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【第四話】児相から一時保護の説明後、精神科に妻を強制入院させた話

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児童相談所に、子供を一時保護してもらった話

長男の一時保護について、児童相談所に行ってきた。

児童相談所は小高い山の上。
最寄り駅から歩いて行ったが、階段と坂だけしかない15分くらいの道のり。アクセスはイマイチだが、児童相談所は静かで日当たりの良い場所にあった。

少なくとも雰囲気は悪くない。
ひょっとすると息子はココにいる…?」と思うと、こんな状況の中で少し救いみたいなのを感じた。※児相の人には、息子さんはココにはいませんよと言われたが。

対応してくれた児相職員は2人。
1人は以前から家庭訪問などしてくれていたSさん。もう1人は、子供が一時保護になった場合に担当となるKさん。どちらも女性。

まず最初に、一時保護決定通知書という書類を受け取った。内容は、「あなたの子供を一時保護したよ、理由はこれだよ」という内容。

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▲一時保護決定通知書。※一部黒塗りにしてます。

書面には、保護に不服がある場合は東京都知事(各都道府県知事)に対して、審査請求や取り消しの訴えもできるよという話や、一時保護の期限は2ヶ月(手続きすれば延長可能)といったことも書かれていた。

僕は、今回の一時保護に不服はない。
警察の熱心な『説得』もあったが、自分の意志で預けたつもり。それに警察があそこまで言ってくれなかったら一時保護にできなかったのはあるだろう。こう言うのは適当かわからないが、警察には感謝している。

そういったこともあって異議を申し立てるつもりはない。

なお、異議を申し立てたとしても、おそらく審査にそれなりに時間はかかるので、結局は2ヶ月くらいは待つことになるんじゃなかろうか。そういう意味では別マガジン「精神科の閉鎖病棟に、妻を強制入院させた話」の中にも出てきた精神医療審査会の異議申し立てと同じ感じかな。

そんな書類を受け取って面談がスタートした。
この頃の妻は精神的に調子が非常に悪く、躁状態が強かった。それもあって支離滅裂な言動も多く、いつも感情がギリギリで、些細なことで激怒したり、といった状態だった。

面談が始まってから、妻はマシンガントークを開始。
まくしたてるように「私は国民栄誉賞をもらえます」「私は心理学や脳科学をマスターしたんです」「私はココシャネルの生まれ変わりで…」みたいなことを言い始め、当時の僕はとても焦った。

病的なことを言ってると、児相担当者の心証が悪くなるんじゃないか…下手すると長男が帰ってくる時期が延びるぞ…と。

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▲この時の妻は特に調子が悪かった。一方的にずっと喋る。

だから妻のマシンガントークを止めた。
今日は君の話だけをしに来たのではなく、長男の一時保護について話をしに来たんだよ」と。今となっては児相の人にありのままを見せるので良かったのかも…とも思うが、当時の僕は、調子の悪い妻を見るのがとにかく辛かったのだ。

児相の担当者は「いいんですよ、お母さんのお話聞きたいです。」とフォローしてくれたが、話を止められたことに妻は激怒、「私は必要ないですね、帰ります!!」と言って帰ってしまった。

頭を抱えた…何のために長男に辛い思いをさせてるのか。

僕が少しでも我慢すれば良かったんじゃないか、でも調子の悪い妻を四六時中見続けて、僕もどうにかなりそうだ…長男を預けた罪悪感、妻を何とかしないといけないという思い、自分の行動が間違っていたのかという後悔や疑念、色んな考えが僕を飲み込んでバラバラにしそうだった。

その後、妻抜きで面談を続行。
一時保護の制度についての解説、今後の流れなどの説明を受けた。また、新しく担当になったKさんは、以前は精神科の閉鎖病棟に勤めていたそうで、「奥さんは何らかの治療を受けた方が良いと思う」「町のクリニックレベルだと手に負えないから、大きい病院の方がいい」とも言われた。

この時の僕は迷っていた。
妻の調子はどんどん悪くなっている。しかし、本人は病気じゃないと言っているし、入院や服薬は拒否してるから、めちゃくちゃハードルが高い…

長男が保護された際、妻は警察と「カウンセリングを受ける」という約束をしており、約束通りメンタルクリニックを自分で探し、通いはじめていた。

しかし、妻の通っているメンタルクリニックに同行した僕は、「今の状況に対して、このクリニックは何の役にも立たない」と悟った。

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▲妻の症状は重く、しっかりした治療が必要だった。

院長が漫画をたくさん出してるYメンタルクリニックは、超効率重視。診察は5分で強制終了、カウンセリングで話を聞いてくれるが、治療にはならない。だから妻の状態を何とかしてくれるとは思えなかった。

そのようなことを考えながら話をし、その日は解散。
その後、面談を受けた週末に僕は妻を精神科の閉鎖病棟に強制入院させた。
※妻を強制入院させた話は、「強制入院1日目:精神科に医療保護入院させた当日の話」にて書いているので、ご覧ください。

長男が帰ってこれる日はまだ遠い。
でも強制入院させたことで、物事は前進したぞ。待っててね。

つづく。

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