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DX推進者必見!! 【DX白書】解説第二弾! DX時代に求められる人物像とは?

本日は昨日に引き続きDXについて現状を解説、米国との比較調査を行なった「虎の巻」を解説してきます。

DX白書」の第一弾についてはこちらをご確認いただけたらと思います。

今回の第二弾については「デジタル時代の人材」について解説を行います。

DXツールを推進・展開していく企業にとっても、推進してもらいたい企業へ必要性を問うためにも、今回は「」に着目した内容になっています。

人材については「質」「量」共に不足している

人材不足が嘆かれる現代において、変革を担う人材の確保は困難という話をよく聞きます。これについては、「量」が足りない、というだけでなく「質」も足りない、となっています。

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日本における人材不足、人口減少については下記を参照されたいが、米国においても人材は「量」「質」共に不足しているとのこと。

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ちなみにアメリカの人口は総人口として増加傾向、年齢としても若い世代が多い人口分布となっています。

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全国統計的に見ればアメリカは「量」に本質的に困っていないのではないか、と思います。日本のように労働人口が深刻に減っている、というわけではないので、いかに「IT人材を育てるか」というところに論点がいきます。

日本の場合は、「IT人材を育てるか」というところに加えて、「どう人材不足を解決するか」という【量】に対するアプローチも含めて検討していかないといけない。

これから求められる人材は、技術を言語化できる人間

特に日本で足りていないのは、「テックリード」「データサイエンティスト」「先端技術エンジニア」と呼ばれるメンバーです。

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エンジニアやデータサイエンティストは専門分野のスペシャリストになるわけですが、「テックリード」が足りない、という事実にも着目点と言えるかと思います。

テックリードとは、エンジニアをまとめ、他部署との連携をとる窓口のことを指します。

つまり、技術を理解し、他部署へ言語化する役割です。技術的な理解にとどまらず、理解を一般化することが求められていてここが肝と私は考えます。

どれだけいい技術を持っていても、それがいかに価値があるかを伝えていく人間が必要です。ここが不足していることも、日本でDXがなかなか進まない要因であるのかもしれませんね。

DX白書の中でも、株式会社日経 BP 総合研究所イノベーションICTラボ所長の戸川氏はこう言っています。

AI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・ シングズ)に詳しいエンジニアやデータサイエ ン テ ィ ス ト が 不 足 し て い て 、な か な か デ ジ タ ル ト ランスフォーメーション(DX)が進まない― 。(中略)
DX領域で採用・育成を強化すべき人材像の 1番人気は「、変革リーダー(DXを主導するリー ダー)(」58.5%)だった。2位は「、業務プロセス改 革を牽引できるビジネスパーソン(」48.4%)で、 この2つが他を圧倒した。
AIエンジニアやデータサイ エンティストなどのデジタル化人材が増えれ ば、DXは着実に進む」というのは幻想である。 日本企業はDXというテーマを通じて「、変革 リーダーの不在」という本質的な問題に向き合 い、これまでの経営手法を見直すべきではない だろうか。

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まさに、技術が進んでも浸透しない理由の一つが変革リーダーや技術を伝える人材不足であると言えるでしょう。

学びこそ、自らの社会的価値を高める手段

先にあった内容では、技術を構築するエンジニアやデータサイエンティストだけでなく、最新の技術を言語化、さらには抽象化でき伝えられる人間が求められるということでした。

こういったハイパー人材になるためには、常日頃自分の知識をアップデートしながら、一方で伝わりやすい言語に抽象化、転用していく必要があります。

そうなると、"学び"ということが欠かせないわけですね。

実際に日米企業を比較すると、企業が社員の学ぶ機会をどの程度提供しているのか、というところにも差が出ているようです。

米国は全社員への学び直し、新しく学ぶ機会を提供しているのが37%に対して、日本では10%に届かず約8%という結果になります。

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アメリカでは終身雇用がなく、首を切られて再就職、なんて世界なのでこの辺りは自分の社会価値を高める意識がある、というのが一説です。

私自身留学生が日本一多い大学に通っていた経験から、外国籍の友人が多く、自国に戻った彼らと今でもコミュニケーションを取るとそういった話もよく出ます。

一方日本で大企業に入れば現在は終身雇用で守られます。いつまで続くのか、という議論ももちろんあり豊田章男氏の「終身雇用崩壊」の話も有名ですね。


今回の報告でも、米国の方がキャリアに対して支援、議論されている傾向にあるようですね。

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私見としては過去の日本の歴史も踏まえた上で学歴社会がいきなりなくなることはないということからもまずは大手に入ることは賛成です。

ただ入った上で、自らがどういったキャリアを歩んでいきたいのか、どういった人生を過ごしていきたいのか、については社会を学びながらアップデートしていくべきだと思います。

泣いても笑っても人生一度きり。

仕事は大人の人生の半分を占めますから有限な時間を大切に使いたいですね。

そしてこの学習の機会はITリテラシーの差にも現れています。アンケート調査ではITリテラシーレベルを経営者側がどの程度把握しているか、という問いには米国の約50%に対して日本は8%だそうです。

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認識不足も相まって、リテラシー向上施策についても実施比率が低い傾向にあります。まずは認知、そして行動という流れを踏む上ではこうなるのは仕方のないことかもしれませんね。

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そしてこの認識の差は社員から求められていることにも現れていそうです。社員から求められていることでは大きな差があった箇所は「高いスキルを持っていることが報酬に反映される」にて15%程度の差がありました。

どの程度自分の会社の社員がITリテラシーを持っていて、そのレベルに応じて報酬を変える、ということまでできていないように感じます。それよりも在籍年数等に報酬が比例している、のかと。

本来であれば会社への寄与度に応じて、能力評価をしてほしいですよね。

さらには、自分が関わる仕事を選べるかどうか、というのも社員は会社に求めている人間が米国では多いそうです。

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当然、自ら求めた仕事には理想の成果があり、それを満たされなければそのポストは他人に明け渡されるでしょう。

ただそういった自己主張と競争社会にある程度国全体としてなっているのが多文化のアメリカというのも一理あるのかもしれません。

スキルと「やってみる」があれば転職・独立もできる

これらの各職種についての移動、すなわち転職等についても本論文では語られています。まずは仕事をしている「領域」に対しての考え方で5タイプを掲げています。

●「自発転換」
 別の領域から先端領域へ転換したことがあり、自発的
●「受動転換」
 別の領域から先端領域へ転換したことがあり、会社主導
●「当初から先端」
 元々先端領域にいた
●「転換志向」
 非先端領域にいて先端領域に転換したい
●「固定志向」
 非先端領域にいて先端領域に転換したくない

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 この5タイプにおいて、いわゆるこの先端領域に移りたい「転換志向」の人は、領域を変えたいにもかかわらず変えられていない、というジレンマを抱えています。

本書では何が原因で「転換」できていないのかにもフォーカスしていました。その中の理由の9割が「スキル習得できる自信がない」「学び直しの時間的負荷が大きい」ということでした。

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時間については現業を行いながらいかに学ぶか、もしくは背水の陣で飛び込んでみる、のいずれかになるかとは思います。

ところが自信についてはこれは一言で片付きます。何事も最初から自信のある人なんていないんです。それでも自信がないという理由が約半数であるということは、トライしてみる、という文化がほとんど日本に根付いてないことが一番だと思います。

失敗をした人を叩く現代においてはなかなか難しい世になりましたよね。。。。

さらにはスキルがある人間ですら、現業でなかなか発揮できていない人が転換志向と固定志向には半分以上を占めている、という結果にもなりました。

つまり、スキルを持っていても活かせていない人が半分もいるということです。

こういった自分のスキルと現業がマッチしていない、というところが退職・転職理由になることも多いと思います。昔ほど一社に勤め上げることが美徳な時代も終焉を迎えつつあります。

自分の未来は自分で創る

これが今後必要とされることであり、その一つがDXであるとこの論文を読んで感じました。

次回がDX白書第三弾の最終回「DXを支える手法と技術」になります。いよいよ

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