見出し画像

介護とDX(デジタルトランスフォーメーション)

noteを書くときにまずwordで書いてるんですが、パソコンのスペックが低すぎてwordを開くだけでも1分ほどかかるのがnoteの更新頻度が低い原因だと思ってます。

さて、今回はこの自分のツイート

弊介護系法人のオンライン化の取り組み
・介護記録の電子化
・記録用にスマホ、タブレット支給
・電子化に伴い館内無線LAN化
・決済等も電子化
・会議はZOOM
・議事録は音声文字起こし
・営業のチラシは全てpdf化
「普通じゃん」ってなるかもしれませんが介護業界的には進んでるほうだと思う

について詳細や補足や追加などをお伝えしていこうと思います。

ツイートにある一部のオンライン化は介護に関係ないものもあり、そういった部分を見れば介護業界以外の人は
「これぐらいのオンライン化なんて当然でしょ」
って思うかもしれません。
ただ、私の肌感でしかないですが、ツイートしたように業界によっては当然のオンライン化でも介護業界にとってもかなり進んだオンライン化だと思います。

もしこれを読んでいるのが介護業界の方であれば参考に、介護業界外の方であれば「へー、介護ってそんな感じなんだ」って思ってください。

で、さっそく本題に入りたいんですがその前に、このツイートに対して自分でこんな補足をしました。

オンライン化ってよりもDX(デジタルトランスフォーメーション)のほうがニュアンス的に正しい気がするんですがたぶんDXって言われてもピンとこない人もいる気がしたのでわかりやすい言葉を使いました。

DXって人によってはあまり馴染みのない言葉かもしれません。
ぶっちゃけ私も「DXの定義とは?」「DXの事例は?」とか言われるとわかんないんですが、ごく簡単に「デジタル技術の活用」ぐらいのニュアンスでこのnoteは読んでもらえればいいかと思います。

例えば、詳しくはあとで説明しますが私のツイートにある「議事録は音声文字起こし」ってデジタル技術(Googleドキュメントの音声入力)ではあるけど、オンライン化(インターネット)ではないんですよね。

ってことで、ツイートしたそれぞれの項目についてちょっとずつ深掘りしていきたいと思います。


介護記録の電子化

さっそくでなんなんですが、私は介護記録の電子化については正直あんまりわかんないです。( #ごめんね )
というのも、私は介護現場ではなく地域包括支援センターという別の部署で働いているため「介護記録電子化したよー」って言う話は聞いているもののどんな感じなのかまったくわかりません。

ただ、せっかくなので別の角度から深掘りすると、介護記録の電子化って多分、国としても推し進めたいはずなんですよね。
実際に議論されてますしね。

じゃあ、現場で進んでいるかというとそうでもないのが現状な気がします。
その理由としては、「インターネットのインフラが整ってない」とか「スマホやタブレット、ソフトの導入にお金がかかる」とかがあると思います。
これらは、施設側の理由ですね。

一方で、実際に介護記録を書いている現場側としては「職員の高齢化によりICTについていけない」っていうのがありそうです。
これってかなり大きな問題ですよね。
施設側が「インターネットのインフラが整って、スマホも導入するよ!」ってなっても実際に活用する現場がそれを使うのにモチベーションが低い状態であると全く意味がありません。
この辺はおそらく多くの施設が抱えている問題だろうと思います。

私は経営者ではないですが、解決策を示すならシンプルに「介護記録を電子化することで生じる現場へのメリットをわかりやすく提示する」につきると思います。

こういうのって数字で示すとわかりやすかったりするんですが、自分たちの仕事を数字で表されることに抵抗感がある人っているんですよ。
「現場の仕事は数字じゃない」
ってとこですね。

もちろん、数字で示されて納得する人もいるので両輪でメリットをわかりやすく提示することが大事かなと思います。

記録用にスマホ、タブレット支給

続いてですが、こちらも上記に付随するのであんまりわかりません。
が、スマホが支給されることで仕事の幅はかなり広がるのは結構想像できるのではないでしょうか?

例えば、写真を手軽に撮れるようになりますよね。
普段の様子もそうですし、ベッド周りの環境や患部の状況、動画を使えば処置の方法なんかも簡単に共有できそうです。

記録ソフトと連携していればその場で記録をつけることもできます。
手書きだと「あとで書こう」と思っていたのを忙しさで忘れてしまうなんてこともありますが、スマホでその場で記録が習慣化すれば記録のつけ忘れもなくなりそうです。

すでにお伝えしてますが私は地域包括支援センターで働いています。
地域包括支援センターでスマホを使うことでもかなり仕事の効率や幅が広がります。
例えば、電話機能は当然として、訪問先へのルート案内、カメラでは虐待ケースなど証拠が必要な場面などにも使えそうです。
最近では相談者が外国人というケースもあるため翻訳にも使えますし、日中仕事をしている家族とはメールでやりとりすることもできます。
この辺は居宅介護支援事業所でも一緒ですね。

電子化に伴い館内無線LAN化

ここも上記に付随してるんですが、これに関しては私にも恩恵があります。
当然、館内が無線LAN化しているので、館内であればパソコンを持っていればどこでも仕事ができます。

「そんな場面あるの?」

と、思われるかもしれませんが、後ほど解説するZOOMなんかでは別室で行ったほうがいいのでパソコンだけ持って移動することは良くあります。

で、個人的にこれの最も大きな恩恵が自分のスマホも無線LAN(Wi-Fi)に接続できるということです。
もちろん会社も許可しています。

この辺は福利厚生の一貫とも言えるかもしれません。


決済等も電子化

業務日報なんかもそうですし、決済というと例えば「○○買ってください」とかもそうです。(実際はこんな軽い感じじゃなくてちゃんと書いてますよ)
これのメリットは決済がどこまで進んでいるのか確認できることです。

結構ありませんか?
決済をあげたのに一向に返ってこないこと。
これが可視化できるのは大きなメリットです。
とりあえずどこで決済が止まっているか確認できれば自分の精神衛生上かなり楽になります。

もう一点のメリットは決済書に書かれた指示が読めるという点です。
他所ではどうかわかりませんが、うちではこれまで決済書をだすと訂正や「こうして」みたいな指示、ダメ出しが直接、決済書に書かれていましたがこれが全く読めないんです。
なんで偉い人の字って読みにくいんですかね。
しかも、誰が書いたのか名前も書いてないのでわからない…

こういったことも電子化することで解決できました。
もちろん紙資源の削減にもなってます。


会議はZOOM

現在、社内で行われる会議は基本的にZOOMを使っています。
委員会の会議なんかもZOOMです。

おそらく、今後世界のあらゆる集まりにオンライン(ZOOM)が必ず選択肢にあがってくるのでそうなったときにスムーズにZOOM会議をするための予行練習みたいな意味合いもあります。
実際に私も外部の人とZOOMを用いてやり取りをする場面が度々あります。

ZOOM会議の良いところでもあり悪いところでもあるんですが、途中で口を挟めない・挟みにくいという点があります。

対面した会議の場で「これこれがこうで…」と説明しているときに横から口を挟んで話の腰が折られるみたいな場面は結構あります。
一方でZOOMだと口を挟みにくく全てを言い終わってから「意見をどうぞ」となるため建設的に話をすることができます。

議事録は音声文字起こし

こちらについてはTwitterでも質問をされたのですが、Googleドキュメントの音声入力
を利用しています。
Twitterでは140字で説明するのが困難だったためGoogleドキュメントの音声入力と返答しましたが場面によりGoogleドキュメントとUDトークを使いわけています。

「じゃあ、どうやって使いわけてるの?」
って話なんですが、対面とZOOMで使いわけてます。

先に対面会議での議事録の音声文字起こしですが対面会議の場合はGoogleドキュメント音声入力を使用しています。
Googleドキュメントって意外と使ったことない人もいると思うんですが、イメージとしてはwordと一緒です。
ただし、wordを同時に複数人で共有して編集できるという機能があります。
参加者が同じwordファイルをそれぞれのパソコンでリアルタイムに編集してそれが反映される感じです。

天下のGoogleとはいえ音声入力なので誤変換は避けられません。
その誤変換をその場で編集できますし、会議参加者が会議中にGoogleドキュメントを共有することで話した内容を可視化できるので会議の脱線を防ぐ効果があります。
なにより、議事録に割く時間が大幅に削減できるのがメリットです。

もうひとつのUDトークですが、こちらはスマホのアプリ専用です。(たぶん)
Googleドキュメントは対面の会議で使用していましたが、UDトークはZOOM会議で使用しています。

UDトークについては調べていただくと公式HPがあると思うのでそこを呼んだほうがわかりやすいと思いますが、簡単に説明するとZOOMに字幕をいれつつその字幕を記録に残すのでそれをそのまま議事録にすることができるって感じですね。

ZOOMに字幕を入れることで相手が耳に障害があってもZOOMに参加することができますいし、施設でZOOMを使ったオンライン面会をする場合、利用者の耳が遠くて画面越しに喋っている家族が何を言ってるか理解できないっていうことも解決できます。


営業のチラシは全てpdf化

こちらは私が独自に始めたものです。
地域包括支援センターはその特性上、周辺にあるデイサービスやヘルパーステーション、福祉用具、有料老人ホームなどの介護サービスからインフォーマルサービスまであらゆる事業所のチラシが集まってきます。

これまではサービス種別ごとに五十音順にしてファイリングしていたのですが、これの整理ってめちゃめちゃ大変なんですよ。

「デイサービスのあ行もういっぱいなのに新しく“う”から始まるデイサービスのチラシがきた」

とかはほんとに整理が大変です。

なので、時間があるときに少しずつチラシをPDF化して保存しました。
これにより、名前で検索すれば一発ででてきますし、

「○○デイサービスのパンフレットがない」

ということもなくなりました。
印刷すれば済みますからね。

それに地域包括支援センターって結構チラシみたいなものを作る機会が多いんですよ(うちだけかもしれません)
なので、手軽に参考資料を見れるっていうのは個人的にかなりのメリットだと思ってます。

名刺のpdf化

ここからは「ツイートしなかったけどそういえばこんなのもあったな」と思い出した弊社会福祉法人のDXを解説していきます。

名刺のPDF化はチラシのPDF化と同じ理屈ですね。
世間には名刺管理ソフトなんかもありますが、営業職ならまだしもうちではとても導入には至らないので、だったら自分たちでやっちゃえって感じでチラシの延長で始めました。

これも名前や会社名で検索すれば一発で情報がでるように保存しました。
これで電話するときに名刺ファイルを一枚ずつめくって探すことも、新しく貰った名刺をファイリングするときすでにファイリングしている名刺をだして整理する必要もなくなりました。

インカムの使用

こちらは冒頭と同じく現場の介護職で導入されています。
「インカムなんて必要?」
って、思われるかもしれません。
もちろん、なくてもいいですがあったら便利という印象を受けています。

例えば、これまでは遠くにいる人を呼ぶときに大きな声をだす必要がありましたが、利用者の前で大きな声をだすのって適切ではないですよね。
利用者にとって老人ホームは生活空間なので、自分が生活してる場で大きな声なんてだされたくないじゃないですか?

それに、認知症の方であれば大きな声をだしてわさわさしている介護士がいると環境的に良くないため不穏状態になる可能性があります。

加えて、今となってはコロナであり、大きな声をだすことは望ましくないとされています。

いろんな要素がありますが、介護はチームワークの仕事なのでその場にいない職員ともコミュニケーションがとれるのはかなり大きなメリットだと言えます。

給与明細の電子化

おそらく、世間一般の企業であれば給与明細の電子化って結構当たり前だと思います。
私も調査したわけではないですが、介護業界で給与明細の電子化をしているところはそう多くはないんじゃないかなと思います。
完全に私の感覚でしかないですが…

これについてはやはりどちらかというと高齢の職員の反発はありましたが、そもそも給与明細ってそんなに見ないですよね。
せいぜいボーナスの時とか、昇給のときだと思います。

そういった説明や給与明細を見るためのサイトへのアクセス方法を指導したりと理解を得ながら2年ほど前に完全に移行しました。

最後に

冒頭で「もしこれを読んでいるのが介護業界の方であれば参考に」と言いました。
しかし、DXって経営方針に近いものがあるので一介の介護職員が口を挟むのは正直難しいと思うんです。

ここで私の話をします。
ツイートとこの記事での追加のDXを含めて全部で10個説明しました。
このうち、
・電子化に伴い館内無線LAN化
・決済等も電子化
・議事録は音声文字起こし
・営業のチラシは全てpdf化
・名刺のpdf化
は私が提案したことです。
下の3つは部署内でしかやっていませんが、周囲の反応を見る限り法人全体に波及することは間違いありません。

一介の介護職員が口を挟むのは正直難しいかもしれません。
それでも、介護職であるあなたが必要だと思うなら、DXで良いケアをしたいと思うなら提案する声を挙げ続けなくてはいけないと思います。
一介の職員であっても働く環境を変えることはできます。