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学生メンター活動報告~ニシガミ vol. 1~


はじめに
こんにちは。高知大学大学院のニシガミです。
6月から四万十町で「地域ビジネススタートアッププログラム」が実施されています。学生メンターも、自分たちなりにプロジェクトを立てて、受講生とともに伴走しつつ活動しているのですが、この記事ではニシガミの活動報告を行おうと思います。

私のプロジェクト

私のプロジェクトは「積読読破!」になります。

今年から、高知大学大学院に入学し、主に大学生のキャリアについて研究を進めていこうと思っているのですが、家には大量の読めていない本が溜まっていたため、これらを片付けていこうと思い、企画を立てました。

企画自体は単なる自己満足ですが、そのなかで力をつけられれば良いかなと思って、本や論文を読んで、資料にまとめています。

今回は、まだ読み終わっ

ニシガミのマイプロシートです。少しざっくりしていますが…

ていないのですが、読んだ書籍の「おもしろいな」と感じた部分について報告をしていきます。

読書No.1:杉村芳美 (1997)『「良い仕事」の思想: 新しい仕事倫理のために』

こちらの本は、とあるウェブサイトのなかで見つけて読み始めました。
まだ一部までしか読めていないのですが(笑)、そのなかで学びになった部分を引用してみたいと思います。

「勤勉さ」の根源にある宗教的な考え

プロテスタンティズムの禁欲的な天職倫理は産業化の進展とともに強い宗教性をしだいに失い、世俗的で日常的な勤勉の倫理へと変化していった。

杉村(1997: p.26)

これは、勤勉に働くという行為の根源にはプロテスタンティズムの禁欲的な思想=宗教の考えがあり、その宗教的な考えが薄まるなかで勤勉さが日常に溶け込んだのだと理解しています。個人的には、宗教の考えのなかで「勤勉さ」というものが育まれたということが新たな発見でしたし、プロテスタンティズムの考えが基礎にあるということは意外でした。

「豊かさの到来」と仕事意識の変化

「豊かさの到来」に対する仕事意識の変化には、二つの方向が見られた。一つの方向は、単純化し単調化した労働を生活のための手段と割り切り、消費や余暇の活動に生活関心を移すようになったということである。
(中略)
もう一つの方向は、労働そのものの内容をより望ましいものにしていこうとする動きが生まれたことである。すなわち、「意味のある行動」「労働の人間化」の追求という「労働生活の質(QWL)」の向上を求める方向である。

杉村(1997: pp.28-29)

そして、ここではそういった勤勉な労働の結果「豊かな社会」が誕生したが、それと同時に「労働=たいくつ」「QWLへの注目」という結果を生んだのだと理解しています。またQWLについては、以下の説明もありました。

労働をたんなる手段的な活動として遊びや自由な活動と対立させるのではなく、仕事そのものが遊びや自由な活動の要素をもち(かつての職人の労働のような)楽しさのあるものにしたいということだ

杉村(1997: p.29)

現在の社会では、コロナ禍を通して生まれた多様な働き方の誕生、技術革新による大きな世界の移り変わり、自律的にキャリアをつくりあげていく能力の重要性など、様々な変化が起きているかと思います。

そのなかでも、この2つの仕事意識の変化は今でも説明できるものであり、現在注目されている「キャリア自律」「ライフデザイン」は、後者を支援するものなのではないかと感じています。


おわりに

この書籍の第一部を読んでいて、私の周りには仕事と割り切って働いている人が多い気がしています。もしくは、余暇や消費活動よりも”お金”に注目している人も多いなと思いながら読んでいました。

どちらにしても、良し悪しがあるものではないですが、時代ごとに若者の労働に対する価値観は様々であり、特に現代のような豊かな時代では「自分自身の何を豊かにしたいのか(するべきなのか)」によってより多様にあるため、理解することは難しいとは思います。

私も、社会的には若者に位置づけられる人間ですが、自分自身がどんな時代に生きているのか、何を求めているのかはよくわかっていません。

そこで、次回からは今回の本の残りを読みつつ、また違う本も読んでいこうとも感じています。

(文責:西上一成)

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