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【信州コンシェルジュ体験記②】須坂/味噌づくり「中村醸造場」

こんにちは!工房信州の家です。
この記事は、フォレストコーポレーションが3年前から実施している「信州コンシェルジュ」の体験レポート第2弾です。

信州コンシェルジュって?

信州コンシェルジュとは、『信州で「信州らしい暮らし」を提案している私たちが、信州のことを誰よりも知っていたい。信州のプロフェッショナル、信州のコンシェルジュになろう。』そんな想いから始まったプログラム。
信州らしいアクティビティを体験しに行ったり、信州に根差し、信州を楽しんでいるプロに会いに行きます。

今回は工房信州の家のオーナーさんであり、長野県須坂市で「中村醸造場」を営む、中村友紀さんを訪ねました。


工房信州の家オーナー・中村友紀さん

今回「信州コンシェルジュ」の活動にご協力いただいたのは中村友紀さん。中村さんは工房信州の家に住んで6年目になるオーナーさんです。

中村友紀オーナー

経歴

中村 友紀さん。
長野県須坂市出身。大学進学を機に上京し、2年間東京で飲食店・店舗経営を行う会社に就職。
東日本大震災を機に、出身地須坂へ戻ることを決意。当時お父様が社長として働く「中村醸造場」で働き始める。現在、中村さんが社長を務め、「味噌を気軽に楽しんでほしい」という想いのもと、「まるゆき味噌」「まるゆき醤油」などの販売や、レシピの発信、味噌や糀を使った手作り料理を楽しめるカフェも運営。
6年前に「工房信州の家」を建てる。エアパスの考えに共感しており、エアコンに頼り切らない生活がお気に入り!

【会社概要】
会社名:有限会社中村醸造場
事業内容:食品製造、食品販売(直販店、オンライン)、直営カフェ
公式HP:https://maruyukimiso.com/
公式Instagram:https://www.instagram.com/koujikitchenmaruyuki


まずは中村さんに、味噌づくりを始めとした事業への想いをお聞きしました。

事業への想い

家業を見て、色々と出来ることがあると感じた
当時、私が須坂に戻ってきたころは、商売の仕方が今と全然違いました。元々は卸売が9割でスーパーなどへの出品がメイン事業でした。卸しに頼りきる売り方は、生産力や工場化に特化した大手メーカーだったらやり続けてられるけど、うちの人数では難しい。当時も、とにかく忙しくて、休日は年に2日くらいでした。そんなに働いたとしても、うちの年間生産量を、大手メーカーは1日で作れてしまう。
自分達が作る味噌は、手作りで時間もかかるから大量生産は厳しい。
だったら、自分達で製品(味噌)を完成させることが出来ることを利点に、直販事業を取り入れることを決めました。

直販店
直販店・店内

どうして良い発想が出るのか?
小さいころから自営業をしている家で育って、自分の考えで動く父を見ていたからかもしれません。また、会社員も経験したうえで、やっぱり誰かの指示で動いていくというよりは自分の考えのもとやる!という気持ちが強かったというのもあります。
あとは東京にいた時のルームシェアの経験も大きかったですね。「食」というものの捉え方が少し自分の中で変わりました。

“食”は雑貨のように日常を彩るものという感覚
元々、東京で4人のルームシェアをしていました。当時は外食産業も、コンビニやスーパーのお惣菜もすごく豊富になってきた時代で、家で料理を作って全員で集まって食事をとるという時間は1番に省かれる時間だということを感じました。
皆で時間を決めて、美味しいもの一緒に作ろう!という時間は、なんだかイベントごとというかパーティーというか…。それがこれからの当たり前になっていくような気がしました。
だから、「食は日常じゃなくて趣味になる」というのが私の感覚。ユーチューバーが食事を食べたり作ったりする動画が何百万と再生されるような不思議な時代でしょ?「食」って嗜好品になりつつあると思います。その感覚を大事にしながら、自社製品の面白い打ち出し方にチャレンジしています。

長野県は味噌づくりが盛ん!?
長野県には、味噌の研究所があります。米は新潟でとれて、豆は山形で良く採れる。長野県はちょうど中間地点で味噌づくりが盛ん…ということを聞いたことがあります。実は長野4地域の中で、2か所以上くらいずつ味噌づくりをしている会社ってあって。なかなか知らないでしょ?
作り方も様々。地域性も出て面白い。調合の仕方で味噌の色が変わったり味わいが変わったり、そんなことも発信していきたいです。

使い方が難しい味噌をどう使ってもらうか
長野県には味噌を作っている会社さんがあるけど、なかなか味噌を買うことや日常的に使うことって難しいと思うんです。昔は、そもそも味噌を家で作っていたり、味噌漬けを作ったり、毎日味噌汁を出汁からとって作っていたりしたけど…今はインスタントの商品も手軽に手に入る。だからこそ、私たちは商品を販売する時はセットで使い方を発信するように心がけています。
「味噌って使いづらそう、ちゃんとした使い方が分からない…」そんな想いがあっても、全然問題ありません。気軽に私達の商品を買って、レシピを見て、カフェで食事を楽しんでほしいです。
ただ…私はセンスはからっきしなので(笑)、メニュー開発や広報については完全に奥さんが担当。実際に自宅のキッチンでレシピ動画を撮ったり試作品を作ったりしていますよ。お洒落に写真を撮ったり盛り付けたり写真を編集したりするのは全部お任せしています。(Instagramを是非チェックしてみてください!@koujikitchenmaruyuki)

糀kitchen maruyuki(中村醸造場さんが運営しているカフェ)

外観
メニュー
「みそトマカレー」
「まるゆきプレート」白米おにぎり、3種のお味噌、お漬物、豚汁

カフェのお料理は絶品。「味噌とカレーってこんなに合うの!?」「豚汁ってこんなにおいしいの!?」と感動の連続。さらには、なんと豚汁のおかわりが自由!ボリュームもしっかりあってとても幸せな時間でした。

これから

ヴィレッジヴァンガードのように、「行ったらなにか面白そうなものあるかな~」みたいな気軽な気持ちで、私達のお店に立ち寄って頂きたいです。
わたしは、軸さえしっかり持っていれば、経営方針はいくら変わっても良いと思っています。日々お客様のニーズも変わっていくし、社会の状況も変わっていきます。それに合わせて、「毎日楽しい!」が大前提にある上で「好きなこと」「やってみたいこと」を忘れず、日々走り続けたいですね。


インタビューを通して

中村さんの熱い想いを感じ、つい私達も「味噌を使った料理を作ってみたい!」という気持ちになり、すぐに直販店へ走りました。お店にも使い方が書かれたポップがあったり、Instagramにもたくさんレシピがあったりと、買った商品をどうやって使おうかいつもと違う気持ちで買い物が出来ました。買って終わらない、楽しみが続く商品を手にして、その日の夜はいつもとは少し違うウキウキした気持ちでキッチンに立てました。中村さんがおっしゃるように「食は単なる日常じゃなくて趣味になる」ということを体感できた気がしました。
購入した商品は、どれもおいしくてびっくり。味噌をそのままキュウリに付けても美味しいし、黒豆づくりと豚肉を炒めて鉄火味噌風にしてみたり…。InstagramやHPを見ながら簡単にできるのもとても嬉しかったです。
私達と同じく、信州を舞台に働く中村さんのお話を聞けて、身が引き締まる想いでした。
私達も単に「家」「土地」「マンション」といった物をお客様に購入して頂くのではなく、その家を通じて暮らしの場や、ご家族のかけがえのない時間を提供していける信州の企業であり続けたいと、強く感じた時間でした。

中村さん、大変貴重なお時間とお話をありがとうございました!


信州コンシェルジュ体験記はシリーズ企画。今後も信州に根付き、信州を楽しんでいる方にインタビューを行い、発信していきます!

渡辺



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