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書籍紹介③アオアシ

 3冊目の書籍紹介は、毛色を変えて漫画の紹介になります。
サッカーのユースチームで成長していく主人公アシト(&チームメイトやライバルチームの成長も)を描いたサッカー漫画。「人が成長するステップ」がストーリーの中で非常にうまく描かれており、ビジネスでも参考になる考え方が満載です。
 もちろん、漫画としてもとても面白いのでオススメです!是非ストーリーも楽しんで頂きたいので、ネタバレにならないように、なるべくストーリー自体には触れずに、漫画の中にある「成長のヒント」を3つご紹介します。

考えて考えて考えて。いずれ考えなくてもできるようになる。似てるけど、やっぱり勘とは違う。(1巻)

 作中に出てくるセリフを少し抜粋したのが、上記の言葉。ユースチームの監督が語った言葉として、1巻の後半に出てきます。この言葉は、主人公アシトの序盤の成長テーマであり、人の成長においても非常に大事なことを表現しています。
 この言葉を投げかけられた主人公は、感覚頼りから、考えようとする意識に変わっていき、最初は「なんとなくそうした」としか言えなかった主人公が、2巻の終盤時点では、朧気ながらも「何故そうしたのか」言語化して説明しようとします。この変化が非常に重要で、成長の第一歩!!「何故そうしたのか?」「何故そう思うのか?」といったWHYの設問はビジネスの中でも必ず出てくる質問で、思考する訓練にもなるので、自分に投げかけてみてはいかがでしょう?
 ちなみに、考える癖がついていった主人公はこの後の「いちいち考えていては追いつかない」という壁にぶちあたるのですが、この壁を破る答えも、この1巻の「いずれ考えなくてもできるようになる」という言葉で予言されています。この「考えなくてもできるようになる」というのも非常に重要で、この状態が「スキル/習慣が身に付いた」という状態。意識しなくても出来る、癖になっている、レベルまでいくと、スピードが段違いにあがります。「今までの思考の蓄積から、答えが直感で出てくる」というイメージでしょうか。

自分でつかんだ答えなら、一生忘れない(4巻)

 これは主人公のチームメイトが、幼いころに監督にかけられた言葉。拾える情報量が多く、探せばそれらしい答えが簡単に出てくる今の時代にこそ重要な言葉だなと思います。人に教えられた答えは、「その時はなるほど!」と思いますが、ほとんどの場合すぐに忘れます。「なるほど、こうすれば良いのか」と自分の中で考え、体感した学びと比較すると、学びの深さが段違いです。(ただし、人に教えられた答えでも、その答えを実践し続けて体感し、自分の学びにすることは出来るとは思います。実際私もそういう経験はあるので。)
 また、この監督はこの言葉をかけた際に「答えのヒントは出すが、答えは教えない」という形で指導をしています。これも非常に重要で「答えを教えるのではなく自分で考えろ」と丸投げすると上手くいかないことが多いんですよね。ヒントを与えつつも、自分で自発的に考えるようにしてもらう、このティーチングとコーチングのバランスが絶妙です。この後3つ目の言葉でも触れたいと思いますが、人のスキルレベルや性格を考慮して、育成計画を考える力が、この監督は図抜けています。これも考えることを徹底してきた監督だからこそ、ということでしょう。

何故アシトのポジションを●●●●●●に変えたのか?の答え(27巻)

 一気に巻数がとびました&一応、ネタバレを割けるために伏字にしてみました。主人公のアシトはもともと自分でゴールを決めることが大好きで、ポジションはフォワードだったのですが、福田監督がポジションを変更します。アシトはこのポジション変更に非常に混乱するのですが、監督の意図は明かされず、ようやくこの27巻で、監督の意図があかされます。
 何故ポジションを変えたのか、理由は複数あるのですが、僕が一番心に残ったのは、「超える壁が多すぎて、アシトがつぶれてしまうことを避けたかった」という理由ですね。指導する立場になった際、あれもこれもと求めすぎたり、高すぎる水準を要求したり。意識しないとやってしまいがちです。特に自分は部下にそれを求めがちな傾向があるので、非常に注意したいと思いました。これは教育論でもよく言われることかと思いますが、「目標設定は低すぎても高すぎてもいけない」ということですね。
 余談ですが、27巻と、だいぶ先まで答えを引っ張るあたりも話の構成が上手いなと思いましたが、皆さんも是非この巻まで読み進めてみてください!

このnoteの終わりに

 「アオアシ」は、今回紹介した以外にも、ビジネススキルを伸ばす上で参考になるヒントがいっぱいつまった漫画です。繰り返しますが、ビジネス目的ではなく、娯楽の漫画としても純粋に面白いので、是非読んでみてください。(皆さんは、どんなところが心に残ったかもきいてみたい。)
「人間は、考える葦である」1巻から登場する、この偉人の言葉を改めて胸に刻んで、私も常に、考え続けていこうと思います。

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