就農2年目に入りました
4月1日で事実上の就農2年目となりました。
あっという間の1年目を終えて、今想うことを綴ります。
目次はなしの長文になりますので悪しからず。
最後までお読みいただけたら嬉しいです。
先日、研修先であった東京農業アカデミー八王子研修農場の2期生が卒業されました。
研修生全員が無事に卒業されたことを知り
私たちの代はそれが叶わなかったので嬉しく思います。
また、新たに仲間であり、時にライバルとしての新規就農者が増えることは
とても刺激を受け、私もさらに頑張らなくてはと気が引き締まる思いです。
私も約一年前に、卒業し就農したことを思い返すと
本当にあっという間で、もう一年経ったのか
まだ一年しか経っていなかったのか
と思うくらいに色んなことがあり
それでも無事に一年間乗り越えることができてよかったと思っています。
まずは生産緑地で新規就農の事例がない地域での
就農のあっせんをしてくださった、関係各所の皆様には改めて感謝申し上げます。
農地を貸してくださっている地主さんをはじめ
地域の農業委員さん、青壮年部の皆さん、新規就農者の仲間・・・
破天荒な私を受けいれてくださり本当にありがとうございます。
また関わってくださっている
観光協会さん、商店会の皆様、創業支援の先生方・・・
農業だけではない分野で多くの事を教えてくださり支援していただきありがとうございます。
そしていつもお取引いただいている
卸売業者さん、小売業者さん、飲食店さん・・・
野菜がいつも安定していなくてご迷惑ばかりおかけしてすみません。
寛容に受け入れてくださりありがとうございます。
いつもこびと農園の野菜を買いに来てくださっているお客様
端境期で野菜が少ないときも雨が降っているときも台風がきて閑古鳥が鳴いているときも
足しげく通ってくださっているお客様のお顔はよく覚えております。
ねぎらいの言葉をかけていただくこともしばしば。
いつも応援してくださりありがとうございます。
また収穫体験やイベントなどにも来て下さるお客様との出会いもあり
多くのお客様に恵まれております。
ここには書き切れないですが
本当に多くの方に支えていただき創業一年目を乗り越えることができました。
感謝しても感謝しきれないくらい溢れる想いでいっぱいです。
なにより家族の支えは本当に大きいと思います。
昔から破天荒な私なので、また始まったよ
と半ばあきれられていると思いますが
「応援」よりも「反対されない」ことはすごく大事だと思います。
仕事の休みにお手伝いに来てもらったり、HPやチラシの作成などもいつもお願いしています。
身内からは叱咤激励を受ける日々ですが
ようやく最近、厳しい言葉も飲み込めるようになってきました(半分くらい)
なぜ私がnoteを綴るのか。
昔から、頭の中はいつも多くの言葉で埋め尽くされていて
考えだしたら止まらない、悩みだしたら地の果てまで悩み続ける。
話すのは得意ではないけれど
文章で書くと頭の中が整理され、すっきりする感覚がありました。
小説家になりたいと思っていた時もあったくらい
文章を書くのが好きで妄想癖があったと思います(笑)
ただ、過去を振り返るのはあまり好きではなく
自分が書いた文章を読み返すことはほとんどありません。
しかし、独立して毎日が戦場のような日々を送る中で
どうしてこれを誰も教えてくれなかったんだ・・・
こんなことどこにも書いてないじゃないか・・・
みんなどうしてるんだろう・・・
と情報があふれているこの時代に情報の少なさを感じました。
そして、仕事に対して溢れる想いをただ心の中にしまっていては
誰にも伝わらない。
なぜ苦労をしてまで独立を決めたのか。
なぜ毎日、身を削る思いで仕事をしているのか。
独立しようと思ったのは紛れもなく
自分の言葉で農業の魅力を伝えたいと思ったから。
組織の中にいては、自分の言葉を伝えるには限界があると感じたから。
これから新規就農を考えている人
将来のことで悩んでいる人
畑に興味がある人
こびと農園を応援してくれている人へ
自分の経験や思いを伝えながら
何かの参考になれば。誰かの力になれたら。
農業に興味を持ってくれる人が一人でも増えたら。
応援したいと思ってくれる人が一人でも増えたら。
そんな思いから綴っています。
最後に、この一年間で一番多くいただいた質問のおこたえを。
「農業をやろうと思ったら田舎にいけばいいんじゃないの?
土地はいっぱいあるでしょ?」
まさに、そのとおりなんです。
少ない狭い土地を競い合って、いつ返却しなくてはいけないか分からない恐怖におびえなくても広大な農地を借りて耕作すれば解決です。
もっと言えば、農家に嫁入りして先祖代々の農地を守り耕作すれば話は早いかもしれません。
ですが、私は純粋な生産者になって野菜を作って販売する農家になりたくて独立したのではなく、
農業という仕事を通して地域社会の課題解決に取り組みたいと思ったからなのです。
つまり、農家になることが目的ではなくて
地域社会の課題解決に取り組むことが目的で農業は手段のひとつであるということです。
この一文だけでは語弊が生じてしまいそうですが
野菜を作って販売することももちろん重要な社会の課題解決を担っていますが
私のような弱小農家がいくら頑張っても、大規模な生産者の足元どころか爪先にも及びません。
ならば私にできることをやっていこうと
農業を志した根本を思い返したときに、
農業を通じて困っている人や悩んでいる人の力になりたいとの原点から
東京という地を選び、今の経営スタイルに発展しているということです。
(詳しくは、過去のnoteなどをご参照ください)
実はつい最近まで、農家になることが目的となってしまっていました。
研修時代は、農家として独立するためにどういう野菜を作ってどんな売り先に販売するか、採算がとれるようになるにはどうしたらよいのか。
いい野菜はどうやって作るのか。
農地の確保はどうやって進めていくのか。
かなり必死に準備を重ねて一年目をスタートさせたのですが
やはり毎日の業務に追われ、準備を重ねてきたことを現実に落とし込む作業で視野が狭くなり
来年、5年後、10年後の未来を描くことが難しくなっていました。
するとだんだん目先の売上や目の前の仕事に目がいきがちで
将来への投資、準備をする時間が皆無になっていきました。
周りからは、農家になることが目的で終わっていたらいつか破綻してしまう。
もっと将来に向けて動いていかないと、周りに追い抜かれるよと散々忠告を受けていました。
頭では分かっているのですが、ついつい目の前の業務をこなすことの方が楽に思えてくるんですよね。不思議とそれがどんなに辛くても新しいことにチャレンジするほうがよっぽど労力と気力を使うんです(笑)
端境期になり、少し業務が落ち着いたときに売上も落ち着いてしまい
資金繰りがかなり苦しくなってしまいました。
時を同じくして、様々考えさせられる出来事が次々と起こりようやく目が覚めてきたというところです。
(ここの話しはまた改めてまとめます)
このままではいつか事業が立ち行かなくなってしまう。
もっと安定した経営を目指していかなければと考えるようになりました。
農業は繁忙期と端境期があるため収入の乱高下も激しく保証もありません。
それを補うために、複数の事業を掛け合わせて経営をしているわけですが
それぞれの事業内容を精査しつつ、将来に向けての準備も同時に進めていこうと動き出したところです。
創業支援の担当の先生に言われた一言が私の励みになっています。
「すべては人生の通過点と思って、これがゴールではなく
もっと大きい目標をもって進んでもいいんじゃない?」
来年の今頃は、今よりもっと成長できている自分であること
1人でも多くの人に農業の魅力を伝えること
また、こびと農園をもっと多くの人に知ってもらい
地域社会のお役にたてる存在になること。
そして、地域の皆様に愛される農園であることを目標に
新年度をスタートしていきたいと思います。
いよいよ繁忙期突入ではありますが
目の前の業務に追われず、将来を見据えて日々精進してまいります。
関係者の皆様
引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。
すごく長文になってしまいすみません。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
いいね!をいただけたら励みになります。
引き続き応援の程よろしくお願い致します。
こびと農園
鈴木 茜