授業料自由化と修学支援が同時に行われたら、日本はとても気味の悪い顔になります。


SNSで「進学をさせる」と一言で言えば、「あ、そう」と簡単な返事が返ってくる気がします。

でも、「日本人は希望者全員を進学させる」と言うと様々な反発が起きます。

程なく、進学に対して否定的な意見が噴出します。

何故ならば、それは国にとって所得の低い人の全てを無償で進学させるという話になるからです。そして、それは授業料を支払う層と無償化される層の2極を生みます。

大学の授業料自由化が程なく実現したら、上がり続ける授業料を支払い続ける層と支援されて無償化される層の2色の綺麗な色分けが完成されます。

この美しい2色の塗り分けは、大学授業料自由化が現実味を帯びている今、修学支援が実施される今、気味の悪い顔で、日本を気味の悪い様相に変えるはずです。

噴出する否定的な意見は国に修学支援の要望書を出そうと思う私にとって大切です。
つまり、国はおそらく「日本人は希望者全員を進学させる」と言われると猛反発するからです。その際の国の論法は概ね先ほど頂いた否定的な意見と相違ありません。

つまり、どのような否定的な意見があるか?を要望書の提出前にかなり出し尽くすことができます。それに対して1つずつ肯定する論法を作り上げてしまえば国に反論する余地はなくなります。反論の余地のない話をされても、それで尚且つ国が首を横に振るのであれば、それはすでに進学の意義を超えた、別の次元で可否を決めていることになります。
つまり、選挙だの、なんだのつまらない理由です。

私は進学肯定論者です。
貧困層から進学によって、貧困から抜けた者です。その為進学を肯定します。

世の中には様々な資格がありますが、資格によって仕事が得られます。
資格以外にも名刺がわりになるのが学歴です。
学歴である程度高い報酬が担保されます。

万能とは言えないまでも、高学歴の名刺を持っていれば、高所得への道は開かれやすいです。
逆に学歴の名刺がなければ、つまり中卒であれば高所得への道は困難を極めます。

私はこの名刺を使った見えない時計仕掛けが日本にはあると考えています。

高所得の人間が高学歴の名刺を手に入れやすいように。
低所得の人は延々と高学歴の名刺が手に入らないように。
時計の針が正確に時を刻むように、何十年も長きに渡り一定の条理を刻んでいるように見えます。
高所得の家庭は代々高所得であり続けるように。
低所得の家庭が代々低所得であり続けるように。
同じような人生が進んでいくように社会が作られています。

時計仕掛けで自動的に格差社会は延々と続くように
生まれて〜学校に行って〜働く
という風に流れていきます。

高所得の側に流れた人たちは少し働けば沢山稼げます。

そして低所得の側に流れた人たちはいくら働いても稼げないようになります。

高所得者は1時間に5,000円以上稼ぎます。
5,000円と言えば年収にすると一千万くらいです。
サラリーマンでも多い人は15,000円程稼いています。

そして低所得者は1時間に1,000円程度しか稼げません。

この事実をしっかりと子供に教えていますか?
高所得の家庭ではこの条理を教えていることが多いです。
低所得者の家庭ではこの不条理を具体的に教えていないことが多いです。

1時間で1万円稼ぐことを考えてみてください。
通勤も楽しいし、掃除をしたりするのも率先してやります。
1時間掃除をして1万円貰えることを想像してみて下さい。
そして4時間程度働いて切り上げる。

高所得者は1日の仕事の時間も短く、休みも多い、休日はゴルフや旅行に楽しみます。

低所得者は1日の仕事の時間が長い、休みはない、スポーツはしない、旅行は行ったことがありません。


高等教育機関へ進学する人は年々増えています。それだけ進学思考は高まっていると言えると思います。

昨年公表された文部科学省の令和元年度学校基本調査によると
2019年
大学進学率 53.7%
短大進学率 4.4%
専門学校進学率 23.6%
81.7%の人が高等教育機関に進学しています。

進学をしていない人の数値は出されていないので計算すると
進学していない 18.3%
となります。

日本はとても気味の悪い顔になりそうです。

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