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夫婦経営をするのに能力や性格の一致より必要なこと

よく、パートナーとは性格が違いすぎて一緒には働けないという人がいます。

せっかちさんはパートナーのマイペースな仕事の進め方に、大雑把な人はいちいち細かい指示を出されることにイライラするのでしょう。

あるいは能力の差が違いすぎて、一緒に仕事をしていると疲れるとかもよく聞きます。



これは先にどちらかが事業を立ち上げていて、そこにあとからパートナーが参加するという場合によくある話です。

でもこれら、本当に問題なのでしょうか。

曲がりなりにも夫と9年一緒に働いてみて、また周囲の自営夫婦を見てきた私が思うのは、性格や能力の違いより、仕事への価値観が違いすぎるほうが厳しいんじゃないかなということです。


性格と能力は互いに補いあえる

私は夫婦経営をするのに性格や能力の違いはそんなに問題ではないんじゃないかなと思っています。

なぜなら性格や能力の差というのは、場合によってはお互いの不足する部分を補えあえることがあるからです。

たとえば私たち夫婦は、お互いがアクセルとブレーキのような真反対の性格です。

私は新しい施策を考えては次々と実行しようとするアクティブ派。

ただし行動力がありすぎて暴走してしまうのがたまに傷なので、冷静で経験も豊富な夫がしっかり抑えを効かせる役割を担っています。


あるいは理系と文系なんかもそうです。

片方は原価計算だとか値付けだとか、とにかく数字周りの仕事が得意。

対してパートナーは、文系なので数字のことはからきしダメだけど、SNSでお店のことをPRしたり、人と関わって心情を察したりするのが得意といった具合です。


どちらかに偏るのもそれはそれで面白い商売ができるかもしれませんが、一般的に考えるなら、得意不得意や考え方のくせなんかは、分散しているほうがお互いに補完しあえて安定した経営ができるといえます。


違いに注目すると、イライラして衝突してしまいます。

なんでそんなこともできないの?!とか、遅い!とか、細かい!とか。

でも、性格や得意なことが同じということは、言い換えると世間がせまくなりやすいとか、苦手な分野も似通っているのでそこをカバーする人がいない状況だとも言えます。

なんとか「穴を埋め合う」という意識に変えることで、互いの違いを生かし合いたいところ。

あ、この人はここの部分が弱いんだな。じゃあ得意な私が埋めようとか、私にはここが足りないからあの人の力を借りようっていうふうに。

そうすれば、無用な争いはかなり減っていくんじゃないかなと思うのです。


向いている方向が違うと厳しいのかも

一方で、仕事に対する価値観が違うとなるとこうはいかないことも出てきます。

たとえばなんのために自営をやるのかっていう話。

片方はお金が大好きで贅沢がしたいから。もう片方は、自由のきく環境で家族と豊かな時間を過ごしたいからだと思っていたら、お互いにあさっての方向をみながら仕事をすることになりますよね。

向いている方向が違うのですから、先ほどのように互いの違いを生かして穴を埋め合うことはできません。


あるいは、片方は「なるべく良いものをなるべく安く提供しよう、お客様のためなら労力は惜しまない」というスタンスだったとします。

仮にもう一方が「商品価値をあげて、そのぶん値段もあげて、仕事の生産性を高めたい」というスタンスだったら。反発は必至です。

こちらもやっぱり、急には埋め合うことが難しい価値観の差ではないでしょうか。



でも価値観は変わるもの

じゃあ仕事への価値観が違う夫婦は一緒に商売をやらないほうがいいの?と言われたら、それもそれでちょっと待って!と言いたくなります。

というのも、人の価値観は変わるものだからです。


新R25ワイドショーで、価値観が変わるきっかけとなったエピソードを集めて紹介していました。

回答を見てみると、移住、転職、出産、病気、家族の死など、人生の節目になるような出来事や、読書や海外旅行、趣味など日常の小さなことがきっかけで価値観が変わったと感じる人もたくさんいることがわかります。


私も10代でバイトをしていたときは、いかに自分の時間を提供してたくさんお金を稼ぐかということばかり考えていましたが、いざ二十歳で商売を始めてみると、お金や仕事への価値観はガラッと変わりました。

時間ではなく、いかに価値を提供できるかを中心に考えるようになりました。

逆にすぐにはお金にならなくても、やらなくちゃいけないこと (勉強、雑用、人付き合い...) があることも知りました。

そしてこのような価値観の変化は、人生の節目節目でつねに起こり続けています。

二十歳を過ぎたら価値観は変わらないという人もいますが、案外そうでもないんじゃないのかなというのが私の見解です。


あるいは仕事への価値観がまだその人のなかで醸成されていないということもありえます。

とくに商売を始めて間もない場合、頭がまだ「商売脳」になっていない可能性がある。

この時点で「合わない」と見切りをつけて夫婦経営をやめてしまうのは、少々もったいない気もします。


もちろん、いくら夫婦とはいえ価値観がぴったり合うなんてことはたぶん一生ありません。

ただ、やめることはいつでもできるんですから、まずはお互いにコミュニケーションを密にとって、合わない部分は冷静に落とし所を探すなり、少しずつ商売脳を育むなりしたらいいんじゃないかなと思います。焦りは禁物です。


ではまた次回☆

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