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失敗と成功とチームと自分②

副将とオフェンスリーダー、そしてポジションリーダーという三つの役職に就いた私は、チーム、オフェンスユニット、ポジション、自分という4つの要素の成長を同時に考えないとならない立場となった。※アメフトではオフェンスとディフェンスが明確に分かれており、基本的には両方を兼務することはない。


しかしながら高校二年生の冬、早生まれなので16歳の私はそんなに沢山のことを考えられるはずもなく、まずは前年の怪我の遅れを取り戻さなければならないと必死にリハビリし練習した。筋トレもした。めっちゃ辛かった。

そして迎えた2月の練習試合の初戦の戸山高校戦、意気込みはバッチリで、自身の調子も悪くなかった。そこそこ活躍した(はず)。でも負けた。割としっかり負けた。

恐らく個々人のフィジカルも技術もいい勝負だったはずなのに、チームでの戦いになると負けた。チーム力と気持ちで負けていたために、試合に負けた。


ここで僕はようやく気づく。「自分のことばかり考えていては勝てないんだ」と。会社や部活でも一番上の立場でない人はある意味ではとても楽で、自分の成長だけを考えていればいい。何故ならそれがチーム力の底上げに直結するから。

でも上に立つ立場の人間はチームと自分の両方の成長を、時には自分を犠牲にしながらでも考えないといけない。何故なら試合に勝つという目標のためには自身の成長より、部員の60人を動かしてチーム力を底上げする方が圧倒的に大きなインパクトを持つから。


このことに早いタイミングで気づけたことは大きかった。どんな組織にもヒエラルキーや階層は存在し、その置かれた立場によって役割は違う。大事なのは個々人がその役割を理解し、それを全うすべく全力を尽くすこと。会社に例えると、部長が自身の成長を第一に考え自分で全ての業務をやった場合、それはただのワンマンプレイになるし、一年目の新人がチームマネジメント!と言って、各メンバーと1on1をしても、反発を受ける可能性が高い。このように、うまくいかないのは与えられている役割と実行している内容に乖離があるため。


まずは自分の中でのこの乖離を埋めること、また各メンバーに自身の役割を理解してもらい、自ら考えて行動してもらうようになること、この二つを目下の目標として、行動していった。


つづく。


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