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「オーストラリアには3つのフットボールがある」と4/30〜5/6の日記

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2023年2月よりオーストラリア メルボルンへ移住。現在はMBA取得に向けて大学院に通いつつ、Absolute MMAというジムでグラップリング/ブラジリアン柔術の練習に励んでいます。
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今週の文章と写真は「オーストラリアには3つのフットボールがある」
です。

今週の文章「オーストラリアには3つのフットボールがある」

オーストラリアには3つのフットボールがある、と言われた時、あなたが思い浮かべるのは何だろうか?

フットボール(サッカー)

まずは当然フットボール(サッカー)が思い浮かぶと思う。オーストラリアにはAリーグと呼ばれるプロリーグがあり、各都市に拠点を置くチームが所属している。Aリーグの歴史は意外と浅く、2002年の日韓W杯をきっかけに2004年に成立したらしい。オーストラリアは移民も多いのでサッカーの競技人口自体はそれなりに多かったが、エンターテイメントとして観るスポーツとは認識されておらず、その辺りはJリーグ成立前の日本と状況が似ていたのかもしれない。

ちなみに、このフットボールはオーストラリアの3つのフットボールの中では3番目つまり一番人気がないフットボールだ。街中でチームのジャージを着ている人をみることは全くないし、自分はメルボルンに住んでるけどメルボルンのチームの名前もわからない。授業などで人が話しているのを聞いても話題に上がっているのを聞いたこともないし、スポーツを流しているバーでも見たことがない。

フットボール(ラグビー)

もう少しオーストラリアという国のことを想像すると、ラグビーを思い浮かべると思う。ラグビーもNRLというしっかりしたプロリーグがあり、各都市に拠点を置くチームが所属している。特にシドニーなどの都市があるニューサウスウェールズ州やブリズベンやゴールドコースとがあるクイーンズランド州などの北東部の地域で人気がある。

メルボルンに関していうとこちらも所属しているチームはあるものの街中でチームの情報や話題に触れる機会はほとんどない。ただこの辺は地域差がありそうで、北東部ではかなり支配的なスポーツということなのでそっちの方にいたら印象が違ったかもしれない。このあたりはオーストラリアの広さ、大きさそしてある意味では懐の深さが感じられる。

ちなみにラグビーはオーストラリアにおける観客動員数では全スポーツの中では3位、3種類のフットボールの中では2番目の人気である。

オージールールフットボール

ここまで読んでいただいていれば、サッカー、そしてラグビーという日本で馴染みのある、そしてオーストラリアがある程度の強豪として認識されているフットボールは実はオーストラリア国内での人気はそこそこであるということがわかってもらえると思う。では、オーストラリアのフットボールの中で1番人気があるフットボールといえば?と聞かれたら、答えはオージールールフットボールである。このフットボール(現地ではFootyフッティーと呼ばれる)はAFLというプロリーグがあるスポーツで、各都市に拠点をおくチームが所属している。特にメルボルンにはSt.KildaやCarltonなど都市というよりは街単位でいくつもチームがあり、しかもそれぞれかなりのファンを抱えている。

画像引用:https://www.abc.net.au/news/2021-03-20/afl-rule-tweaks-for-2021-season-open-up-the-game/100018370

日本、というよりオーストラリア以外で暮らしていると全く触れる機会がないこのスポーツは「フットボール」というカテゴリのみならず全プロスポーツの中でも圧倒的1位の観客動員を誇る。特にメルボルンでは週末になるとチームのマフラーを巻いてニット帽を被った人たちが街中に溢れる。一番大きなMCGというスタジアムは最大で10万人の収容人数を誇り、しかもプレーオフのような重要な試合はもちろん、それなりの試合でもこれが満員になるらしい。メルボルンにはこのMCGの他にもいくつかスタジアムがあり、マーベルスタジアムというのも5万人を収容する。福岡ドームや東京ドームが野球開催時は3〜4万人収容なのでこれらの巨大さがわかってもらえると思う。授業でも度々話題になるし、グループMTGでも「もうFootyの試合には行った?」と聞かれるし、バーでも試合がある日はいつも流れている。

地域差でいうとやはりメルボルンが人気の中心ではあるようだが、他の都市にも積極的に進出しており人気が拡大しているらしい。

AFL - ルール

AFLのルールに関しては自分もまだよくわかっていないのだが、特に特徴的なのは下記の4点だと思う。
1)ボールを投げてはいけない(パスはボールをパンチして行う)
2)キックをノーバウンドで捕ると一度プレーが止まり、捕球地点から再開となる
3)4本のポール(高いのが2本と両端に低いのが2本)の真ん中の2本の間をボールがノーバウンドで通過するとゴールになり6点、その他の場合はポイントと呼ばれる1点が入る
4)キックをノーバウンドで捕球した際以外はタックルができ、その結果に応じて色々その後の展開が変わる(相手のキックになったりジャンプボールになったりする)

実際の試合を見た印象1 ーゲームの争点

実際に試合を見ていると、基本的にはいかにボールを前にキックしレシーバーがノーマークまたはマークをかいくぐりそれをノーバウンドで捕球するかが大事なスポーツという印象だった。これができると捕球ポイントを連結していくことができるので、チェスのようにボールを前に運んでいくことが可能になる。最終的にはゴール前にボールを運んでいくことができれば6点獲得を目指して最後のキックをすることができる。
パスやボールを持って走るのは主にキックをするためのスペースを確保できないときの手段という印象だった。

実際の試合を見た印象2 ーゲームの本質

AFLは1クオーターが30分程度で、最終的には3時間近いゲーム時間とプロスポーツにしてはかなり長い時間がかかる。ずっと動いているスポーツではあるが一瞬たりとも目が離せないわけではなく、多分ポップコーンを食べながらリビングでのんびり観戦するというスタイルに合致しているスポーツなのだと思う。アメフトなども同じように受容されているものだと思う。

実際に試合を見た印象3 ーその他

1)審判がめちゃくちゃ大変そう
審判は広いフィールドをめちゃくちゃに走り回ることが求められている上に、ボールをフィールドに投げ込んだり、ゲームのはじめにボールを叩きつけたりなど重要な役回りがめちゃくちゃ多い。選手はもちろんのこと審判もかなり大変なスポーツだと思った。

2)かなりざっくりしている
一応何メートル以上走ってはいけない、とかこういうときはこうする、というようなルールは決まっているのだが、一度プレーがとまった後に全然違うところから再開したりするし、距離の計測もほぼ目分量だし、かなりざっくりしたルール運用という印象だった。そのあたりオーストラリアのおおらかさを感じる。ちなみに観客の席もビジター、アウェー区別されておらず、別のチームを応援している観客が隣同士で座っていたりする。

3)フィールドの広さ、選手たちの身体つき
フィールドがめちゃくちゃ広く、選手たちはある程度持ち場がありつつもその中を縦横無尽に走りまわる。一説によると1試合で15キロ以上走るらしく、コンタクトスポーツでありながらもバルクよりも走れる身体が求められる印象だった。

まとめ

メルボルンに住んでいるとAFLの人気は本当に圧倒的で、このあたりのスポーツの人気の地域性というのも考察するにはいいテーマだと思う。試合自体は結構面白かったけどのんびりしていて長いというのが印象で、言い方は悪いけど他にやることがない中でダラダラ観戦できるスポーツとして人気が広まったのかなと思った。観客層はかなり広く、連れ立って観戦にきている老夫婦やグループできている若者、ビールを飲みまくるおじさんたちなど、地域に根ざして多くの観客を抱えているスポーツであるということがわかった。

今週の写真「Footyスタジアムで撮った写真」

先日観戦に行った際の写真(ズームレンズを保有していないのであまりいい写真はないのですが)があるので何枚かここに載せようと思います。
観戦した試合はブリズベンライオンズvsカールトンフットボールクラブの試合で、自分はライオンズファンの友人と観戦しました。

試合前のセレモニー フィールドの広さがわかると思う
選手入場前
別のレンズで
このように旗が立ち上がり、その下を通って選手がフィールドに入っていく
試合前練習

 

試合前練習
観客席

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