがたくさんありすぎです。
 
 
 

      人間だって空を飛べる アメリカ黒人民話集 ヴァージニア・ハミルトン           語り・遍金関寿夫 訳ディロン夫妻 画 福音館文庫



このお話は5月のお話会で、憧れのNさんが語られたのを聴いた時に
すぐ注文をした本です。
その時も在庫僅少でしたが、つい先日教文館ナルニア国で行われていた
福音館書店の品切れ本フェアのリストの中に入っていました。
非常に残念です。
 
巻末にハミルトンによる”原書まえがき”があります。


ある民族の間に語り伝えられた物語を読むと、わたしたちは、その人たちの 生活のそもそもの始まり、その人たちが味わった、さまざまな希望や挫折の日々にまで連れもどされます。

本書 p235.1-2l

24編のお話があり、読むとわかりますが、このお話はどこかで聞いたことがある感じがします。。これはあれに似てるな、なるほど、これはあの話だと気づくたびに、語りというものは、世界をぐるっとまわっているなと感心をすると同時に、どの時代も、どの人たちにも、語られることで生きる希望、糧や支えになっていると思いました。
 
 Nさんの語りで聞いたのは、本書最後のお話で、タイトルにもなっている
『人間だって空を飛べる』
せつなく、悲しいなかにも、希望を見出せるような話です。
聞いていて、どこか涙が出そうで、でも胸があったかく、
信じたい、信じていたいと思えてくるような、不思議な話でした。
 
BLMについては過去に他の場所ですがブログを書いています。
 
BLM
BLM続編
 
この黒人民話集の中での動物の民話は、クスっとさせられるものが多く
『トカゲ兄貴とウサギ兄貴の話』は『おいしいおかゆ』に似ていておかしかったし、あんまり楽しくて、『牡ライオンとクマ兄貴とウサギ兄貴の話』は
中3になる娘に無理矢理、読み聞かせしました(笑)
『リトル・エイト・ジョン」のお話も、2人の語りの友人が別々で語ったのを聴いたことがあります。
こちら子ども向けの教訓物語だそうですが(笑)
ちょっとぞくっとするシュールな話で、聞いてる子どもたちも、最後に、え?となってました。
そういえば、最近語られてないからおねだりしてみようかな。
また奴隷解放された実話も収録されています。
 
こういった本は品切れになると困るのですが・・・。
 
こういう本は、読みなさいと言っても無理だろうし、
でも中学生には読んでほしい一冊。
小学校4年、5年から読めると思います。
秋に人権週間があるので、ぜひそのまえにまず親御さんが読まれて、
常にテーブルにある、という戦法をおすすめします(笑)
 
現に末娘が「人間も空を飛べるの?」と聞いてきました。
しめしめ。
 
 
 
挿し絵はディロン夫妻。
調べてみたら、レイ・ブラッドベリでディロン夫妻の絵のを見つけたので
予約しました。たのしみ。たのしみ。
 
 


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?