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ゆっくり休日に作りたい、大根とスペアリブの塩煮込み
寒くて大根の美味しい季節。今回は、『大根とスペアリブの塩煮込み』の作り方です。そして、ソムリエ一年生の小坊主が、この料理に合うワインもご紹介します。
塩煮にしている理由は、大根の甘さを引き立たせるためです。ごぼうやにんじんを加えても良いですが、今回は純粋に、大根の甘みと豚肉の旨みを大事にして、シンプルに塩で味をつけています。
材料が少なく、作り方も簡単ですが、時間はかかります。そのぶん、とても美味しいです。時間のある休日に、ぜひ作ってみてください。
材料
大根:500g(スペアリブと同量)
スペアリブ(豚バラでもOK):500g
水:1000ml
塩:5g(スペアリブの分量の1%)
こしょう:適量
唐辛子:1個
五香粉:適量
水溶き片栗粉:適量
(お好みで)万能ねぎ:適量
大根は、葉っぱにみずみずしさがあり枯れていないもの、太くて真っ直ぐなもの、毛穴が少ないものを選ぶと良いでしょう。
煮物に適しているのは、中心や上の部分。特に中心が美味しいです。
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今回はスペアリブですが、豚バラ肉でも大丈夫です。スペアリブの場合、骨の旨みも出てくるので、ぜひ使ってみてください。
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作り方
豚肉の下処理
スペアリブに塩とこしょうを振り、下味をつけます。
塩は結構多そうに見えますが、お肉の重量の1%の量を振りましょう。写真の分量はスペアリブが500g、塩5gの場合です。
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まんべんなく全体にすりこんでいきます。
あらかじめ下味をつけて半日〜1日おいても良いですが、「下味なんだけど、長時間おいて中まで入れる必要はない」というのが小坊主の理論です。
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大根の下処理
大根は、豚肉と同じ量です。今回は500g。
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上部と下部を切り、中心の部分を使います。
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大根の皮をむきます。
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上部ほど皮が厚くなるので、気になる方はむいてください。ただし、大根の皮は外側にいちばん栄養があります。
大根の皮は刻んで干してあげると、切り干し大根として食べることもできます。
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大根は皮をむいたら、縦半分に切ります。半分に切ることで、火の通りが早くなります。
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ちなみに、今回は大根の面取りはしません。理由は、面倒くさいのと、煮崩れても良いと思っているからです。それと、煮崩れないように煮るので大丈夫です。
少し厚い、約3cmの厚さに切ります。
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にんにくの下処理
にんにくは、1片で十分です(写真の場合、大きいので半量にしています)。芯などが気にならない方は、そのまま使ってください。
あえてスライスせず、まるごと鍋に入れることで、にんにくの品の良い香りが移ります。
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豚肉を焼く
先ほど下味をつけたスペアリブを、焼き目の香りをつけるイメージで焼いていきます。
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今回のスペアリブは脂がしっかりあるので、油はひかずに焼いています。脂が少ない場合は、適量の油をひいてください。
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具材を煮込む
スペアリブに焼き目がついたら、分量の水を少しフライパンに入れましょう。
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フライパンにあるスペアリブの旨みを、水でとってあげながら、鍋に移します。
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鍋に大根とにんにく、唐辛子、水を加えます。
唐辛子は種を取っておきましょう。
醤油や味噌の煮物など、大根に焼き目をつけることもありますが、塩煮だと、大根は焼き目をつけないのが美味しいと思います。
焼き目をつけない塩煮の場合、大根の甘みをすごく感じることができます。
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今回は圧力鍋で煮ていきますが、普通の鍋でももちろん作れます。
ただ、普通の鍋のほうが倍近く時間がかかってしまうので、圧力鍋がある場合はそちらを使うと良いでしょう。
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水から煮て、あくが出てきたらとりましょう。
あくが落ち着くまで、ふたをはずしてことこと煮ていきます。あくが出るたびに、何度か面倒を見てあげます。
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あくが落ち着いたら、ふたをします。
圧力鍋で圧の強さが選べる場合、「低圧」がおすすめです。「高圧」だと、圧が強くてぎゅーっと押し出してしまい、旨みが出汁に逃げてしまいます。
「低圧」でも、十分やわらかく煮ることができます。
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吹き出る感じになったら(ぴーっと音が鳴るかも?)、火を弱めて、大根がやわらかくなるまで10分煮ます。
普通の鍋の場合、沸騰してから落し蓋をして、やさしく沸騰する火加減で40分を目安にしてください。
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10分経ったら、いちど火を消して、大根の火の通りを確認しましょう。
力をいれずに、すっと竹串が入るくらいまで炊きましよう。
今回はまだ固かったので、追加で数分煮ています。大根の厚さや鍋の種類、火の強さによって少しずつ煮込み時間は変わるので、ちょうどよい時間は大根に聞いてあげましょう。
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大根にすっと竹串が入るようになったら、大根だけ鍋から取り出します。
スペアリブも少し煮えてはいますが、脂身の部分は竹串がすっと入るけど、赤身の部分は入らないくらいです。
ここからさらに、豚肉だけ追加で煮込みます。圧力鍋で20分、普通の鍋で1時間を目安にしてください。
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スペアリブがやわらかくなったら、鍋から取り出します。肉が手でさけそうで、骨がすこし浮いてくるくらいを目安にすると良いでしょう。
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味付け
鍋に残った煮汁の量を測ります。
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スペアリブにまぶした塩の量と合計して、煮汁に対して1%になるくらいを目安に、塩を加えます。
塩のタイミング、大事なんです。
大根とスペアリブがやわらかくなる前に塩をすると、固くなってしまいます。
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煮汁にスペアリブと大根を戻し、五香粉とこしょうを適量。
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寝かせる
浮いてる具材が沈むようにラップを落として(業界用語で「落としラップ」と言います)、煮汁を全体に染みるようにします。
これを、一晩冷蔵庫で寝かせます(なんと今日は食べれない・・・)。
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冷蔵庫で、一晩冷ましたのがこちら。
落としラップをすることで、豚の余分な脂もとれちゃいます(すばらしい)。
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仕上げ
これを温めたらいよいよ食べられる・・・!
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食べる分だけ、フライパンで温めてあげましょう。
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温まったら、大根だけ先に取り出し、器に盛ります。
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今回の味付けは、大根に合わせています。このままだとスペアリブの味が少し弱いので、ここで塩をひとつまみ足してあげます。
塩のタイミング、大事なんです。
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塩を足したら、いちど火を消して、水溶き片栗粉を加えます。
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再び火をつけて、お肉を仕上げていきます。
大根は煮汁を吸って味が染みますが、お肉はそこまで味が染みません。
大根に味を合わせているので、お肉の味はちょっと薄い。その問題を解決してくれるのが、とろみです。
とろみをつけることで、お肉に味がよく絡みます。
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お肉が仕上がったら、いよいよ盛り付け。お好みで、万能ねぎを散らしてください。
お酒にも合う。とろみをつけたことで、ごはんのおかずにもなる。そんな一品。
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大根とスペアリブの塩煮込み、完成です。うまそ。
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ワインの紹介
でもちょっとその前に、まずはビールから。
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大根は、箸で簡単に切れる感じがすごくいい。
そして、本当においしい。
やっぱり大根は、味をつけようと思ったらだめなんですよ。味を迎えにいきましょう。
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スペアリブも、ほどよい弾力で食べごたえがありながらやわらかく、とろみによって味の乗り方も大根とちがい、とてもおいしいです。
忘れてました。ワインでした。
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今回は、赤と白の2本。
小坊主はまだソムリエ一年生なので、今回は尊敬する恵比寿の「WINE MARKET PARTY」の店長さんにご相談させていただいて選びました。
白ワイン
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白ワイン
生産者:ミューレ
原産地:フランス・アルザス
ぶどう品種:ピノ・ブラン、リースリング、ピノ・グリ
1000mlで手頃な価格、家飲みワインにぴったり
今回の料理は王道な合わせで言うと、味付けが塩であること、保湿性のある大根と豚肉という部分で、白ワインのリースリング、ピノ・ブラン(白ワイン用ぶどう品種)あたりが鉄板だと思います。
ワインと食事を合わせるときに大事なことは、味の比重。
和食で言うと、塩、醤油、味噌の順で味が濃くなりますが、今回の料理は塩なので軽いです。ワインもそれに合わせて、比較的軽いものを選んでいます。
あとは、テロワール(覚えたての言葉)。ぶどう、ワインの育つ風土。
アルザスはフランスの北の方で寒く、根菜や豚肉の文化。今回の料理とも合わせやすいです。
赤ワイン
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赤ワイン
生産者:ファットリア・ディ・ペトロニャーノ
原産地:イタリア・トスカーナ
ぶどう品種:サンジョベーゼ、メルロー、カベルネソーヴィニヨン
今回の料理が塩なので難しいですが、比較的軽めの赤です。
ワイン選びのポイント
今回のワインは両方とも混醸と言って、単一品種ではなく、いろいろなぶどうが入っています。
単一品種のほうが、料理と合わせる際に、より洗練されたマリアージュになりますが、またその逆の可能性も。少しの塩加減や油の量、質でまったく合わないものになってしまうこともあります。
師匠いわく、「ピンポイントで料理を引き立たせるのか、ワインを引き立たせるのかを考えたときに、片方に合わせるにしても、両方を引き上げてくれる最高のマリアージュを求めるにしても、単一品種で良い」とのことですが、それは針の穴を通すように難しいワイン選び。
「家庭でのペアリングでは、混醸のほうが合わせやすいんじゃないの?」とアドバイスしてもらいました。
今回は、心地よい合わせになっていると思います。
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白ワインは、豚肉の甘みとワインの味の比重が近く、五香粉のほのかなスパイシーさとワインの甘やかな香りがよく合います。
香りは甘いですが、味はドライで辛口なのが特徴。おいしいです。
赤ワインはチャレンジ枠。
赤で合わせる場合は、料理に少しこしょうを足したり、粉チーズなどをふりかけると、ワインに寄り添いやすくなるでしょう。
大根と合うかと言われると、白ワインのほうがよく合いますが、スペアリブには赤ワインもばっちり合います。トスカーナも豚肉はよく食べるそうです。
ワインを選ぶときは、有識者に聞くのがいちばん。ソムリエ一年生の小坊主も、ソムリエ何十年生の師匠に相談しています。
選ぶときのポイントは、飲むときのシチュエーション、飲む本数、価格帯、合わせる料理。それらを伝えてあげると、的確にアドバイスをくれると思います。
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最後に
長くなってしまいましたが、読んでいただきありがとうございました。
おいしい料理は、小さな丁寧の積み重ね。少し時間のかかる料理ですが、お時間のあるときに、ぜひ作っていただけると嬉しいです。
また、YouTube でもいろいろなレシピをご紹介しているので、そちらもぜひご覧ください。
酔っ払ってきたので、このへんで。
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