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シン・長田を彩るプレイヤー ~区民であり区長、長田と共に生きる~(前編)

ながた住みます区長

今回は長田区役所のトップ、長田区長の増田 匡さんにお話を伺いました。

増田さんは平成3年に神戸市へ入庁し、住宅局、都市計画総局などを経て、
平成25年から長田区のまちづくり課課長として2年間、そして平成31年からは長田区長として活躍されています。

長田に移住までされた、増田さんの長田愛についてたっぷりお聞きしました!

前編①


-記者-

本日はよろしくお願いします!
区長は長田区民でもあり、とても長田愛に溢れている印象を持っています。長田にはいつから住んでいらっしゃるんですか?

-増田さん-
引っ越してきたのは4年前かなあ。

-記者-
長田へ引っ越してきたのは、長田区まちづくり課の課長になったのがきっかけですか?

-増田さん-
そうやね。それで地域の人らと、知り合って一緒に酒飲んで仲良くしてもらってっていうのは大きいかな。
「長田って、なんておもろいまちや!」と思って。

長田で個人的に地域活動をやりたいと思ってたから、イベントとかを手伝おうと思って引っ越してきた。
それだけちゃうけど、動機の一つやねえ。

-記者-
長田で地域活動をしたいと思って引っ越して来られるような方が区長やったら、長田の住民の方々は、よかった!と思いますよね。

-増田さん-
「わざわざ引っ越してきてくれた」とすごい喜ばれますね。
そういう思いを持ってきてて、仕事もまさに地域のための事ばかりやから、なにするにしてもやりがいは感じてるね。

でも、その区に住んでるっていう区長は今後増えてくるんちゃうかな。
市長が「その地域をよく知ってる人が区長にならんとあかん」って考えやと思うから。

前編②

-記者-
区長の仕事について具体的に教えてください。

-増田さん-
区役所の仕事って条例で4つ決まってるんやけどね。

・区の住民生活に関すること
・区の安全で安心なまちづくりに関すること
・区の社会福祉、社会保障及び保健衛生に関すること
・区の子どもの育成に関すること

つまり区の住民生活に関することっていうともう何でもあり(笑)
そんな中でも区長として大きいのはやっぱり地域との付き合いかな、イベント行ったり住民さんと喋ったりとか。

-記者-
それは住民として、又は区長として、どちらの立場で行かれてるんですか?

-増田さん-
どちらの立場で行ってるんか分からへんのが結構あって、呼ばれていくこともあるし、勝手に遊びに行くこともあるし(笑)

起きて普段着のままふらっと行くときもある(笑)
イベントが終わったら家でぼーっとして、またイベントがあったら夕方から出ていくとかね。

-記者-
先日も、働きナガタに参加された後に下町芸術祭の開会式があって、一日であちこちに行かれてましたもんね。
それはやっぱり住んでるからこそできることですよね。

でも区長がそんなふらっと現れたら、驚かれたりしませんか?

-増田さん-
いや、別に?逆にどこでもいるなっていうのはよく言われます(笑)

後は、区役所の職員がどうやったら楽しく働けるかっていうのはずっと考えてますね。

職員が安心して楽しく働ける環境でないと市民サービスってできひんから、それはすごく大切なことやと思ってて。
どうやったら楽しく働いてもらえるかとか、そんなんを一生懸命考えてるね。

前編③

-記者-
区役所の職員と話される機会って多いんですか?

-増田さん-
組織が小さいんでね、長田区役所でいうと300人くらいしかおらんから、距離は近いんじゃないかな。

「飛び出せ区長室」っていって、パソコン持って行って色んな課で仕事するっていう企画もやってます。

区長室は他の職員とは隔離されたような閉鎖的な状態やから、こちらが職員の近くに行って気軽にしゃべれるようにしとくと色々相談もしてくれるんよね。
それはそれでありがたいなと思いますよね。

-記者-
それはどういった意図で実施されてるんですか?

-増田さん-
やっぱり仕事のしやすさ、気持ちよく仕事してほしいというのが大きいかな…。

お昼休みに月1回やってる、職員向けのヨガ教室もその1つかな。
職員が心身ともに健康であるということが、組織のパフォーマンスをよくするっていう話やね。

-記者-
職員を労わることが結果的に市民のためになりますもんね。

前編④

-記者-
今後長田がこうなって欲しいとかっていう展望はありますか?

-増田さん-
長田がこうなって欲しいというのは、大きい意味では別に変わらずにいて欲しいっていうのはずっとあるね、うん。

それは前にあったワークショップの最初の挨拶でも言ったけど、長田の人間関係の濃さみたいなええところって、放っておくと簡単になくなっちゃうんで、それを残していきたい。

-記者-
確かにどこに行ってもアットホームな感じで話しかけてくれる方が多いですよね。

-増田さん-
そうそう、人もどんどん入れ替わって、知らん人でも普通に声かけてくるおばちゃんとかいなくなったら…ねぇ、長田じゃないよねそれって(笑)

だからそういうね、人間関係っていうのは守っていきたいし、若くして長田に入ってきた人はそういう人間関係が好きで入ってきてはる人が多いと思うから、そういうのは育てていきたいね。

それと併せて、そういう人間関係を育んでいるまちの機能、喫茶店とか銭湯とか市場とか、そういうのって大切にしていきたいなあ。

―記者―
自分の住んでる街に、そうやって考えて下さる人がいるとほんとに心強いですね。

お話を聞いていて、住民の方に「区長になってくれてよかった」と言われているのが納得できます。

-増田さん-
どこの区長も自分の区のことは考えていると思うねんね。
ただ私は住んでるからね。
区長でなくなっても、自分の町のことを頑張るっていうのは当然といえば当然やんね。

前編⑤



前編では、増田区長の仕事への向き合い方について詳しく伺いました!
まちのことをこんな風に思ってくださっている方が区長だと嬉しいですよね。

後編では、長田に暮らす個性的な方々との体験についてお話を聞いていきます。次回もお楽しみに!

(編集:神原・キタムラ)