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【総集編】あなたは心や体が疲れたら何をしていますか?【自然の力】

あなたは心や体が疲れたら何をしていますか?

今回は自然の力を日常生活に活かすための科学的な方法について解説させてもらいます。

やる気がなくても3ヶ月で人生変わる自然習慣

人は、同じ体験をしても、そこからどれくらい幸せを感じることができるのか?ということも、同じ人に出会ったとしても、その人と良い関係を作ることができるか? ということも皆さんのメンタル次第です。
結局、人生に大きな影響を与える部分は精神的な影響が大きいわけです。

この精神的な部分を変えようと思うと結構大変です。
認知行動療法やマインドフルネス、様々なセラピーやメンタルトレーニングなど色々とありますが、それも難しいという人が結構います。

では、毎日一生懸命メンタルトレーニングをしたり、何時間も瞑想のトレーニングを行なったりしなくても、あるいは、全くやる気がなくても人生が変わる方法はあるのでしょうか?
結論としては、そんな方法もあります。
それが自然習慣です。

古代ローマ以前から続く、天才たちの習慣:逍遥(しょうよう)

これは古代ローマ以前から続くもので、天才たちの習慣として取り入れられたりしていました。
例えば、逍遥(しょうよう)という習慣は、ソクラテスやアリストテレスの時代からありました。
現代でも、偉人たちや天才たちが取り入れています。

ビジネスでもどんなことでも同じですが、今まで通りの方法を続けていてはうまくいかなくなるときが必ずあります。
このようなときは、創造性を高めて今までとは違う方法を試していくしかありません。

創造性は鍛えることもできますが、それを鍛えた人も創造性のスイッチを入れてあげないとクリエイティブなアイデアは出てきません。
どんなクリエイティビティの高い人であっても、面白いアイデアをひらめくことがなければ何も始まりません。
実は、サクッと創造性を高める解決思考習慣というものもあります。
ここでも自然が大きな力を発揮します。

逍遥は簡単に言うと散歩ですが「そぞろ歩き」です。
目的を持たないで歩くことです。

例えば 、何か考え事があったとしたらそれを考えて、ぼんやりと考えながらひたすら森の中をうろうろするような感じです。
目的もなく自然の中を歩くことを逍遥と言います。

公園に行くとか駅まで行ってみるとか、目的地や目的があっては逍遥ではありません。
これでは創造性が発揮されません。
目的がないと常に状況が変わっていくので脳に新しい刺激が入ってくるようになります。
これによって創造性が発揮されて新しいことを思いついたりします。

古代ローマの時代から、天才たちや偉人たちは、この逍遥を好んで、歩きながら議論を行っていたという話もあるぐらいです。
それが現代になって失われつつあるという残念な話です。
逆に、最近では立って会議をしたり、スタンディングデスクで仕事をするという人も増えてきています。この効果を古代ローマの天才たちはその頃から取り入れていたということです。

問題が起きたら歩くことが大事で、それによって解決すると昔から言われていました。
例えば、ニーチェも「偉大な思考は散歩の賜物だ」と言われていました。
散歩することによって偉大な新しい思考が生まれてくると言っていました。

ルソーも「足を止めると思考は停止する」と言われていました。
自分の脳は歩いている時にしか働かないと、科学的にも完全に正しいことを当時言っていました。

蒸気機関を発明して世界を大きく変えたワットも、歩いている時に思いついたアイデアによって蒸気機関を発明したそうです。
真面目にずっと机にしがみついて思いついたことで発明されたものは実は少ないです。

エジソンを超える天才だと言われていたニコラテスラも、公園を散歩している途中にエンジンの構造を思いついたそうです。

世界中の偉人たちは逍遥を日常生活に取り入れています。
凡人はこれをしません。
皆さんも目的もなく歩いたりしていないのではないでしょうか?
ですが、それが実はとても重要だということが様々な研究からも指摘されています。

スマホの電源を切って街中を目的もなく歩いてみてください。
行き先も曲がる方向もただぼんやりと考えて決めて歩いてください。
そうやって歩きながら、なんとなくぼんやりと考え事をして、何かいいことを思いついたらポケットに紙とペンを入れておいてメモしておいてください。
もちろん、これは森の中で行うとより効果は高いですが、一定時間歩いてもし帰り道がわからなかったら帰り道だけ Google マップを使ってください。

いいアイデアを作り出したいとか、今自分の中にないものを手に入れたいと思うのであれば、目的のない行動が必要になります。
目的があるときには、自分が今見えている視点の中だけで物事を考えています。
目的のある行動の中にイノベーションは生まれません。

ですから、目的のない行動をとる時間を1日の中で必ず作る必要があり 、おすすめはこの逍遥です。
これは最低でも30分から40分はした方がいいです。

歩くことは脳に送る血流を増やしてくれて、歩いている時の方が良いアイデアは出やすくなります。
森の中を散歩した場合と都会の中を散歩した場合を比べた研究がいくつかあります。
都会であっても散歩しないよりは散歩した方がいいのは間違いありませんが、森の中を散歩すると、都会の中を散歩するときよりもコルチゾールの値がマイナス16%になるという研究があります。

人間が興奮していたりストレスが高まっている時に活発になる交感神経はマイナス4% 、血圧もマイナス1.9% 、心拍数はマイナス4% 少なくなり、さらに不安も減少するということが千葉大学をはじめとする様々な研究で示されています。

歩く時間としては、もちろん全く歩かないよりは5分とか10分でも良いのは間違いありません。
ストレス発散の効果だけを考えるのであれば、森が見える場所や公園などに5分だけ行って帰ってくるということでも十分に効果があります。

ぶっ通しで40分でなくても構わないので、1日40分の散歩をする習慣を作ってみてください。
これによって認知機能が改善したり、自分をコントロールして物事を計画的に進める力である実行機能が改善します。
それだけでなく、記憶力も判断能力も行動力もアップします。
これだけの力が変わると人も人生も大きく変わります。

さらに、1日40分の散歩は、損傷した遺伝子が体に悪影響を与えることを防いでくれます。
損傷した遺伝子が溜まっていくと、人間は癌になったり様々な病気になってしまいます。
これを綺麗に掃除してくれるという効果もあります。

なかなか答えが出ないような知的難題に向き合う力も与えてくれます。
仕事でも人間関係でも、皆さんがずっと向き合うことができていなかった難題はあるのではないでしょうか?
そんな問題にも向き合うことができるようになります。

人付き合いもうまくいくようになります。
共感能力が下がっていたり頭の回転が悪いと、人付き合いでも余計な問題を抱えてしまいます。
そんな人付き合いの問題も散歩によって解決します。

そして、自然の中を歩くことのメリットとしては「新規性効果」もあります。
自然の中は四季折々でその時によって状況が変わります。
天気によっても全く違います。
これが自然の素晴らしいところで、毎日同じ場所でも姿や状況が違います。

都会の悪いところは毎日姿が変わらないところです。
通勤電車は毎日混んでいるし微妙に変わっていても興味もありません。
人間が興味を引くような新しい経験や新しい体験が常に生まれてくれるので、自然の中の散歩というものは最強です。
人間は新しい体験を経験すればするほど気分が明るくなるというのが新規性効果です。

ここ数十年では自然欠乏障害という病名もあるぐらいです。
動植物や自然と触れ合うことの少ない子供ほどADHDになりやすかったり、多動症やうつ病になりやすいともいわれています。
小さな自然でも結構です。そこに目を向けていることが大事です。

信頼される人になりたいなら5分間のグリーンエクササイズを!

人は相手の疲労度で相手を信用することができるかどうかということは判断しているという研究があります。
人の信用と疲労というものは密接に関わっていて、疲れている人は信頼されないということです。

誤解されやすい人や信用してもらいたいけれどなかなか信用してもらえないという人は、大事な人と会う前や大事な仕事のプレゼンなどをする前に散歩をすることをお勧めします。
5分間のグリーンエクササイズをお勧めします。

自然のある公園などで構いませんので、そのような場所に行ってスマホを触ったり余計なことをせず、緑を眺めながらゆっくりと5分間だけ散歩してみてください。
この5分間だけ緑の中での軽い運動をするグリーンエクササイズをすると、僕たちのストレスや疲れのレベルというものはかなり低下するという効果があります。
たった5分でも効果がありますのでこれは最低でも行った方がいいです。

それで一時的に自分の中に溜まっているストレスや疲れを一旦リリースして、それから大切な人に会ったり商談に臨むようにすると、相手から信用してもらいやすくなる可能性が高くなります。

自分の恋人やパートナーとケンカした時に、信用してもらいたいからといって、自分が仕事で疲れている時に一生懸命弁明したり誤解だと訴えるような人もいると思いますが、それも出来れば疲れていない時にした方がいいわけです。
夜よりは朝の方が疲れていないので受け入れてもらえる可能性も高くなるということです。

ちなみに、大事な仕事や用件がある日には、朝に少し激しめの運動をすることをお勧めします。
HIITで20秒間全力で動いて10秒間休むというのを繰り返すような運動を行うことによって、人間はこれによりドーパミンやエンドルフィンなどが分泌されて、疲れを感じづらい状態になります。
このように運動することによってホルモンバランスを調整して疲れを感じづらくするというのもいいと思います。

自然は人間の感情を最適な状態にしてくれる

様々な研究で、自然というものは人間の感情システムを正しいバランスに戻してくれるということがわかっています。

皆さんは肉体的な疲労や精神的な疲労を感じたときにどんなことをしていますか?

僕たちが疲労を取ろうと思うと、副交感神経を活性化させる必要があります。
イライラしたりソワソワしたりしているような時は交感神経が活発になっています。動物で言うならば戦闘態勢に入っているような状態です。これをリセットするために、スマホなどは置いておくか機内モードにして、自然の中に行くことがとても効果があります。

自然の効果について調べてくれたメタ分析では、様々な疲労回復やリラックスに使えるとされているマッサージや自律訓練法などと比べて、自然にどれくらいリラックス効果があるのかということを調べてくれていますが、その結果、自然の効果量がおよそ0.71でした。
効果量が0.5を超えると効果が大きいと言えるぐらいです。
マッサージや自律訓練法もかなり効果はあるものですが、それでも効果量は0.57ぐらいです。自然の力はこんなにも高いということです。

人間の感情システムというものは、脳内で分泌されている様々な物質やホルモンでコントロールされていて、これを一番いい状態に戻してくれるのが自然ということです。

例えば、やる気やモチベーションを作ってくれるドーパミンがありますが、このドーパミンが興奮という感情を作ってくれますし、リラックスしている時や他人に親切にしたりされたりした時に感じるようなポジティブな感情を作ってくれるオキシトシンが、人間関係に関する満足感や安心感を作ってくれます。
逆に、不安や警戒といったネガティブな感情を作って自分の身を守ろうとするのがアドレナリンやコルチゾールです。
そんな様々な人間の感情を最も良い状態に戻してくれるということです。

日常的に自然に触れることによって、自然に触れていない時も集中力も保ちやすくなり、自己コントロール能力も上がります。
肉体的に疲れたときのためにも、精神的に疲れた時のためにも、自然と触れ合うことを大事にしましょう。

実際に皆さんも旅行などに行った時に、「星空が綺麗だ」「海は広い」「滝がすごい」というように、自然に対して圧倒的な力や壮大さを感じることはあると思います。

このような美しい大自然などによって引き起こされる感情は基本的には畏敬の念や畏怖の念と言われますが、この感情について調べられた研究は数多くあります。

誰でも大自然の風景に対しては感情を引き寄せられると思います。圧倒されるような感覚が畏怖の感覚ですが 、この感覚を覚えることで、僕たちの集中力やストレスレベルは最適化されます。
ストレスが最適化され減ることによって引き起こされることとしては、時間の流れがゆっくりに感じるということがあります。

この畏怖の感情というものは、アンチエイジングにも使うことができるということもわかっています。

例えば、カリフォルニア大学の研究を参照してみると、日々畏怖の感情を感じる人ほど、体内の炎症レベルが低かったということが確認されています。
体内の炎症レベルが低かったということは老化が少なかったということです。

実際に、いろいろな感情を感じる人は老化が少ないということもわかっています。
ですから、感動したり涙もろかったり、ドラマや映画などを見るとすぐ心が動いてしまうという人もいますが、これは若々しい証拠だとも言えます。
喜びや楽しさや憐れみ、愛や満足感、誇りや畏怖の感情の7つの感情を感じる人は老化しづらくなるということが示唆されています。

この中でも特に効果が高いのが畏怖の感情になります。
壮大な自然やすごい芸術作品などを見た時に、圧倒されるような感情になることはあると思いますが、その感情を感じている時に、皆さんの体内の炎症は抑えられているかもしれないということです。

畏敬の念や感嘆という感情は、炎症物質であるサイトカインのレベルを抑えてくれて、健康的なレベルに戻してくれるということがわかっています。
ですから、ストレスや焦りだけでなく、体内の炎症レベルを抑え体調を整えてくれる効果さえもあるということです。

畏怖の感情がよくわからないという人もいると思いますが、これは自分が知らないものや未知のものを知りたいと感じる好奇心や、そのような時に感じる感動のことを畏怖の念や畏敬の念と言います。

人間というものは、新しいものを避けてリスクを取らずに生きることが多いものですが、これは僕たちの体の炎症を進めてしまう原因のひとつでもありますので、日常の中で定期的に畏怖の念や畏敬の念を感じる習慣を作っておくということが、僕たちの体を炎症から守ってくれて体調を整えてくれる事にもなります。

ですから、できれば畏敬の念や雄大さを感じる大自然の中に出かけるのが一番ですが、それが出来ない場合には、そんな感情を感じる映像や作品に触れてみるのも良い方法です。
そんな作品を見ていると、自然というものは凄いなあとか人間はちっぽけなものだと感じると思いますが、その感覚が集中力を最適化してくれます。

自然欠乏症テスト:自然とのつながり尺度

14の質問に以下の要領で直感で答えていただき、それぞれ採点してください

全くそう思わない=1点
そう思わない=2点
どちらでもない=3点
そう思う=4点
強くそう思う=5点

1.私はよく自分の周りの自然との一体感を感じる

2.自然は自分が属するコミュニティだと感じる

3.他の生物の知性を認め、素晴らしさを評価している

4.自然から切り離されていると感じることが多い★

5.自分の人生はより大きなプロセスの一部であると感じる

6.動物や植物に親近感を覚えることが多い

7.私が地球に所属しているように地球も私の一部だと感じる

8.自分の行動が自然にどんな影響を与えるかを理解している

9.私はしばしば生命の広がりの一部であると感じる

10.人間も人間でない生物も、地球上のすべての生物が共通の「生命力」を共有していると感じる

11.木が森の一部であるように、自分をより広い自然に組み込まれていると感じる

12.地球上で、自分は自然界の順位の上位に位置すると感じる★

13.自分は周りの自然界のほんの一部に過ぎず、地面の草や木の上の鳥よりも重要ではないと感じることがよくある

14.私の個人的な幸福は、自然界の幸福とは関係がない★

それぞれ採点できたでしょうか?

★の付いている質問だけ点数を逆転して、それぞれの点数を合計して最後に14で割って平均点を出します。

平均点は3.65点

平均点は3.65ということですから、これを下回ると自然欠乏気味だと考えてください。
この場合には、これから紹介する自然からの様々なメリットを得ることができていない可能性が高いです。
もっと意識して自然に触れる時間を作るようにしないと、様々な問題が出てくるかもしれません。

自然の力というものは本当に大きなものです。
自然に触れてからわずか0.2秒でポジティブになれたりネガティブなことが気にならなくなります。
これ以外にも人生に大きなインパクトを与えるさまざまなメリットがあります。

これらの効果を知った上で実際に自然に触れていただければ、通勤途中にある公園の木々を眺めたり、週末に海や山に出かけた時も、やはりそこから得られる効果は高くなります。

28のバイオフィリア効果

①速効性:0.2秒でポジティブ、幸福に敏感、ネガティブに鈍感

人は自然に触れるとわずか0.2秒でポジティブ感情が湧いてきます。

人間には自分の感情と近い感情を周りから集める習性があります。
そのため、嫌なことがあったら嫌なことが続くし、良いことがあったら良いことが続くと感じるわけです。

ネガティブな感情を持った人が、どんどんネガティブな状況になっていくことを断ち切ってくれるのが自然です。
わずか0.2秒でポジティブな感情が湧いてきて、人間関係でも幸せな人と付き合う確率が高くなります。
さらに、ネガティブなことに鈍感になります。
つまり、心理的に嫌なものと距離を置いて、ポジティブなものとの距離を近づけることができます。
自然に触れるだけでこれができるということです。

②幸福度:自然=孤独と友人の差、趣味へ没頭

都会で暮らす人の幸福度と自然の中で暮らす人の幸福度の違いは、たくさんの友人に囲まれた人と孤独な人の幸福度の違いに匹敵します。
それぐらい自然に触れない生活というものは、人生に強烈なダメージを与えるということです。

さらに、自然の中にいるだけで、皆さんが大好きな趣味に没頭しているときと、病院の待合室で待たされているような退屈なとき、この幸福度の差とも同じぐらいだと言われています。

ですから、特に趣味がないという方も多いと思いますが、そんな人も特に何かをするわけでなくとも、自然の中で過ごす時間を増やした方がいいということをサセックス大学の研究が示してくれています。

③創造性:3日のハイキングで1.5倍

新しいアイデアを思いつきたい時や煮詰まった時には自然に触れましょう。
クリエイティビティも上がるので、考え事をする時には森の中が一番です。

3日間のキャンプやハイキングをすることによって、人間の創造性が1.5倍にまで向上するという研究があります。
ということは、ビジネスで新しいアイデアを考えるためにも、人生における逆境を乗り越えるためにも自然の力を使った方がいいのではないかということになります。

④DMN:自然で活性化する脳の癒し、脳の3つのNetwork

DMNは、脳を回復させるぼんやりしているときだけ機能する脳のネットワークで、自然の中にいるときに活性化します。

脳が持つ3つのネットワークは、

・実行:集中作業、刺激への反応と抑制

・空間:自分の位置を把握

・DM:他のネットワークがオフの時に起動

基本的にはどれかひとつしか起動しません。
ですから、集中力を発揮する場所や仕事に専念する場所と同時に、自分の脳を癒す場所が定期的に必要で、そんな自然に触れる場所を大切にするようにしてください。

⑤ART:注意回復理論、短時間で認知&実行機能改善

自然に触れることによって短時間で注意力が回復します。
認知機能や自分をコントロールする実行機能が改善します。

なんとなく頭がぼんやりしてケアレスミスが増えたり、仕事や勉強をしていて集中力が途切れたりすることもあると思います。
そんな時は自然に触れるようにしてください。

すぐ近くに森はないという人も多いとは思いますが、多少の自然や川の流れを感じられる公園ぐらいでも構いません。
スマホなどを触らない状態で、5分間のんびりとグリーンエクササイズをするだけでも、人間の集中力や注意力は回復します。

自己コントロール能力も高まるので、大人だけでなく子供にも役に立ちます。
ですから、週末には自然に触れてもらいたいとは思いますが、それ以外の日には自宅でテレビやスクリーンに自然の映像を流しておいてください。

あるいは、夫婦や家族の間で小言を言いたくなった時には、5分間自然の映像を見てから口に出すというルールを作っておいてもいいと思います。

⑥SRT:ストレス低減理論、血圧、気分、不安、ストレス改善

自然に触れることによって血圧が低下したり、気分が改善したり不安が軽減するという効果もあります。
仕事や人間関係など様々なストレスを改善してくれます。

例えば、残酷な映像を見せて強いストレスを参加者に与える研究がありますが、そんな強いストレスを与えられた参加者に森林の映像を5分間見せたところ、実際に自然に触れるわけでなくともストレスから回復していたということです。

ですから、人間関係のストレスでイライラしたり、勉強や仕事のストレスを感じたら、少し手を止めて5分間だけ自然の映像を見るというのも良い方法だと思います。

⑦注意散漫改善:自然が認知機能を回復、注意力最適化

集中力や注意力は人によって違いますが、低下してしまいやすい人はいます。
そんな人も、集中力が下がったら回復させればいいだけです。
集中力を回復させて最適化するために自然の力が役に立ちます。

集中力が切れてきたら、公園に散歩に行くとか、自然音を聞いて瞑想するというように決めておくのもいいと思います。

⑧ワーキングメモリ:乗り気でなくても森散歩でUP

ワーキングメモリは人間の脳の作業机だと考えてください。
その作業机が広い人は、そうでない人よりも作業がはかどりますし、同時に複数のことをこなしたりすることも可能になります。

ですから、ワーキングメモリが低い人は、仕事でも勉強でも効率が悪くなりますし、ちょっとしたことでもパニックになったりしやすくなります。
このワーキングメモリも自然に触れることによって改善してくれます。

シカゴ大学の研究で、とても寒い日に植物園を無理やり散歩させるという実験があります。
その結果、参加者たちは、乗り気ではなくても自然の中を散歩することでワーキングメモリが向上していました。

ですから、なんとなくやる気が出ないという時も自然に触れるようにしてください。

⑨快感:島皮質と前帯状皮質の血流↑伸び伸びした思考

自然に触れると、人間の脳の島皮質と前帯状皮質の血流がアップして、その結果、快感を感じやすくなったりすっきりとした気分になります。
さらに、のびのびとした思考ができるようにもなります。

例えば、風邪を引いて気分が悪い時に新しいアイデアが出たりはしないと思います。
これは不快感が人間の思考を停止させているからです。

それを防いで、逆に快感を作り出してくれるのが自然だということです。

⑩共感力:人間関係とウェルビーイング改善

自然の中にいることによって人間は共感力が高まり、結果的に人間関係も改善されます。

共感能力が高まることによって、他の人が何を求めているのかということを理解できたり、大きな問題になる前に気づくことができて人間関係が良好になります。
さらに、いわゆるウェルビーイングですが、人生を通じた質の向上にも役に立ちます。

⑪運動習慣化:心身の負担が軽減、運動継続しやすくなる

運動を習慣化しやすくなるという効果も実は自然にはあります。
自然の中で運動することによって、運動の強化も上げやすくなりますし、運動から得ることができる喜びも増えて、運動がしんどいとか辛いという感情も減ります。

運動による心身の負担が自然によって軽減されます。
その結果 、運動を継続できる可能性が高くなります。

ですから 、HIITやバーピーをしている人も多いと思いますが、これは家の中でするよりも自然の中でした方がいいということになります。

⑫性格:自然との接触が人間関係の8%>収入+年齢+性別+教育=わずか3%
犯罪発生率の4%を占める

自然に触れることによって性格も良くなる上に人間関係まで改善します。

自然との接触が、人間関係の良し悪しの8%を決めているという研究があります。
この8%の影響というものは、収入や年齢、性別や教育レベル、これら4つの要素を全て合わせても、人間関係の良し悪しの3%を決めているだけだと言われていますので、これら全てを超えるレベルでの大きな影響があるということです。

自然に触れるということは誰でも今すぐできることです。
ですが 、収入を上げるとか年齢や性別、教育レベルというものは、当然ですが簡単に変えることはできません。
大きく人間関係を改善したいのであれば自然に触れるべきです。

ちなみに、犯罪発生率も4%が自然に触れるかどうかが決めていると言われています。

ということは、家庭の中でも職場でも、人間関係を良くしたいというのであれば自然を増やすようにしてください。
自然に触れる頻度を増やせば、人間関係に悩む人は少なくなるはずです。

自然の効果はまだまだあります。
あまりにも多すぎて数えきれないぐらいですが、全部で26の効果と気軽にできる対策について、ここから先で解説させてもらいます。
続きを知って、自然の効果を生活に取り入れて人生を変えたいという方は、ぜひ続きもチェックしてみてください。


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