見出し画像

「柔術は哲学たりえるのか。または、何目指してるの?への回答」と「2019年 金沢 その2」と5/19〜5/25の日記

お知らせ

2023年2月よりオーストラリア メルボルンへ移住。現在はMBA取得に向けて大学院に通いつつ、Absolute MMAというジムでグラップリング/ブラジリアン柔術の練習に励んでいます。
noteには、メルボルン生活をより充実したものにするため、日々をより意識的に過ごすために毎週ちょっとした文章と数枚の写真とその週の日記を投稿しています。
文章と写真の一部は無料部分、写真の残りと日記を有料部分に設定しています。有料部分は1回200円、1か月の定期購読は600円で設定しています。少しでも面白いものを載せられるように頑張っていきますので、記事が面白いなと思ったり、メルボルンの生活はどんなか気になったと言う方はぜひ、サポートよろしくお願いします。もちろんハートマーク押してもらえるだけでも嬉しいです。

今週の文章は「柔術は哲学たりえるのか。または、何目指してるの?への回答」
今週の写真は「2019年 金沢 その2」
です。

今週の文章「柔術は哲学たりえるのか。または、何目指してるの?への回答」

これは柔術に限らない話だと思うが、特定の何かにのめり込んでいたりするとよく他人から「何目指しているの?」という質問をされる。この質問はよくTwitter/Xの柔術界隈でも話題になるもので、大抵は「お前の知ったこっちゃない」という結論に至る。

「何目指してるの?」という質問には、
・そんなことをして何の意味があるの?
・それは将来に役立つことなの?お金になるの?
・そんなことよりもっと大事なことがあるんじゃないの?
などの質問が意識的/無意識的に含まれている場合が多いのだが、いずれにせよそこには「私には理解できない」という言葉がくっついてくる。
要約すると「あなたはそれだけの熱意を費やしているけれどそれに何の意味があるのか私には理解できない」ということだ。

よく挙げられる模範回答に「ベストな自分になることを目指している」というような内容のものがあり、実際これが一番合致してはいるのだが、それ自体が意味するところを自分自身理解してはいるものの言語化することがうまくできないでいた。

理想と現実という二項対立

先週分の記事において、倫理と道徳という二つの概念について書いた。

道徳というのを社会的な善、倫理というのを本質的な善と置いた場合、本質的な善は捉えようのないものであるが、それを追及すること自体に意味がある、というような内容を書いたのだが、この構図は世の中の表現というものに対して普遍的に当てはまるものだと思う。

例えば音楽で言えば、作曲という行為は理想的/本質的な音楽をさまざまなスキルを駆使して曲という形に落とし込む行為であると言える。そして演奏という行為は、その曲の世界をスキルを駆使して現実の世界に再現する行為だ。

このように表現というものは理想的/本質的なものをそれに対立する現実という世界に再現する行為ということができる。そして、その再現度が高ければ高いほどそれを目撃する人は本質に触れることができ、それがいわゆる感動という感情に繋がるのだ。

一方で身体を動かすことは自分の頭の中にある理想と身体を合致させていく作業だと言える。そこに色々なやり方だったり戦略だったり、そして制限だったりがある中で取り組むからこそ面白さ/楽しさがあり、それは倫理を追求することと同様それ自体に意味があることだと言える。

プラトンのいう教育

これは決して自分が考えていっていることではない。
プラトンは"Republic"(国家)という著書の中で教育について書いているのだが、そこでは音楽と体育こそが必要な教育だといっている。文章の意味することを書いているとボロが出そうなので詳細はここでは省くが、とにかくプラトンも体育を重視していたことは確かなのだ。

まとめ 哲学と柔術、なんの意味があるのか

二項対立の片方からもう片方を目指すという意味で音楽と柔術を並列で捉えられるというのが先に書いた内容だったけれど、哲学も人生の意味/本質を言葉というツールを使って現実から接近させていく行為であると言える。そういう意味では柔術と並列する行為であると言える。

「何を目指しているの?」=「それに何の意味があるの?」に対する回答としては、結局(現実から理想(自分のベスト)に接近していく行為というそれ自体に意味がある。そこにさまざまなやり方や制限があるからこそ)「楽しいからやってる」が正解なのだ。

この結論に最近やっと自分自身が納得することができたので、この考えを記録しておきたくて今週書き残してみた。

今週の写真「2019年 金沢 その2」

今週の写真は2019年 金沢 その2です!
金沢の最終回です。今回は街並みなどを中心に載せます。自分は路地が大好きでよく何にもない路地の写真を撮るのですが、金沢はいい路地がたくさんあってそこも好きなところの一つです。(みなとみらいみたいな人工的な街には路地がほとんどないのでつまらない、魅力的な路地があることそれ自体が街の歴史を表していると思います)

ここから先は

2,525字 / 3画像

¥ 200

よろしければサポートをお願いします。いただいた資金は自分の属するコミュニティに還元していきます。