雪の金閣寺
京都でも雪がつもったそうで。
京都は底冷えするくせに、雪がつもるのは珍しい。
雪景色と世界遺産のコラボも珍しく、SNSにはたくさんの写真があがっている。
その中でも、「ぜひ見た方がいいよ」と現地の人にも言われるNO1が雪の金閣寺、だと思う。
そんな雪の金閣寺の写真を見ると、思い出すことがある。
私が学生で京都に住んでいたときにも、一度だけ雪がつもったことがあった。
その時、雪の金閣寺がめずらしいなんて知らなかったけど、
せっかく降った京都の雪を、なんだかそのままにするのはもったいない気がして、金閣寺まで出かけてみようと思い立った。
金閣寺にしたのは、きっと、あの金閣の屋根に雪がのっていたら映えるだろうと思ったのと、一番、私にとって行き方が分かりやすい世界遺産だったからだった。
バス停から金閣寺行きにのるとすでに、バスは人でいっぱいだった。
わざわざ雪が積もった日に、わざわざ金閣寺に行こうとする人がこんなにいるなんてと驚いきながら、ぞろぞろと人の波にそって入場した。
雪で足元は悪いけど、みんな意外と「わざわざ」を楽しんでいる。
金閣寺につくともっと人がたくさんいて、
みんなベストショットを狙いカメラをかまえていた。
本格的なカメラをかまえるおじさんが多い中で、私は小さなデジタルカメラでたくさん写真をとった。
(のせてる写真は当時私がとったもの)
そして、確かお抹茶を一杯飲んで帰った。
たくさんの年上の人たちの中で、少し孤独で、でも達成感があった。
あのとき、なんで私は一人で金閣寺まで行ったんだろう。
友達もいたし、なんなら彼氏だって近くに住んでいた。
カメラが趣味の知り合いもいた。
一人でもいろんなことを楽しんでみたいというのに憧れていたのかな。
自分とは明らかに年代が違う人たちの中で、でも同じ物を見にきて、
共感できるようなできないような気持ち。
雪と金の色合いを、「綺麗だね」って言いあえない、切なさと自由さ。
そんなごちゃまぜな自分の気持ちがつまった思い出。
多分これからも、雪の金閣寺、が現れるたびに、私はあの気分を思い出すんだろうな。
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