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「ユタ・ジャズとヤクルトスワローズの共通点ーエンターテイメントとしてのスポーツの魅力」と「St.Kilda Junction」と4/9〜4/15の日記

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2023年2月よりオーストラリア メルボルンへ移住。現在はMBA取得に向けて大学院に通いつつ、Absolute MMAというジムでグラップリング/ブラジリアン柔術の練習に励んでいます。
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今週の文章は「ユタ・ジャズとヤクルトスワローズの共通点ーエンターテイメントとしてのスポーツの魅力」
今週の写真は「St. Kilda Junction」
です。

今週の文章「ユタ・ジャズとヤクルトスワローズの共通点ーエンターテイメントとしてのスポーツの魅力」

今日はいつもと少し毛色が違う話だけど、NBAのUTAH JAZZというチームについて。
自分はこれまでそこまでNBAは通っていなかったのだが、昨年のアメリカ旅行で現地観戦して以来すっかりハマってしまい、試合結果に一喜一憂し選手の履いているスニーカーをチェックしビハインドザシーンのストーリーをチェックし…という日々を過ごしている。

UTAH JAZZというチームはLAでクリッパーズとの試合を観戦した。何試合か候補がある中で(人気があまりないから)割と安くいい席で見られそう、ということで見に行った試合だったのだが、何試合か行った中でもかなり満足度の高い熱戦で、クリッパーズ目当てで行ったものの終わる頃にはジャズの印象しか残っていなかった。その後、日本に戻ってから試合を追ううちに気づいたらジャズに夢中になっていた。

自分は日本のプロ野球では東京ヤクルトスワローズの大ファンなのだが、ジャズというチームはヤクルトと共通点が非常に多い気がする。アメリカ旅行中に現地で見たチームはいくつかあるのだが、その中でも特にジャズにはまったのはこれが大きな理由と思われる。NBAは今週からプレーオフが始まる。ジャズはプレーイン進出を逃し今シーズンの戦いは一足先に終わってしまったところだが、今週の記事ではそんなジャズとスワローズの共通点を挙げていきつつ、自分がエンターテイメントとしてスポーツのどんな部分に魅力を感じているかを書いていきたい。

ベンチの雰囲気 スポーツを本気で楽しんでいる選手たちの姿

今季のジャズは終わってみれば37勝45敗と負け越し、プレーイントーナメントの進出も逃してしまったのだが、冒頭に貼った記事にも書かれている通り、それでもベンチにもロッカールームにも悲壮感はなく、活気にあふれている。監督のウィル・ハーディはインタビューでたびたび「NBA選手であるということは普通のことではないので選手にはその喜びを噛み締めながら戦って欲しい」という旨の発言をしているが、ジャズのベンチの様子を見ていると選手たちはまさにそういう空気の中で戦っているように思われる。

ヤクルトスワローズもベンチの雰囲気は最高で、見ていて本当に楽しい。弱い時にはファミリー球団だから闘志が足りないんだと言われるが、2021年、2022年のチームは和気藹々とスポーツに打ち込むことはむしろプラスの結果をもたらすことを証明していると思う。ヤクルトはスカウティングの評価項目に「人間性」という欄があるという話を聞いたことがあるのだが、本当に応援したくなるような素晴らしい人間性の選手ばかりで、プレーからもそれが見て取れる。こういった人間性がもたらすベンチの雰囲気が、このあと述べるようなチームの魅力を全て支えているのだと思う。

柔術関係でスポーツ心理学を調べたり有名選手のインタビューを聞いたりしていても、負けたくないと思うよりも勝ちたいと思うことが大事という旨の記述が多い。ベンチの雰囲気はそういったメンタルに作用する部分が多いのではないだろうか。見ているファンとしても、選手たちが好きな、楽しいと思えることに真剣に打ち込んでいる姿を見ることができるからこそ楽しんで応援できる。コート/グラウンドで戦っている選手を見守っているという意味では、ベンチはファンと同じ視点(ベクトル、視線、物理的に見ている方向という意味)で最前線で試合を見ていると言える。彼らが楽しそうにいいプレーを賞賛しているからこそファンも後から続いて応援できるのではないかと思う。

負けていても最後まで諦めないメンタリティ

ウィル・ハーディの発言の中には「成績や結果を見ていると不甲斐ない、よくないシーズンだったと思われるかもしれないけど、毎試合見てくれているファンの人は全くそう思っていないだろう」というものもある。これはこのチームの魅力を最大限に表現した言葉だと思う。今季のジャズは勝っても負けても接戦が多く、途中まで負けていても最後までなんとかしてやろうという試合が多い。先述したベンチの雰囲気も手伝って、追い上げている時はなんとかしてくれるんじゃないかと思わせるし、劇的な逆転勝ちも何試合もあった。

ヤクルトスワローズも、96敗した最悪のシーズンの中でも10点差を逆転した試合などがあり、最後まで諦めない姿勢は見ていて本当に勇気をもらえる。改めてこの試合を見ても感動するしこれだけボロ負けしていてもスタンドの応援も全く諦めていなくて最高だなと思う。(10-0から逆転試合は現地で見ていて、優勝した時に匹敵する盛り上がりと感動だった)

再生工場

ヤクルトスワローズには昔から再生工場と呼ばれる、他のチームで芽が出なかった選手を積極起用して復活させてきた伝統がある。こういった選手はプロでやっていくことの難しさや拾ってもらった意気、なんとしても成功するんだという第二のチャンスに懸ける気持ちなど、プレーを見ていて熱くなるものがある。

NBAは順位が翌年のドラフトの指名順に直結するなどプロ野球よりも長期的な視点で見たときの勝ち負けの戦略が大きく、無理に勝ちにいくことが球団として最適ではないと考えられる状況もある。今年のジャズはまさに無理に勝ちにいく状況ではなかったため、シーズン中の選手の獲得、放出も勝利という目線では消極的なもので、後半はGリーグ(マイナーリーグ)から積極的に選手を10日間契約という形で獲得していた。

球団としては「無理に勝ちに行かない」(負けてもいい、むしろ負けた方がいい)という姿勢でも、やっている選手たちは本気で、特に10日間契約の選手は活躍して本契約をとることができるかどうかで今後の人生が変わってくる。監督のウィル・ハーディもそういう選手の気持ちみたいなものを汲んで積極的に活躍できるように起用をしていたと思う。そんな中、クリス・ダンやルカ・シャーマニッチといった選手が活躍しているのを見るのはすごく楽しかった。

躍動する若手

再生工場で復活する選手を見ているのと同じくらい、未来ある選手たちが躍動するのを見ているのは楽しい。今では日本を代表するバッターに成長した村上が1年目にファームで活躍しているというニュースを聞くのは本当にワクワクさせてくれたし、今なら丸山、濱田といった1軍に食い込んできている野手、そして澤井らの今年ドラフト組やそろそろ出てきそうな市川などの投手がこれからどう活躍してくれるか日々2軍の情報を見ながら楽しみにしている。

ジャズは昨年まで在籍していたエース級の選手たちを一気に放出して、今年から若手中心の新しいチームづくりを始めている。そういった状況でこのチームを見ることができたのは本当に幸運だったと思う。今年のジャズからはラウリ・マルカネンという選手が大爆発してオールスターにも選ばれたのだが、それ以外にも最高な選手たちがたくさんいる。

2番をつけているセックストンという選手は、試合中の気合がものすごくて、LAで現地観戦した試合でも一番印象的だった。小柄なポイントガードだが、一気にドライブで切り込んでのレイアップは強烈で、クリッパーズが全然対処できてなかったのが印象的だった。自分が一番好きな選手の1人だが、今年の後半は怪我であまり試合に出られてなかったのでしっかり治して来年頑張ってほしい。

ウォーカーケスラーは1年目のルーキーで、めちゃくちゃでかいフレームを生かして特にディフェンスで活躍している。現地観戦の試合でも結構活躍していたけど特に1月くらいになってから先発で出るようになって、試合を決めるようなプレーも何回も見せてくれてる。今後ジャズの大黒柱になる選手だと思う。

ルーキーの中ではオチャイアバジという選手も、後半戦からチームの主力として活躍している。高い身体能力を活かしたダイナミックなプレーは見ていて本当に楽しい。後半どんどん自信を深めているのが見て取れたので、来年はさらに活躍してくれるんじゃないかと期待できる。

言葉に力のある監督が率いるチーム

ヤクルトの高津監督は本当に言葉に力がある監督で、リーダーシップ理論の観点からも非常に統率力のあるリーダーだと言える。高津監督のリーダーシップの分析については先日大学の課題で深堀したのでいずれ記事にしたいが、ジャズのウィルハーディ監督も中々言葉に力のある監督だと思う。
冒頭で引用したような発言も含めて、非常に含蓄のある言葉が多く、また選手との間の関係が良好であることも見て取れる発言が多い。ウィルハーディは自身はNBAでのプレー経験はなく、スパーズなどでアシスタントコーチとして経験を積んだ後、ジャズに抜擢されている。この人が率いてるならチームが大きく崩れることはないだろうな、と思える人で今後のリーダーのあるべき姿を考えさせられるような人物だ。

まとめ

自分がスポーツを見ていて魅力を感じるのは、この選手を応援したいと思えるプレーに対する姿勢、ストーリーをもった選手たちがどんな状況でも諦めず全力でゲームに向かっている姿だ。NBAを見始めてからはまだ日が浅いので、おそらくジャズにもこれから色々なことがあるだろうと思うけど、ヤクルトを見ていると、こういう伝統があるチームが大きく崩れることはないんじゃないかと思われる(成績的には崩れるとしても)。半年間すごい楽しませてくれたジャズのチームには感謝したいし、来年も選手たちがどんな活躍をしてどんなゲームを見せてくれるのかが今から楽しみで仕方ない。(そして、プロ野球が始まる)

今週の写真「St. Kilda Junction」

今週の写真はSt. Kilda Junctionです。
St. Kildaという単語は柔術愛好家にはお馴染み(?)だと思いますが、ラクラン・ジャイルスが運営するジムがある場所の名前であり、ビーチがある地域一帯とそこから街の中心部に伸びていく道路の名前です。St. Kilda Junctionはその地域の入り口付近にある、いくつかの道といくつかのトラムが交差する巨大な交差点のことです。交差点があまりに大きいので歩行者は地下のトンネルを通っていくのですが、そのトンネルのグラフィティがとても綺麗だったので写真を撮ってきました。いつもより枚数少なめですが楽しんでいただけたら何よりです!

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