労働時間と税理士業界のビジネスモデルについて
税理士法人に転職して9ヶ月目となる。
税理士業界は忙しいと聞いていたが、本当にそうらしい。労働契約にもみなし残業が30時間/月含まれており、残業前提の働き方ということがわかる。
1.労働時間について
入社した月は特段やる業務もなかったので、定時で帰っていたことがほとんどだったが、12月~4月までは毎月平均して80時間程度残業をしている。
各月の残業理由は以下のとおりである。
・12月:DDアサイン、10月決算1社、訪問1社、月次記帳1社、四半期2社
・1月:償却資産税申告2社(1社は瞬殺できるレベル)、法定調書3社(報酬のみ)、四半期決算2社、12月決算1社(決算時の税金計算)、訪問1社、月次記帳1社
・2月:12月決算見込納付3社、四半期4社、訪問1社、月次記帳1社
・3月:12月決算確定申告3社、訪問1社、2月決算1社(決算時の税金計算レビュー)、月次記帳1社
・4月:12月決算確定申告1社(上記3社の内1社)、3月決算2社(決算時の税金計算)、四半期1社、2月決算見込納付1社、訪問1社、月次記帳1社
上記に加え、お客様からの質問対応が任意のタイミングで入る。
この先も3月決算の見込納付及び確定申告、四半期決算、6月決算etc...が待ち構えている。
監査法人時代に比べて精神的ストレスは減少したが、労働時間は明らかに増えた。ほぼ毎月が繁忙期のようなスケジュールでは?と感じている。
2.労働時間増加による心身の影響について
上司の方は優しく、質問しても教えて下さる方ばかりである。人間関係はとても恵まれているな、と思う反面、労働時間が長いため、ここにきて心身ともに苦しくなってきているな、と感じることが最近増えた。
心身ともに苦しくなってきている理由について自分なりに分析してみた。
【仕事の面】
・テレワークのため、仕事中の雑談の機会がなく、人と話す機会が少なくなった。
・テレワークのため、気軽に聞くということが難しい(自分は空気を読まずチャットで聞いてる方だとは思うが)。
・1つ上の職階で入社しているものの、とはいえ1年目のため、やはり全体像がつかめておらず、作業スピードが遅いこと。
【プライベートの面】
・緊急事態宣言のため、趣味の飲み歩き・食べ歩きが困難になっている。
・仕事に追われ、ご飯をゆっくり食べる機会が減っている。
長時間労働を続けた結果、以下の症状が現状出ている。
【身体面】
・寝不足になった(23時頃まで作業→それからプライベートの時間を過ごすと2時位まで起きている)。
・遅寝遅起になった(2時頃就寝→9時半頃起床)。
・上記を原因としてぼーっとすることが多くなった。
・食の回数が減った(ひどいときは夜に2回食べる)
・頭の回転が遅くなった(人と話す機会が少なくなったから??)
・日本語が拙くなった。
【精神面】
・ワクワクすることが減った。
・趣味にあまり興味が持てなくなった(コロナの状況も相俟って飲み歩き・食べ歩きが制限されていることも大きいが)。
・日曜日の夜が来ると憂鬱になる。
自分は何時間労働しても大丈夫かと思っていたが、意外と早く限界が来るのだな、ということがよくわかった。上記の症状がもう少し続くと危ない気がしている。
様々な経験をさせてもらっているので、修行場所としては最善の選択をしたと思っているが、この働き方は長期間続けることは難しいな、と9ヶ月勤務して感じてしまった。
3.税理士業界のビジネスモデルについて
現在修業している法人は伝統的な税理士業界のビジネスモデルを採用している。具体的には、顧問契約、申告書作成、記帳代行、四半期決算及び決算、監査法人対応etc...それに加えてDD等を適宜提供している。
報酬単価は一般の税理士事務所に比べて高額ではあるが、監査報酬やDDの単価と比較すると見劣りする。
なお、給与水準は一般の税理士事務所と比較すると明らかに高い。
具体的な金額は伏せるが、これだけの給与を在籍している職員分支払う必要があるから、顧問先を増やさない限り、この水準を維持することは出来ないのであろう。
経営サイドからすれば新規顧問先獲得=事務所の売上増加になるが、職員の給料は一定のままで負担は増加する。
なお、トップの下にいる税理士(パートナーと表現する)が実際に職員が作成した申告書をレビューする。彼らも顧問先の数だけレビューが待っているので、永遠に仕事をしている。
このビジネスモデルで最も得をするのはトップである(どの業種でもそうかもしれないが)。トップの考え方が変わらない限り、この長時間労働はなくならないな、と思っている。
4.おわりに
労働時間と税理士法人のビジネスモデルについて記事にしてみた。
2年間は修業のため耐えようかと考えていたが、心身が壊れると元も子もないため、今年中に独立するかもしれない(言い訳&逃げになるが…)。
独立してからはITやツール等を駆使して効率化していきたい(今の法人だと制約が多い部分もあるので)。
サービス内容をどうするかな。何かに特化したサービスを提供したい。ITを駆使した業務効率化、ニーズあるかな。IT関係は好きなので、強みにしていきたい。この業界、まだまだ紙文化であるところが多いので。
以上
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