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独立するなら「好き」OR「得意」どっちがいい?

独立して16年。よく「独立したいんだけど、好きなことで仕事にするか得意なことでするか迷っている」という相談をされる。

「好き」であることは理想であるが、「食べることが好き」だからといって、いきなり飲食店を経営するのはリスキーだし、「走るのが得意」でもそれだけを職業にするのは難しいだろう。

こちらの記事にも書いたが、私自身、「好きすぎて起業した」ケースではない。

周りを見ていて成功したり、続いている人では、一概に「好き」だけで食べていけている人は少ない。

「好きすぎてたまらない」というよりは、なにか「得意」なことがあり、それを「好き」な分野で生かしていける人が、続けていける、というように感じている。また、好きすぎると思い入れやこだわりが強くなり、消費者(お金を払ってくれる人)が求めるモノは提供できなくなる。アーティストなど、表現に対して一般価格がないものであれば、そのビジネスも成り立つが、物販やサービスなどある程度世の中に似たようなものがある場合、難しくなるだろう。故に、やや引いた視点で自分の仕事を見られる人が成功しているように思う。

「好き」OR「得意」、どちらで起業すべきか、の答えはあなた自身に見つけてもらうとして、友人と私のケースでどうすればうまくいくか、ヒントになればと思ってこの記事を書くことにした。

カウンセラーで食べていけなかったけど、占い師でめちゃくちゃ稼いでいる友達

友人Aは、カウンセラーだったけど占い師に転向した。「相談に乗る」という点では同じ。

Aは昔から繊細で傷つきやすく、人間関係などに悩みがちだった。そんな自分と同じ境遇の人を助けたいと思い、カウンセラーの資格を取った。

しかし、売上は安定しない。また、クライアントの悩みが自分と重なり辛くなった。また、いつでも相談できるように、とLINEで相談するサービスをオプションで付けたが、昼夜問わず相談が来て自分自身が疲弊するようになっていった。料金内か外か、もあいまいになり次第に正規のお金を取れなくなり、タダで相談する人が増えて、仕事としては成立しなくなった。

そんな時に出会ったのが「カード」。占いだったり心理学をベースにしたものなど、いろんなカードがカウンセリングのツールとして出ている。

「これだ」

と思って彼女はあるカードの使い方を学ぶようになる。いろいろなやり方はあるが、バラしたカードを表に返して、その意味を読み解く。そして気づいた。

「あれ、これって占いと同じじゃない?」

その後、自分自身がよく相談に行っていた「タロットカード」占いにもハマり、現在はタロットカードの占い師として活躍している。

彼女は「相談に乗る」ことは好きだし、得意だった。しかしカウンセラーの場合、ビジネスモデルとしてはよくなかった。そして好きとはやや距離があった「タロットカード」に出会って、好きと得意がマッチして、稼げるようになったのだ。

好きすぎると客観的に見られなくなる

友人Aもそもそもはカウンセラーになりたい、それで救われたという強烈な思い「=好き」があったが、消費者に寄りすぎて無料相談など、ビジネスとして見られなくて失敗した。

占いは「その時間だけ」相談できる、という時間の切り売りをしている意識になり、売上も、自分の時間も心も安定させることが出来た。

好きなことで起業することは決して悪いことではないが、客観的に見られないと友人Aのカウンセラー時代のようになってしまうので要注意だ。

私の経営している、持ち込みラッピング専門店ではお客様に自由に資材を選んでもらっている。料金の説明や、ざっくりとした希望を聞いてアドバイスすることはあるが、お客様が選んだ資材に「その色は補色だから合わないですね」などということはない。

私自身、ラッピング資材の組み合わせにこだわりはなく、その人が求めているものを形にできればいいと思っているからだ。

「その人がいいと思ったもの=いいコーディネート」が持論。

ラッピングが好きで好きでたまらない、自分のセンスに絶大な自信があったら、耐えられない仕組みだ。

ただ、以前の記事に書いたように、私はラッピングは好きで始めたわけではないし、持ち込みラッピング専門店もお客様の要望があり、お役に立てるのであれば、というスタンスでやっているので全く苦ではない。

独立するなら続けていても苦じゃない仕事がいい

もし、「好きなこと」と「得意なこと」どちらを仕事にしたらいい、という質問を受けたら私はどうこたえるか。

それは

「続けていて苦じゃないほうがいいよ」

である。好きでも得意でもどっちでもいい。

例えば、コーヒーが好きで、売れても売れなくてもいい、コーヒー豆に囲まれてて、この豆の良さを分かってくれる人が、たまに買ってくれて「おいしい」って言ってくれたら、365日のうち、それが1日か2日だけでも、いいんです。という人は好きな仕事をしたらいいと思う。こういう人も確かにいる。(食べてはいけないので、大体副業OR複業でしている人が多い)

「得意」を仕事にするのであれば、別に好きってほどじゃないけど、1日10時間でも20時間でもPC前に座ってプログラミングをしているのは苦じゃないし、人と会わなくていいなら楽だし、という人や、ずっと営業の仕事をしてきたから、物は何であれなんでも売れます、という人は、販売代行などが向いているかもしれない。

要は「好き」×「得意」でその数値が高いほどうまくいくし、続けていける。

私のお客様で残念ながら閉店して行ってしまった人は、「洋服が好き」「ケーキを作るのが好き」「雑貨が好き」でお店を開いてしまい、「売ることは得意じゃなかった」人。

「得意」は「想いだけ・実績ないけど好き」をカバーできると思うので、どうしても「好き」な異業種で独立したい場合には、自分の「得意」をどう生かせるのかをよく考えることをお勧めしている。

そんなわけで、小売店が好きで、想いがあるお店に生き残っていってほしいので、コンサルタント、やってます。



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小売店のブランディングから一歩踏み込んだ、理念や想いを形にするお手伝いをするコンサルティングをしています。店舗ディスプレイ、POP、ラッピング、ライティングで見せる発信のコツをお伝えしています。