舞台『罪と罰』


だいぶ時が経ってしまった観劇の感想を今月中に書き切れたら・・・!

罪と罰

原作・ロシアの文豪フョードル・ドストエフスキー
演出・フィリップ・ブリーン
劇場・シアターコクーン
主演・三浦春馬
上演時間・3時間30分(休憩20分を含む)

主人公の青年 ラスコリニコフのかかげる"正義"は「人類が救われ、その行為が必要ならば、法を犯す権利がある」という独自の理論をもとに行われ、実際に悪徳質屋の老婆を殺害するのだけど、運悪く居合わせた老婆の妹までも殺してしまい、罪悪感に襲われながら生きていくことになる。

徐々に国家捜査官(勝村政信)に追い詰められて幻覚を見るようになったり、後に出会った家族にために自己犠牲をいとわない優しきソーニャ(大島優子)に心を打たれ自白の衝動にかられたりする様を春馬くんが熱演していました。

主人公を演じているからほとんど出ずっぱりで、常に衝動的な感情を解放した状態で演じなければならない役だからかなり命削ってました。

こういう普遍的なテーマや考えさせられる物語で役を演じきっている人を知ってから、変身願望とか何者かを演じることに対して若干おそろしさを感じるようになったな。

それゆえ役者さんは素晴らしいなとも思う。

殺してしまったことを誰にも言えず、家族にだって当然言えず、ひとり抱えていかなければならない孤独さやソーニャにだけは言ってもいいと思った、だけど言ってしまったら彼女にも罪を背負わせてしまうことになるという相反する気持ちの中に挟まれる苦しさ、真実を知ってるのか知らないのか曖昧な態度で詰め寄る捜査官に疑心暗鬼になって精神が休まらない状況など、

考えただけでクラクラしてしまうような最悪な状態にのまれることなく感情と自身をコントロールして演じてるのか。春馬くんおそろしい。

観客の目も鋭いので、嘘はバレる。

わたしも意地悪いので、オペラグラスで台詞を言ってない役者さんの表情をあえて見たり、袖に捌けるギリギリの様子を観察したりするんだけど、舞台上に存在しているときは誰一人役を抜ける人はいないので、プロがプロたる所以を見せられます。

今回もアンサンブルが結構大勢いて、場面が切り替わるたびに群衆があらゆる動きをするところ、だれもがその時代で生きる人たちでした。

舞台上では時代が変わり、土地が変わり、人が変わり、時にはこの世における道理を無視した世界観が確立したりする。同じ劇場という空間にいながら別世界がすくそばで存在しているねじれみたいなものが好きだなと観劇するたび思う。

また、今回の演出はフィリップ・ブリーン氏。

名前は聞いたことあると思ったら2015年に同劇場で上演された『地獄のオルフェウス』を演出した方でした。

もう微かな記憶しかないんだけど、埃っぽい質感と鉄の冷たさと無骨さのある舞台セットだった。

ラスコリニコフがたびたび失神して倒れるシーンがあって、そこの演出が好き。彼が倒れる瞬間にバンッて暗転するのが何回も繰り返されて目が覚めたの覚えてる。(序盤、内容のむずかしさに耐えられず微睡んでしまいました・・・。)

ラストのラスト、ラスコリニコフの最期に光が辺り一帯を包むところも好き。

演出に視点を置いて舞台を観るということを去年の秋くらいからしていると、役者の仕草ひとつとっても意味深に見えるし、いろんな疑問が沸いて面白いから、もっと意識して観てみようと思う。

罪と罰、3時間30分の長丁場。

2時間半超えの舞台でもわりと覚悟して行くんだけど、それを優に超えてきました。原作自体が長編作品だからそれくらいで収まったのが逆にすごいのかもしれない。たぶん。

まだまだ解釈に乏しい自分の頭だけど、ジリジリと古典の面白さに近づいていってる感ある。とりあえず本読もう。原作よ、原作。



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