何てえ人でせう! 牧野信一の『凸面鏡』をどう読むか⑦
新しく取り換えたばかりのマウスのように、牧野信一の文章は距離が測りかねる。こちらが如何に突き放そうとも歩み寄ろうとも関係ない。どうしたって彼の文章は異質なのだ。
二回貼ったのに買わんのかね。それでいいのかね。
三回ならどうだ。
言われててますよ皆さん。何てえ人でしょうって。そりゃ昼寝てたら夜は遊びたくなるものだ。しかしあれだな、「彼」は幸せだな。勉強しなさいって言われているんだから。働かなくていいんだから。しかし待てよ。『爪』の道子は妹だった。『凸面鏡』の道子は