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【ベトナム珍道中】ドンをたたき売るドン


進入禁止エリアで射殺されかけたり、
`オメガの時計`を`ET`から`5200円`で購入したり、
`偽ドラえもん`と絡んだり、
欧米美人に豪快にフラれたり。


ぴんくちゃんさんの投稿に刺激を受けましたので、

(呼び捨てにするのもどうかと思い、さんをつけましたが違和感がありますね...笑)


ぼくの人生初めての海外旅行をおもしろおかしく紹介しようと思います!

お楽しみいただけましたら幸いです!

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<prologue>

2016年、夏。
社会人1年目のぼくは、社会というものを舐めていました。

有給は権利ですよ、と言わんばかりに、上司にドヤ顔で告げます。

「9月に夏休みと有給で5連休とりますね!」

「ああ、とれよ。どこに行くんや?」

「ベトナムっす!人生初の海外旅行なんで!」

「お前、お金ないっていうてなかったか?」

「ないっすよ!だからツケです。
一緒に行く大学生の後輩から借りていきます!」

すっちーは、ぼくの大学時代の後輩でしたが、非常に財力があったのです。
たとえ財力があるとはいえ、後輩からお金を借りて、海外に行く。

まさに、ゲスの極み。

巨人・片岡コーチとの幸せをつかみ取ったベッキーさんもびっくりです。

上司はぼくに言いました。
「お前、社会人としてどうやねん?」

「いやー、だって、若いうちに遊んどかないと。ぼくらゆとりは定年なんてないんで、今遊ぶんすよ!公務員は福利厚生が手厚いから、必死に勉強したんすよ。今、遊ばないと!」

「そんなこっちゃ、将来苦労するぞ?」

上司の声は、ぼくの耳には届いていませんでした。
ニヤニヤと笑いながら、ベトナムの方角を凝視する少年に待つ冒険とは。


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<少数精鋭>

ふるさと納税でざわついている泉佐野市には、関西空港があります。

国際線のターミナルで、手荷物検査を待っているとき、ぼくは後輩のすっちーと所持金の確認をしていました。


「なあ、すっちー、今財布に何円あるん?」

「けっこう持ってきましたよ」
すっちーはにっこりと笑って、樋口一葉を掲示します。

「ん?5000円やん」

「そっす!5000円です!」

「いや、俺ら今から、海外に行くんやで?
6泊もあるんやで?いくらツアーとはいえ、飯や土産を5000円で賄えるか?」

ぼくの分のツアー代金の16万5000円を、建て替えてくれている後輩のすっちーは、手持ち現金を殆ど持ってこなかったのです。

「カードもあるしなんとかなるかなあと思いまして!」

しかっめつらのぼくに対して、すっちーは言葉を続けます。

「でもね。安心してください!トランプはありますよ」

「トランプは俺もあるよ!」

「ぼくら、準備がええっすね!」
すっちーはにっこりと笑いました。


「いや、トランプ2個いらんやん。
てか、ティッシュは持ってきた?」

「ティッシュは3個ですね。」

「少ないな、俺は20個あるぞ。
充電器は持ってきた?」

「ぼくは1つ持ってきました。」

「俺2つあるぞ!
5000mAと6000mA!すげえやろ?」

「ぼくの充電器は、1つで11000mAですよ。」

「少数精鋭、やな...」


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手荷物検査を舐めていたぼくは、保安検査スタッフのお姉さんにこう告げます。
「飲み物なんですけど、100ml以下ならいけますよね?」

「飲み物はダメです」
痴漢、ダメ!のテンションで話すお姉さん。

「ああ、ちょい待ってくださいね」
と言ったぼくは、グビッグビッ飲み干します。

まるで、牛乳瓶を飲み干す小学生を見つめるような目で、お姉さんはぼくを見守ってくれました。


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<ドンをたたき売るドン>

飛行機に乗ったぼくらは、ベトナムに向けて大空を飛んでいました。
上空、38000フィート。約11キロメートル。外気温は、マイナス59.3度。

飛行機の中で読んだ旅行会社のパンフレットにはこのような記載がありました。

「最近、偽ガイドがよくいます。日本語で'こっちですよー'と観光客を騙し、怪しいところへ連れて行くので気をつけてください」

そんなパンフレットを読んだぼくたちは、不安が募ります。
それでなくとも初の海外、怪しい人に騙されないかどうか、心配になったのです。


ほどなく、ベトナムの南部の都市・ホーチミンに到着しました。

入国検査と便意を済ませたあと、ロビーから出た瞬間、大きな叫び声が聞こえてきました。

「ヘイ!カンキン、カンキン!コッチデカンキンシテルヨ!」


その呼び声はまさに、カツオの叩き売り。
ベトナムに来てまで、魚屋さんにやってくるとは思いませんでした。

「監禁されるのは危険やな…」

「いや、先輩。換金ですよ、たぶん?
ほら、手にベトナムの貨幣、ドン、を持ってますし」

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「なるほど。
あの人らは、カツオならぬ、ドンを叩き売っているわけか」


ぼくらはその怪しい換金屋さんに、5000円を差し出しました。
返ってきたのは、ベトナム通貨の100万7000ドンが返ってきました。

桁があまりにも大きすぎて正しいレートなのか、お得なのかわかりませんでしたが、とりあえず換金はオッケーです。

*現在のレート
1 ドン は0.0046 円
1000000ドンは、4625.74円

1ドル:110円のようにわかりやすくないので困ります笑


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<両成敗が止まらない>

ぼくらは今回、現地ツアーに参加していました。

まず、課せられたミッションは、空港の外で待っている観光ガイドに会うことです。

旅行会社から届いた旅程表には、『オレンジの服を着た女性がガイドです。空港でこの人を探してください』と書いてありました。

そこに集合場所は記されておらず、『探せ』とだけ書いてあります。

まさに、ウォーリーを探せ、的なスタイルです。

「ウォーリーはどこやろ?」と、思いながら空港から出た2秒後、鬼の形相でぼくらの元へ駆け寄る女性がいました。

彼女はぼくらを見かけるなり、腹の底から叫び始めます。

「アンタタチ!マッテタヨ!」

どうやらこの怒り狂っている女性が観光ガイドのようです。
その口調は、日系ベトナム人の方のようです。

「え?いや、ぼくら、今着いたばかりで…」

「サンジュップン!
ホカノヒト、ミンナ、モウキテル!アンタラ、ヒコウキ、ノッテナイカト、オモッタ!!」

しかしおかしいのです。ぼくらはそんなに遅くなった気がしていません。

後輩が便意を済ませたのと、換金に時間を費やしたくらいです。
本当に彼女は、30分も待ったのでしょうか。

怒り狂うバスガイドさんを前に、後輩は申し

訳なさそうな顔をしていました。
ぼくはあまりに謎すぎる怒りに、あまり

「先輩、ここは申し訳なさそうな顔をしてください。
ガイドのおばさん、怒りが止まりそうにありません。
このままなら、両成敗されますよ」

「これは一本とられたわ。
まさに、両成敗が止まらないな」


「ハヤクバスニノレ!!」
バスガイドさんの急かされるまま、ぼくらはバスに乗り込みました。


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最後まで読んでいただいてありがとうございました!

冒頭にロックバンドの「ゲスの極み乙女」を登場させたので、

オチで「両成敗」を使ってみました!

ベトナム珍道中、今後もシリーズ化していこうと思います!!


貴重な時間を使って読んでいただき、誠にありがとうございました!

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