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Koki Nagakura / 泣かないで。

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Koki Nagakura / 泣かないで。

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20231016 / Uchronie

1. あとがきが終わり、次のまえがきへと連なる空白の根底にひそみ、沈み込んだ意識が放棄した僕の肉体は、停車中の列車の中で横たわり、無関心な喪失を静かに語り出した。 空っぽな意識の中で宙吊りになった僕自身は感覚というこの空間との交差において、頑なにこの肉体と手を繋ぎ、決して離れる様相を見せないでいる。 やがて動き出した列車は、住宅裏に連なった先で、多数の吊り革を従えて流動し、後方車両へ押し込まれた情熱は、息絶え絶えと呼気を鳴らしている。 流れる時間に囚われた僕は、少しず

    • 20220221 / knagportfolio

      使用技術Nuxt3 Typescript Firebase(Hosting, CloudFunctions) ポートフォリオとしての役割とSNSの役割を兼ねるため,各記事にはnoteを利用している.セクションはそれぞれnoteのマガジンに対応しており,リアルタイムにnoteのRSSから情報を取得している. noteのRSSはCORS対応されていないため,仲介サーバとして,FirebaseのCloudFunctionsを利用している. 参考

      • 20220111 / SwringRobotArm

        スワリングとは,ワイングラスを回し,液体を空気と触れ合わせること.香りを引き出し,味わいを引き立たせる効果があるとか.グラスの中の氷が音を鳴らして,液体ともに揺らぎ,光と作用する. ある機械にとっての,固有の時間. 2022

        • 20230108 / 白線から飛び出したときの胸の苦しさを,もう何年も感じていない気がする.

          それは,夜も更けた冬の,冷たく重い寒空の下で. 月明かりに見つめられながら僕は,誰が決めたわけでもないのに,落ちたら負けだと思いながら,ぼんやりと照らされた白線の上を辿った. 総じて,道は自分が行きたい場所には続いていないから,いっそ負けでもいいやって,線の上から飛び出したときの胸の苦しさを,もう何年も感じていない気がする. 帰るべき家は,途切れた白線の向こう側.いつかのように飛び出そうとしたその時,どこからともなく現れた幽霊が,僕の手をそっと引いた. どこか僕の姿に

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        • Note
          10本
        • Art / Product
          6本
        • Photograph
          5本

        記事

          20221127 / おはよう-おやすみ

          sequence process execute..."Hello, World-/-Good, night" input:>> import os>> import humanity>> import language.model as model>> humanity.init(model.ja)>> humanity.monologue.exe() output:突然息ができなくなって、視界が真っ暗になる。たまらずアスファルトの上に吐いたら、吐瀉物の液溜まりに幼虫が

          20221127 / おはよう-おやすみ

          +9

          20221118 / Tokyo Disney Sea

          20221118 / Tokyo Disney Sea

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          20220827 / 不埒な様相

          いつもより広くなった部屋の中から外の景色を拝めば、どっかの誰かとは相対的に、勇敢に見えた空が、蒸し暑いアスファルトの駐車場と対峙しているようだった。 身軽になったカーテンレールも。床に転がるエアコンのスイッチも。去るものを引き止めてくれなどはせず。 真っ黒になった換気扇と、うす暗い水場に別れを告げようとしたが、やけに荷物が重いのだ。 あなたは考えすぎだから、見えないものしか見えないの。 そんな声が聞こえた気がした。 鍵穴を回す音が気持ちよかった。そのまま勢いにまかせて、鍵

          20220827 / 不埒な様相

          20210810 / 静謐に咲いた子を食べる

          浮遊するアイデンティティ,肩書や病名に縋り付く緊急時代,意味の見いだせない自室の最果てに朽ちる死にたがりの花々を,それでも生きるために食べようと.駱駝を担い,獅子を超えて,幼子のように,淡々と. そんな身体の無意識に促されるままに,何かを成し遂げようとする能動性こそ,意味を持たない空間に意味を付与し、対象と存在者の関係を超えて、自分を自分たらしめる. 筑波大学制作展「緊急時代宣言」メディアアート2021 出展作品 企画・制作 Koki Nagakura 食用花 提供 

          20210810 / 静謐に咲いた子を食べる

          20220320 / レゾンデートル

          兵士の骸に咲いた花に、安寧の幻想を過剰摂取した少女が重なって。 被害者面をした悪意も今は遠い。赤色、赤色、赤色。 傍観するしかない世界に生きる人々さえ幻に見えて、自分の考えや表現が、この確かな現実に耐えうる自信がないから、半ば理不尽な八つ当たり。 あらゆる自分の行動に対して、存在理由の不在を憂いることもなく、虚無を感じることもなく、淡々と快楽に投じているだけの人間を嫌う。 生きることが簡単な国に生まれて、幸福という言葉も、快楽という言葉も、嫌悪と恐怖を伴う。 そうい

          20220320 / レゾンデートル

          +6

          20211201 / 日間賀島

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          20220212 / 忘却した畏怖

          自分をどう世界に開くかという不安.それはつまり,自分が何者かがわからないという問題に直面することで生じる不安でもある.他者との関係,あるいは間係の中にいる自分を俯瞰して,苦しみ,傷つき,それでもそれが現実であり,自分であり,人間であると開き直る自分に拒絶され,拒絶し,私は何かによって私を規定されることを拒絶する.私は私の私であり,誰かの私ではないし,何かの私ではない.私は私によって私を規定することを取り戻す.鏡の中の自分にお前は誰だと問えば,その中の私は答える.『私はわたし.

          20220212 / 忘却した畏怖

          20220212 / CLife.

          この記事は筑波大学の「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成」を目的とした科目である『enPiT』において一年間経験したアジャイル開発についてのものです. 反省の機とすると共に.得られた知見を今後チームで開発をすることになる誰かしらと共有すると共に.さらには,一年間仲間達と共に培った色とりどりの経験を,一年間開発をやりきった記念碑として供養することを目的として,ここに記します. CLifeのビジョンチームのことや,開発それ自体に関する悲喜こもごもについて話す前に,ま

          20220110 / Error.

          目を瞑って、もう二度とそれを開きたくない。 何もかもやめたいけど、いろんな期待と好意を投げ捨てるわけにはいかない。 殺してほしいって思うのは、生きなきゃいけない責任から逃れたいっていう弱い心の裏返し。 求めてばかりの自分に愛想が尽きて、これ以上求められないって思ったら、もうなにも見えなくなってしまった。真っ暗闇の中で彷徨う。 自分の身体の中の臓腑を想像すると、それがとても気持ちの悪いものに思えてきて、お腹を割いて、それらを全部きれいに取り除いたらすっきりするかな、とか