私だけの孤独

彼氏いるの?いつ結婚するの?
家族なんだから助けてあげなきゃ。
料理得意なんだ。いいお嫁さんになれるね。

そんな言葉を他人から吐かれる度に、本当は思っている。
うるせえ。

男の家に転がり込む、相手の収入に寄りかかる、それを前提に生活している奴に、私の生活を貶める権利なんてない。

世間的には、そういう(ことが何の疑問もなくできる)女たちの方が可愛げがあるだろうし、実際に二十代半ばから一斉に結婚しているけれど、私にはどうしてもそれができないのだ。

もはや自分とは違う世界の生き物だとさえ思う。
僻みでも妬みでも、この際何でもいい。
私はその満たされている女たちが、心底嫌いなのだ。

当たり前のように世界を愛し、世界に愛される。
自分が女であると信じて疑わず、それを苦にしている人間がいることには考えが至らない。
家庭は幸せな場所で、家族は助け合うべきだと何の臆面もなく言い切る。
それはとても幸せで、そして、とても傲慢だ。

そんな彼女たちに、物語は要らない。
ずっとそう思ってきたし、男ありきで満たされている女たちは馬鹿だと、多分どこかで見下してもいた。

でも本当は気づいていたのだ。
私は、そうやってただ自分を守りたかっただけだということに。

「私は世界に愛されていないが、だからこそ、あまたの物語と共鳴することができる」と。

それはとても孤独で、だけれども私はその孤独となじみ過ぎてしまって、今更どんな顔をしてそれから目を背ければいいのか、よくわからないのだった。

私の孤独は私だけのものだ。私にしか分からない。
だから、私は私の孤独との寄り添い方を、癒しの術を、今日もどこかで探している。


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