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20240520 / どうか祈りのように。

見放される不安を自覚して、まだ愛情に飢えていることを知った。未熟な精神がものを言うのか、幼少期の負債か。物語を読むのが好きな少年だった。授業中じゃ妄想に耽った。今じゃ望郷の念ですらそれに似た何かだ。不安の原因よりも、不安な今を忘れることができればなんでも良かった。

ここからいなくなりたいけれど、せめてそれが叶わないのなら、ただ、静かに眠りたい。
ただ、静かに眠りたい。

今こそ必要なんだ。今の自分を成す全ての過去の出来事を辿る、僕らのつじつまを合わせるための回顧の旅路を。どうか、祈りのように、反芻し、そしたらまた、一歩ずつ。


自己を確立するために他者が必要なことを知った。それが大人になると言うことだとは思わないが、なにか先に進むのに必要であることは確かだ。でも1人だった自分でも生きていけていたことを忘れるべきじゃない。「他人」という言葉は冷たいが、その冷たさは時に人を癒すんだ。

どこかへ行ってしまいたいけれど、せめてそれが叶わないのなら、ただ、家に帰りたい。
ただ、家に帰りたい。

今こそ必要なんだ。今の自分を成す全ての過去の出来事を辿る、僕らのつじつまを合わせるための回顧の旅路を。どうか、祈りのように、反芻し、そしたらまた、一歩ずつ。


毎日誰かが笑い、誰かが泣き、どうでもいい事に一喜一憂する人達がいて、自分だけが無価値で、世界を憎んで、人を憎んで、自分を憎んだ。いっそ消えてしまいたいと思った。僕が見ている世界に僕がいないように。君が見ている世界に君がいないように。そんな過酷な世界で、それでもここまで生きながらえたのなら。

失敗作と見放された君を、決して君は見放したりはしなかったんだ。

今こそ必要なんだ。今の君を成す全ての過去の矜持を辿る、僕らのつじつまを合わせるための宣誓の旅路を。どうか、祈りのように、反芻し、そしたらまた、一歩ずつ。