初めて子供に本気で教えたら ~父ちゃん先生の過ち~
今年から小学生になった息子。勉強量は増えているはずなのに、成果がもうひとつな感じで「だったら自分で教えてみよう」と私が「父ちゃん先生」となり、不慣れな学習指導をすることになりました。
学習は保育園や学校に任せきり
恥ずかしながら、それまで学習は保育園や小学校任せで、体系的に教えたことはありませんでした。「学習そのものよりも、好奇心を育てよう」なんて考えていたのです。
しかし今年の5月、息子の文字が非常に読みにくく、書き順もめちゃくちゃなまま、ほとんど進化していないことに気付きました。文字を覚えるタイミングでしっかり身に着けないと、将来困るかもしれない。
息子に「文字の勉強したい?」と聞くと「うん!」と言うので、私は決意しました。「父ちゃんとの勉強(略称トオベン)」の始まりです。
「父ちゃんとの勉強」の活動内容
子供に勉強を教えることに不慣れな私。行き当たりばったりに始めては失敗するのが目に見えているので、事前に目的や学習方法を考えてみました。
ルール:開始・終了時に挨拶とハイタッチをする
目的:数字、平仮名、片仮名を正しく書けるようになる(書き順も正しく)
目的を達成したら:好きな本を買える(逆に、目標達成までは買えない)
学習方法:テスト → 間違えた字の練習 → テスト を繰り返す
進め方:まず平仮名から。平仮名をクリアしたら数字へ、数字をクリアしたら片仮名へと進める
使ったもの:100均の「こくごノート」と鉛筆、消しゴム
実施条件:父と子、お互い空いてれば実施(どちらかが拒めばやらない)
一回の勉強時間:約30分
***
さあ、いよいよ「トオベン」初回の開催です。
まずは挨拶から。「これからトオベンを始めます。よろしくお願いします」と言うと、息子は何だか恥ずかしそうな表情を浮かべながら「よろしくお願いします」と返してきます。その後、パチッとハイタッチ。音を出すことで、勉強モードへ切り替わった気がしました。
初回は息子の実力を知るため、平仮名テストを実施。結果は、判別不能 or 書き順間違いが約4割。これは思ったより、長期戦になりそうです。。
息子のやる気、喪失
それからは毎日のように二人で「トオベン」をやりました。練習した字は明らかに綺麗に書けるようになり、息子も成長を実感したのか「父ちゃん、トオベンやろうよ」と誘ってくるようになりました。
順調に進み、数回目のテストでは平仮名満点まであと一歩に迫りました。しっかり準備して挑んだ次のテストに、落とし穴があったのです。
残念なことに、前回と同じ間違いで不合格でした。
私は自分なりに息子の間違えるポイントなどを考えて復習したつもりだったので、なぜ間違えてしまうのか分からず、つい強い口調で「なぜできないんだ」という内容のことを言っていました。一番悔しいのは本人のはずなのに。。
その瞬間、息子の表情から、やる気が失われていくのが分かりました。
しかし気付いた時にはすでに遅く。。
息子はその日以降トオベンに誘っても「今日は疲れてるからやらない~」などと言います。
毎日のようにやっていたトオベンなのに、一切やらないまま2週間が過ぎていました。
復活までの道のり
これはまずい。文字を覚えるどころか、勉強嫌いになってしまう。
私は、絵本を読む時など事あるごとに「自分で本を読めたら楽しいよ」などと「文字を読める、書けること」の楽しさを伝えることにしました。
同時に、自分の指導方針を振り返ります。
気付いたのは「どうしたら最短時間で正しく書けるようになるか」ばかりを優先して「勉強中の楽しさ」を全く考慮していなかったことです。まず、最短時間でどうにかしようという考えを捨てました。
何とか息子をその気にさせ、久し振りの実施となったトオベンでは、練習で息子が綺麗な字を書けた時には赤鉛筆で花丸を付け、少し大袈裟なくらい褒めました。
声のトーンや表情にも注意しました。
夜、寝る前には「今日はトオベン頑張ったね」と称えるようにしました。
すると息子も再びトオベンにハマり、目覚ましい成長を見せます。まず平仮名テストをクリアし、次に数字テストもクリアしました。
その際に、ふと思いついて「平仮名マスター」「数字マスター」という称号を授けると、予想していた以上に嬉しそうな様子。
勉強そのものにも、経過にも楽しさを感じてくれている実感がありました。
最後に立ちはだかったのは片仮名です。
初回テストの結果は、正解率4割。平仮名の初回テストの正解率が6割だったことと比べ、ハードな道のりを覚悟しました。
思いがけない行動
しかし、ここで息子が思いがけない行動に出ます。
夏休み中、学童保育に通っていた息子に「学童で片仮名の復習したら?」と聞くと「もうやっているよ」と言うのです。
何と、自発的にトオベンで間違えた文字を学童で復習していたのです!! これには驚きました。
学童の先生も手伝ってくれたようで、みるみるうちに上達。結果的に、平仮名では5回目のテストで満点だったのに対し、片仮名は3回目で満点を取りました。
息子いわく「早く片仮名マスターになりたかったから、学童でも勉強したんだ」とのこと。思いつきの称号制度が思わぬ形で効果を発揮しました。
ご褒美として欲しがっていた図鑑をプレゼントしたのですが、私の方がもっと報いたくなり、ドラえもんも買ってあげました。
大切なことは
自分以外の誰かと物事を進める時は、相手にその気になって貰えないと進まない。巷にはこういった言葉が溢れていて、私も何度も触れていたはずなのに、うまくできませんでした。
息子にそっぽを向かれて自分を見つめ直し、優先事項を変えてから何とか軌道に乗せることができました。
思い返せばトオベンを始めたのが5月末、息子が片仮名マスターになったのが8月末。3ヶ月かかりました。正直なところ当初の想定よりだいぶ長いのですが、この3ヶ月間で息子との仲良し度が高まった気がしています。
ちなみにここ数日、息子からは「父ちゃん、漢字のトオベンやろうよ~」とオファーをもらっています。素直に嬉しいです!
息子の期待に応えるためにも独りよがりにならないよう注意しないとな。さて、休日には二人で良いテキストを探しに行こうと思います。
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