kandakko

TOKYO EAST在住、還暦まであと2年の58歳。うっすら子育てひと段落のゴールも見…

kandakko

TOKYO EAST在住、還暦まであと2年の58歳。うっすら子育てひと段落のゴールも見えて来て?!あともうひと踏ん張り。仕事と家事とでバタバタ毎日ではありますが読書、旅行、芸術、ファッション、江戸や祭りの研究と趣味多し。

最近の記事

青紅葉眩しい京都2泊3日ひとり旅→その5・真如堂/吉田山緑地/法然院/阿闍梨餅

    • 青紅葉眩しい京都ひとり旅→その4・プリンのかき氷/哲学の道/笹舟おじさん

      • 青紅葉眩しい京都へ→2泊3日ひとり旅 その3・南禅寺

        • 青紅葉眩しい京都へ→2泊3日ひとり旅 その2・嵐山/京都市役所/伝統工芸館/いちごのお店

        青紅葉眩しい京都2泊3日ひとり旅→その5・真如堂/吉田山緑地/法然院/阿闍梨餅

        • 青紅葉眩しい京都ひとり旅→その4・プリンのかき氷/哲学の道/笹舟おじさん

        • 青紅葉眩しい京都へ→2泊3日ひとり旅 その3・南禅寺

        • 青紅葉眩しい京都へ→2泊3日ひとり旅 その2・嵐山/京都市役所/伝統工芸館/いちごのお店

          青紅葉が眩しい京都へ→2泊3日ひとり旅 その1・瑠璃光院/三十三間堂/清水寺

          青紅葉が眩しい京都へ→2泊3日ひとり旅 その1・瑠璃光院/三十三間堂/清水寺

          係長のレジ袋

          係長が席を離れて廊下の片隅でスマホを真剣に見ていることが多くなった。最初はなんだろうと不思議だったけど、そのうちにもしかしたらパパ活?!なんて思うようになったり。それと同時に、午前や午後休も多くなり。そうして、夏の終わりの残暑が残る日々が過ぎてゆくある日、都心にもけっこう大きな台風が襲来。住宅の管理をしている職場としては、住宅に住む住民から雨漏りがしたとか、停電になったとか電話がバンバンかかって来るので事務係はその対応、技術係は実際に現地に行って様子を見たり通常の業務がほと

          係長のレジ袋

          5月の空に差す 6

          妹の舞に、お兄ちゃんお神輿担ぐの?と聞かれた。 前に祭りに行ってた頃に、父さんに見てみな、と言われて父さんの目の先を見てみたらガタイのいいふんどしお兄さんの肩がこんもりと盛り上がっていてラクダのこぶのようになっていた。 びっくりして父さんにどうしたんだろう?と聞いたら神輿を担いで出来たこぶだと聞いて驚いて、子ども心に『絶対、神輿なんて担ぎたくない』って思ったのを覚えてる。聞いたところによると、祭り好きは一年中こぶがあるから普通のスーツが着られなくてオーダーするしかないらしいけ

          5月の空に差す 6

          五月の空に差す 5

          そして、丸木さんに話を聞きに行く日が来た。場所は丸木さんの事務所、と言っても自宅の中のちょっとしたスペースだけど。涼と2人、最低でも2時間はかかることを覚悟して。 「ハレとケって言葉を聞いたことあるかい?江戸時代、普段の日常を『ケ』、非日常を『ハレ』と言ったんだけどそれともうひとつ『ケ』は日常に人間が生きていくエネルギーという意味でもあり、悩んだり病気をしたりすると『ケ』が枯れる、つまり『穢れ』になると言われてたんだよ。その『ケ』をまた充満させるために、普段の生活と違う『ハ

          五月の空に差す 5

          五月の空に差す 4

          翌日、学校で休み時間に友達のリョウと遊んだ。リョウは柏原涼、って爽やかすぎるかっこいい名前。みこし太郎とは大違い。かっこいいのは名前だけじゃなく、住んでいる場所もうちとは神田川が流れる昌平橋を挟んで、涼の方は元々の武家屋敷エリア、僕の方は町人エリア。こちらの方が微妙に土地が低くなっていて、江戸時代に鉄砲水が出た時も武家屋敷エリアは無事だけどこちらは水浸しになってしまっても仕方ない、ってエリア。なんだかなぁ、って感じだけどそのかつての武家屋敷エリアに数年前に建った高級マンション

          五月の空に差す 4

          五月の空に差す 3

          「婦人部の集まりはどうだった?」 と父さんが母さんに聞く。 「相変わらず、お弁当を何にするかで盛り上がってた」 と母さん。 毎回、祭りには大量のお弁当の用意が必要になる。少子化、高齢化で地元の人だけではお神輿が担げないので、地元にある会社の人や、祭りが大好きで遠くからわざわざやって来る担ぎ手の人(と言っても、誰でもかんでもという訳ではなく地元の人からの紹介が必要)、担ぐだけではなく、お神輿の渡御には欠かせないお囃子の人、御酒所や神輿の組み立てをやってくれる鳶かしら、挨拶に来る

          五月の空に差す 3

          五月の空に差す 2

          家に帰ったらハンバーグのいい匂いがして、妹の舞ばなんか嬉しそうにはしゃいでる。舞は小4、言い忘れてたけど僕は中2、名前のコシタロウは輿太郎と書く。名前自体には意味がない。苗字と一緒になって初めて由来がわかる。苗字が五神だから五神輿太郎で、ごのかみこしたろう『みこし』ってこと。妹の舞は手古舞から。舞はまだいい、わりと聞く名前だし、名前を告げたところでその由来を聞かれることもまずない。自分は名前の響きからしてイケてないし、字を見ればほとんどの人が祭りを連想するだろう。 「この町は

          五月の空に差す 2

          五月の空に差す

          近江屋洋菓子店の前を通ったら、大きなガラス戸の入り口に雷の形の紙垂が飾られていた。そういえば、町のあちこちに白くひらひらしている。洗濯した直後の白シャツみたいに真っ白な紙垂効果で、いつもの町が浄化され引き締まって見えて、ああ、祭りが近いんだなぁと感じる。 祭りを迎える時っていうのは、何度やっていてもものすごいワクワクする気持ちらしい、祭り好きな人にとっては、例えば僕の父さん。昨日の夜も祭りの打ち合わせと言って出かけた。けど、打ち合わせ、っていうのがもう嘘くさい。僕から見ると父

          五月の空に差す