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殻はぱきぱきはらり

9月は何もUPしなかったのか。
1日って秒で終わって、
1週はふぅっと一息ついた頃には過ぎていて、
1月経ってげげっと慌てた頃にはひとつの季節も去っていて、
1年の終わりに「早ぇ、、」となる。

移住してあっという間に3ヶ月。
夏は一瞬で終わってしまい、
(暑ぃ!暑ぃ!と言えた期間は比喩じゃなくほんの一瞬しかなかった)
すでにまぁまぁ寒い。
ヒートテック+トレーナーでも朝夕は首がすくむ。
ベルリンへ着いた頃は22時頃までぼんやり空が明るかったのに、
今じゃ19時には真っ暗。
早朝は吐く息が白い。
曇り空の日も多く、お日様にあまりお会いできない。
サマータイムももうすぐ終了で日本とは8時間時差に戻る。

冬が、怖い。

ここで過ごす初めての冬。
東京の寒さも結構ギリギリなところがあったのに、
(東京にいると屋外にいる時間も少ないしまぁ耐えられた)
北海道とだいたい同じくらいの緯度にあるこの街の冬を
私はちゃんと生きることができるのか。
とは言っても、北海道のように雪が降り積もるような場所ではない。
(まぁ盆地都城の寒さもなかなかの猛者)
「東京よりちょっと寒いくらいだよ」
と聞いてるけど、
「ベルリンは英語で生きていけるよ」
が完全に嘘だったのであまり信じていないw
あぁ、恐怖、、、

本当だったのは、
「海外で暮らすと価値観が変わるよ」
ってわりと聞くこのセリフ。
私の体感で言い換えると、
「ただの刷り込みと思い込みでしかなかったことにたくさん気づく」
かな。
もう30代も折り返して、
たったの3ヶ月で劇的に人間が変わるほど
感受性や行動パターンや思考回路が柔らかでは残念ながら、ない。
ほとんど私という人間ができあがってしまっている状態でも、
茹で卵の殻がすこーしずつぱきっ、ぱきっと、
割れ落ちていくような感覚がある。

例えば。
言葉があまりわからないことも相まって、
ただでさえ少ない広告がほとんど情報として入ってこないこの環境。
それこそ東京だと、
街を歩いても電車に乗っても仕事をしていても食事をしていても、
周りを広告に囲まれすぎている。
視界の中に必ず何かしらの情報が無作為に入り込んでくる。
それ自体が悪いことと言いたいわけじゃない。
ただ、自分にとって本当は必要でない情報まで拾い上げてしまっているなと。
購買意欲って自分の中から湧き出るもので、
それ自体は健全なものと思うけど、
あまりにも煽られて消費していたことに初めて気がついた。
「高見え」ってワードになんかモヤッとしていたのはたぶんそのせい。
「これを持っておくべき!」とか
「このブランドがイケてる!」とか
誰かに煽られて決めることじゃない。
協調性を叩き込まれ続ける日本では、同じであることが安心なんだと理解もする。
(確かに少数派に属してしまうととても生きづらい)
ブームが短命で入れ替わりが早いのも、ここなのかなぁ、と。

地理がとても苦手だけれど、
今住んでいる場所はベルリンのわりと街中、なんだと思う。
そんな中にいて、トレンドがあるようで、ない。
私には見えていないだけなのかもしれないけど、
大量生産な印象があまりない。
それぞれがきちんと「個」として生きている印象。
ベルリンの壁の資料には、毎日毎日、
老若男女問わずたくさんの人が足を止め真剣な表情をしている。
(本当に本当で、世代問わず幼子からご老人までたっくさん)
見ているものが違うんだろう。

感情に対してもとても正直。
レジであからさまに嫌な顔をされたことも何度かあるし、
(私が言葉を理解できずイラッとされるw)
昼間の路上で声を荒げている人を何度も見ている。
(酔っ払いの痴話喧嘩では無くおそらくシラフで)
空気を読む文化に慣れすぎてしまった私には、到底できない。
言いたいことは本人に言ってその場で終了、後にひかない影でグチグチしない。
シンプルなことなんだよなぁ。

誰かの残業で彩られた煌びやかすぎる夜景も存在しない。
(東京の夜景、私はとても好きだけど)
夜、家々の窓から漏れている光も、
たぶんダウンライトだったりキャンドルだったり、
ほのあかり程度がほとんど。
お洒落だから、じゃない。
夜とは暗いものだから。
とてもシンプル。



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