会社員を楽しむ 乗船券 ~カンパニーアイランド 4℃作戦編 🍀CI4
「会社員生活」をどう楽しむか。
国家公務員、経営者団体、民間企業
全てで働いたからこそ見つけた真髄を届けます!
*
「俺は、起業する!!」
神官「うぬぼれるな!お前の戦闘力は、85だ!」
「それは高いのか!?」
神官「1001点満点の85点だぞ?!」
「ぬわーーー!!!」
*
国交省退職後、「なんなんだよ、この人生!」と、もがき苦しんだ見習い勇者・キータ。
真っ新に生まれ変わって人生一から始めようがへばりついて離れない地続きの今を歩き始めた先で、風化した神殿に辿り着いた。
古代神殿の朽ちかかった壁が、太陽の光を浴びて天に伸びていた。壁の表面を茨が覆っていた。それに触れてみると、ぬるりとなま温かい。
何世紀もの間、風雨にさらされていた岩の表面はすり減って滑らかになっている。
「こ、ここはどこだ!?」キータはそう呟き、あたりをキョロキョロと見渡す。
どこかから、キキィーと、扉が開く音が聞こえる。
ほどなく、カツカツという乾いた靴音が聞こえてきたかと思えば、目の前に神官の装束に身を包んだ欧米人が現れた。
神官の登場を歓迎するように壁を覆っていた茨が形を変え、球体を形成する。
そのとき、神官はキータにこう言った。
「いや、そういう小説的な表現いらんから」
「え?」キータは神官の言葉の意図が掴めず、戸惑いを隠せない。
「それ、そういう表現がいらんねん!?小説ちゃうから。
戸惑うな。悩むな、汗を流すな。これはGLAYの楽曲じゃないし、リンクも貼るな」
「え…?え?」
「あーもう、説明するのが面倒やん、察して。
そんな小説的な表現もいらんよ。ラフに書いていってええんやで?」
「え、けど俺は小説家なんで…」キータは、スマホを取り出して、過去の自分の作品をドヤ顔で神官に見せつけた。
「お前は趣味で書いてるだけ!小説家を名乗るな~プロの先生っぽくかっこつけるな~~!」
「あ、はい…」
「わかればええんよ!
ここはダーマ神殿、私は神官カエサル」
「ダーマ神殿は、ドラ〇エの世界で、カエサルって、ローマ皇帝の…?」
「いや、そんな深く考えんといてって。
察して?設定やん、せ っ て い!」
「え、でも神官が関西弁って…」
「ちょ、お前、ええ加減にせえよ!
そういう現実的な考察はここでは御法度やっちゅうやろ?
ほんま頼むわ、察して…」
「…」
キータはすべてを察した。
「やっとわかってくれたようやな、じゃあこっちに来て」
「はい」
神官カエサルの導きによって、神殿の中に足を踏み入れようとしたそのとき…
カエサルはキータを叱責した。
「おい、ちゃんと靴脱げよ!ここ、土足厳禁やから」
「え?」
「横をみろよ~スリッパあるやん!?これだから近頃の若いやつはさ~。
そんなんでこれからの乱世を生き抜けるんか、心配やなー」
「わかりました」と答えたキータは、スリッパに履き替えた。
神殿の入口の足元には、とあるメッセージが書いてあった。マジックペンで書かれたらしいその汚い字には「ルビコン川みたいなもん」と。
*
「はい、じゃあカウンセリングを始めます~」神官カエサルはそう言ったが、キータは彼の隣に座る妖艶な女性が気になっていた。
「あの、隣の女性は?」
「え、ゴルバチョフ書記官やん。彼女は、書記担当やから」
「ゴルバチョフ??ソ連の政治経済の抜本的改革を目指しペレストロイカ(改革)とグラスノスチ(情報公開)を実行したあの?
どうみてもお美しい女性ですが…」
ゴルバチョフ書記官と呼ばれる女性は、手元のノートに何かを書き込みながら、ときどきキータに上目遣いをしている。
「女性だろうが、なんだろうが、名前はゴルバチョフ書記官や。
もしかしたら、転生したんちゃう?あとリンクは今日はもう終わりな?」
「いや、ゴルバチョフ書記官は、2020年現在、89歳でご存命ですが…」
神官カエサルは、眉を潜めた。
「キータ、お前さ。
ブロガーだか芸人志望だか知らんが、ツッコミすぎ。
そんなんじゃモテへんぞ?ちっちゃいことは気にすんな」
「うぐ…」
痛いところをつかれたぞ、と思ったキータは口をつぐんだ。
「当分ツッコミ禁止な。
もっとハイペースで物語を進めたいから!
尺長くなっちまって、読者が`離脱(リーブ)`したら、その比率に応じて慰謝料請求するからな~?」
「は、はい…」
キータは、これは厄介なところに来てしまったぜ、と汗ばんだ。
*
「仕切り直して…カウンセリングを始めます~
まず、あなたのプロフィールを教えてください」
「はい。
1993年生まれの26歳です。兵庫県神戸市に住んでいます。
国公立大学を卒業し、新卒で国家公務員になりました。森友学園事件に巻き込まれたり、鳥取に左遷されたり、うぐぐとなったので3年で転職します。
続いて就職した経営者団体では、100万回すみませんを連呼したり泥水を啜りました。
素晴らしい出会いや、大いなる学びもあったのですが、
労働時間の長さと接待飲み会のあまりの多さに、ひゅいと転職をします。
実践的な知識と実務経験を積むため、今は大阪の民間企業で働いています。
スポーツは野球とテニスが好きで、愛車はFITです。
趣味では、SNSの発信もしています。♧人生は喜劇を合言葉に政経コメディ,小説まで.月間5万PV♠喜怒哀楽全てエンタメに乱世の奸雄へ 夢:映画製作…
「はい、わかりました。
では、いくつか質問をしていきます。ここから関西弁でいくな?
なんで国家公務員と経営者団体を辞めたん?詳しく聞かせて」
「理不尽や非合理だらけで、自分の信念が全く通せなかったからですね」
「そんなもんだけじゃないやろ?
国家公務員なんて、入庁のために多大な時間とお金を投資したはずや。
辞めるのはもったいないやん?」
「ええ。しかしサンクコスト(埋没費用)を意識して留まっても、損失が拡大して、心が死んでいくだけだと思ったんです。
*
国家公務員として働き続けていれば、霞が関で駒として酷使され、繁忙期は毎日終電、国会対応があれば深夜まで勤務。同僚や先輩たちはそのような生活をしていました。
さらに、人事課に生殺与奪の権を握られ、左遷に怯えながら全国各地を飛び回らないといけません。
「それを見越して国家公務員になったんじゃないん?」
「甘かったんです。国家公務員=カッコいい。安定してるし、ワクワクしそう。そんな考えでした。しかし現実は全く違いました。
奈良市役所の内定ももらっていたのですが、蹴ってしまったのを後悔したこともありました」
「なるほどな。ほんで、次の経営者団体はなんで辞めたん?」
「経営者団体自体は、良い団体だと思うんです。
ただ、その職員として働き続けていても、実務と専門スキルが身につかないんです。
人脈や机上の空論の知識は伸ばせたとしても、実際にプレイヤーとして動かないと経験値は増えない、と思いまして。
飲み会の頻度も多く、ド平日の深夜に、タクシーの代行運転代わりをしたこともありました。月曜の深夜12時半に、「俺は社長のパシりじゃねえんだよ!」と苛立つことも。
もちろん、素晴らしい出会いも多くあったのですが…
その出会いは、こちらのレンタル広報シリーズで紹介しています。
「国家公務員と経営者団体時代、お前が一番不満だったことはなんだ?
それをしっかりと整理しておかんと、次の職場でも同じことが起きるで?」
「年功序列制度が強すぎるせいで、前例踏襲で思考停止した上司の命に従わないといけなかったことです」
「それは組織人の宿命だろ?」
「ええ、しかし特に国家公務員は酷かった。
どう考えても、俺ら若手よりやる気も劣ったサボリーマンたちが、自分たちの2倍3倍の収入をもらって、若手を`駒`にするんです。
駒と言っても、将棋の駒ではありません。盤上から退場すれば二度と戦線に戻れない、チェスの駒に思えました。
戦中の大本営じゃあるまいし無能な上官に従うほど嫌なことはありません。
誰もが法律と官僚の操り人形に思えました。
モラルや国民ファーストよりも、前例踏襲と慣例が正義の世界です。
経営者団体も対象は違えど、構造は似ていました。
利益団体や、権力者、お上の意向にしっぽを振る頻度が多すぎた…」
「それなら出世して、決裁権を持てばいいじゃないか?
お前が組織構造を変えればいい」
「限界がありますよ。それにノンキャリア公務員では不可能です。
ノンキャリア公務員は阪大、神大クラスの若手もいるとはいえ、東大卒のキャリア組には太刀打ちできません。
国家公務員や大企業は、よくも悪くも人事ルートが固定化しています。
上に登るまでにかなりの時間がかかるわけです。
俺はそれまで我慢ができなかった。
かといって、理不尽に耐えて、適当に流し続けることもできなかった」
「わかった、わかった。
ただな、今のお前の不満は絶対に忘れるなよ。
新しい職場で働こうが、不満は出てくる。
かつての職場の時代を思い返せば、今の環境が恵まれているのかということに気付きやすくなるからな」
「はい」
*
「では、キータ。お前は今からどうしたいんだ?」
「起業…です」
URLをみた神官カエサルは、一喝した。
「うぬぼれるな!」
「ぬぐぐ!?」
「現実をみろ。そして、はっきり言ってやろう。
お前の会社員としての戦闘力は、85だ!」
「それは、低いのですか?高いのですか?
「低い!
参考までに、私の戦闘力をつたえると、530000だ。もちろんフルパワーでおなたと戦う気はありませんからご心配なく...」
参照:ドラゴンボール 鳥山明 集英社
「ぬぐぐ…」
「その程度の実力で起業をして、飯が食えるほどこの世の中は甘くない。
収入が途絶えて、フリーターになる確率がかなり高い!
それに、お前には弱点がある」
「高すぎるプライドと、強欲、でしょうか?」
「もちろんそれもあるが、
確固たる武器がないことだ。
お前は一体、何者なんだ?」
「何者…それは俺が度々言われてきたことです。
無駄に知識が多くて、できる分野も広い。
小説執筆、楽曲制作、楽器演奏、動画制作…
ただどれも中途半端なので、何者かと言われると、言葉に詰まる。
おもろければなんでもいい笑業家と名乗ったこともありましたが…
中途半端だから、何も得ることができず失敗を繰り返す」
「自己分析できているじゃないか。
そうだ、お前は中途半端なんだ。
起業するためには、知識も経験も何もかもが足りない。
だからお前は、修行をして何かを究める必要があるのではないか?」
「ええ、わかっています…
けど、俺は誰かの言いなりになるのが嫌なんです。
俺がやりたいようにやりたいんです」
神官カエサルは、赤子を視るように目を細めた。
「その傲慢がお前を破滅に追い込んできたんじゃないのか?
我が強く、無能やと思った上司には物申して、公務員時代は厄介扱いされたんだろう?
自信過剰な暴れ馬は、組織にとっては邪魔だぞ?」
「確かに…」
「強引に正論を振りかざせばいいわけではないんだ。
郷に入れば郷に従え」
「わかっちゃいるけど、溢れる情熱を止められないんです…」
「止めろ。蛇口を捻れ!水のように、もっとしなやかに。黒田如水の晩年を見習え…」
「自分が時折、アナキンスカイウォーカーに思えるんです。
感情を制御しきれない…」
「ならお前には師匠が必要だ。
1から10まで師事を仰ぎたいと思えるオビワンケノービが」
「オビワンケノービ…?
もしかすると、今の会社のあのお方が…」
「いるのか?お前にとってのマスターヨーダが。オビワンケノービが」
「ええ」
*
「キータ。お前の目の前には、二つの道がある。
すぐに起業をするか。
いちど修業をするか。
よく考えろ。勇気と無謀は違うぞ?」
「俺はセンスやカリスマ性があるタイプではない…
会社を作る前に、会社員を極める必要があるのでは…」
*
その時、ゴルバチョフ書記官は、何かを書き込んでいた。
見習い勇者キータ…現状は6番もしくは7番。数年後、覚醒の見込みあり。
*
スペシャルサンクス:道楽舎のお二人
起業は焦りません。
まずは、修業をします!専門性を身に着けます!!」
キータの言葉を聞いた神官カエサルは、不敵な笑みを浮かべた。
「そうか。ではお前にこの乗車券を与えよう」
そこには、このように書かれていた。
*
ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。
物語は、まだまだ、続きます!続編を読んでくださる方。
⇒はい
⇒いいえ
【次回予告】
神官カエサルは、キータにとあるExcelデータを渡した。
そして、Co.Island でのルールを…
これからも、人生を‘お笑いコンテンツかつ人情物語‘として、
発信していきますので、楽しんでいただけたら幸いです!
貴重な時間を使って読んでいただき、誠にありがとうございました!
私の記事は、いかがでしたか。
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