「スポーツとマーケティング（サッカー女子W杯）」と「ヤラ川散歩その２」と8/13〜8/19の日記

2023年8月20日 21:32

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2023年2月よりオーストラリアメルボルンへ移住。現在はMBA取得に向けて大学院に通いつつ、Absolute MMAというジムでグラップリング/ブラジリアン柔術の練習に励んでいます。
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今週の文章は「スポーツとマーケティング（サッカー女子W杯）」
今週の写真は「ヤラ川散歩その２」
です。

今週の文章「スポーツとマーケティング（サッカー女子W杯）」

実は今オーストラリアではサッカー女子ワールドカップが開催されている。ワールドカップなので、当然世界中から代表チームがやってきていて、連夜熱戦が繰り広げられている（はず）。日本からも以前旋風を巻き起こしたなでしこジャパンのチームがやってきていて、グループリーグを首位で通過。しかし、決勝トーナメント準々決勝でスウェーデンに敗れてしまいベスト８で姿を消している。

オーストラリアにいると、日本ではどれくらい盛り上がっているのかの肌感覚は全くわからないが、少なくとも自分のツイッターのタイムライン上ではあまり話題になっていない。しかし、こちらではオーストラリア代表（通称Matilda's）が快進撃を続けていたこともあり、なかなかの盛り上がりを見せている。街中に選手たちを起用した広告が掲出されていて、学校関連の集まりでも話題に上ることがめちゃくちゃ多い。特に子どもたちの間で男女問わず熱狂を生んでいるようで、お子さんがいる人はみんなグループのミーティングなどを試合前に切り上げて子どもと一緒に観戦する準備をしていたりする。（ちなみにオーストラリア代表は惜しくも準決勝でイングランドに敗れ、この記事を書いている19日土曜夜にスウェーデンと3位決定戦を戦う）

日本が3月ごろにWBCで大盛り上がりしていたときおそらくオーストラリアでは大会が開催されていることを知っている人の方が少なかったと思う。そして（日本の状況がわからないから完全に推測だけど）今回のサッカー女子W杯は逆の状況になっているかもしれない。あるいは、来週から開催されるバスケットボールのW杯だと状況はどうなのだろうか？あるいは、今夜と明日にカザフスタンでグラップリングの強豪選手と戦う日本人選手がいることをどれくらいの人が知っているのだろうか。

これは選手たちやスポーツ自体の優劣などを論じるつもりは全くなくて、自分はスポーツ（格闘技）を齧っている者の端くれとして、スポーツの日本代表レベルで戦うアスリートの心身の強さは多少なりともわかっているつもりだ。そして、その上でむしろそうやって戦っていることを知ってもらえない状況を歯痒くも思う。しかし、現実として上記のように注目度には大きな差が生まれている。

なぜこのような差が生まれるのか？例えば結果が出ている種目に注目が集まっているのだと思う人もいるかもしれないけど、例えばオリンピックでメダルを取ってもあまり注目されずに終わってしまう種目もある。元々の競技人口が、と言う考え方もできるが、どれだけの人がカーリングをやったことあるのだろうかと思う。もちろん結果は注目を集めるきっかけになるし競技人口が多い方が注目のきっかけは増えるが、熱狂が生まれる元はそれだけではなく、マーケティングによる部分が大きいと感じる。

例えば格闘技だと、日本のRIZINはアメリカで開催されている世界最高峰のUFCに負けるとも劣らない熱狂を生み出しているが、それには大会の前後に多方面からストーリーの演出が行われていることが非常に大きいと思う。選手の試合にまつわる部分だけでなく生い立ちや内面までをうまく語って、観客にこの選手を応援したいと思わせる。そのような演出に基づかない海外の中規模の大会などと比べると見る側の熱の入り方の違いを大きく感じる。

自分は大小のイベントに仕事／プライベートで関わることが多いが、企画の中身だけ整えれば大丈夫という考え方に収まってしまうことが結果的に多くある。中身はもちろん大事なのだが、それを伝えなければ意味がないし、場合によっては演出も必要。そんなことをオーストラリアにおけるサッカー女子ワールドカップの盛り上がりを見ながら改めて思った。