社内リソースか、社外リソースか
一昔前までは会社で出世しそれなりの役職になると、それなりの権限と予算を与えられていました。今はそれなりの役職でも限られた権限と予算しか与えられず、期待と責任だけが重くのしかかることも…。時代の変化が早く、少し前まで使えていた手法がすぐ使えなくなることから、より判断が難しく、慎重になる企業も増えているのではないでしょうか。
最初に断っておくと、リソースが社内に存在しないわけではありません。どの企業も課題はありつつもヒト・モノ・カネは一定確保しています。問題はそのリソースを使いたい時に使いたい分使えるかどうかです。現に近年の財務省の法人企業統計(2018)によると、企業内部留保は過去最高を更新し続け、非正規雇用の割合が増えているものの、雇用人口も微増を続けています。加えてモノ余りな時代において、決して企業にリソースがないわけではないことが分かります。
社内リソースはあるけどなかなか使えない
とはいえ、このご時世、企業の財布の紐が簡単に緩むわけもなく、手堅い事業以外には消極的になりがちです。目まぐるしく変化する世の中で旧態依然としているわけもいかず、現状維持のままでは…と思いつつも打開策や新規事業には抵抗があり、抜本的な改善ができないこともある。そのような体質になると、前例のないことや、新規事業など「挑戦」という言葉が付きまとう事業に対し臆病になります。よって社内リソースは「前例のある」「実績のある」「今のところ安定した」事業に割かれやすくなります。
新事業は子供を育てるくらいの覚悟が必要
プロダクトライフサイクルから考えて新しい事業が利益を出すまでは少し時間が掛かります。事業によっては数年かかる場合もある。それは既存事業に力を入れた方が目先の数字は確保できるものの、いつまでも同じやり方が通用するわけもありません。だからどの企業も既存事業を走らせつつ、リソースを割きながらこれからの事業を育てていくのです。でも、その中で成功する事業なんて一握りで、一定の根気と見切りの判断は必要になってくるでしょう。ただ、その判断を収益だけで判断するわけにはいきません。今は利益は出ていないけど、将来的に確実性が高いものもあるからです。人間で例えるなら将来有望な子供と、優秀な大人の経済力を比較するわけにはいきませんからね。
リソースがあるのは社内だけではない
社内の新規事業を立ち上げるのに社内リソースを使わなければいけないルールなんてどこにもありません。でも、社内事業だからといって社内のリソースを振り絞ってやろうとする企業は少なくないはず。そもそも新規事業は社会課題と自社の強みを掛け合わせたり、全く別分野との組み合わせだったり、専門外なリソースが大いに必要となるケースがほとんどです。そんな時に素人が社内で悶々としていても一向に進まない上に、既存事業が割く時間が限られ最悪「今すらも走れない」状態に陥ってしまいます。そうならないためにも社外リソースとの連携、提携は必須です。お互いの利害関係が合致するなら、専門家同士の話ですので明日からでも具体的に取り組むことができます。「社会課題に精通するNPO法人と提携することで、行政との連携が図りやすくなり、官民一体の事業を進めることができるようになる」こともあるでしょう。加えて共感性の高い事業であればクラウドファンディングを用いて資金調達も出来てしまいます。
社内事業を走らせつつ、新規事業は社外で進める
社内リソースと社外リソース、結局はどちらもないと生きていけません。今は今で食いつないでいく必要がありますが、今つまずいてしまったら未来もないわけで、だから未来を今から創っていく必要がある。「うちの会社は古い体質だから」と嘆く前に、そこのリソースを今走るためにフル活用し、未来を創るために社外リソースを確保し着々と進め、軌道に乗った時点で、新規事業で独立するのか、パラレルキャリアとなるのか、本業に落とし込むのか、人生の選択肢も増えるわけですから、「なんか違う」「変えていかないと」と思うのなら、いつ何時でも主体的に動いて最高の日々をアップデートしていくべきですよね。
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