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人生でほんとうに大切なことを読んで


人は、

明日や明後日という未来が

当たり前のようにやって来ると思って過ごしている。


だからこそ、

人生の終わり(=死)について深く考えることもなく

日々をぼんやりと生きてしまいがちだと思う。


だが、

人生のタイムリミットをリアルに突きつけられたのなら

自分にとっての優先順位を考えるとともに、

これまで蓋をしてきた人生の課題(=死と向き合う)について

半ば強制的に気付かされることになる。


そして、その課題と向き合うことで、

残りの時間の使い方も変わってくるし、

これまで当たり前だと思っていたことが

当たり前ではなかったことに気付かされる。




これらの内容は、

「人生でほんとうに大切なこと

 がん専門の精神科医・清水研と患者たちの対話」

の冒頭部分に書かれているものだ。



今の自分は

納得いく人生を送ることが出来ていない。


そう思う人はとても多いだろうし

かくいう自分もそのように強く感じている1人だ。


気づけば劣等感ばかり感じてしまっていて

自分で自分のことを良いと思うことができず、

自信を持つことも出来ないと思ってしまっている。


他人に馬鹿にされたくない

だからこそ

優れていると思いたい


そう思えなければ

自分で自分自身を肯定することは難しいしできない。

そんな風に感じている。



もしも、

こんなことを本書に出てくる精神腫瘍科医の

清水先生に話したとしたら、

おそらくこのような言葉が返ってくるだろう



「あなたはご自身のことを、他人よりも劣っていると感じ、

 自信を持つことができなくて辛いと思われているのですね。」



自分の抱えている思いを言葉にして返してもらい、

その上で、自分は本当にそのように考えなければならないのだろうか

と考え始めることになるきっかけを与えてくれるのだと思う。


そして、

そこから自分のこれまでの人生を振り返り、

そのように考えることに至った自分自身の経緯を辿っていく。


そして、これまでの自分の人生を知った上で、

どのようにこれまでの事実を捉えていくかを

考えていくことになるのだと思う。



誰もが事実は変えられないが、

思っていること、考えていることは

変えていくことができる。


そして、考え方を変えるだけで、

人生は大きく変えることだってできる。


そのことを

本書に登場する7人の方々と清水先生の対話を通して

強く感じさせられた。




本書の中で、

清水先生は自身の死生観について

以下のように語っている。

「死を意識するからこそ、いかに生きるかということを、より人間は真剣に考えるようになります。だから、生きるということと死ぬということは表裏一体なんだ、という考え方です。」


自分の人生を大切に生きていきたいのならば

死を意識するということは何よりも大事なのだと

本書を読んで改めて思う。



生きるということは死ぬことでもあり、

表裏一体のものである。


明日が必ずくるわけではない

という意識があるからこそ

今この瞬間を大切にしなければならないのだと思える。


人生の終わりは誰にでも必ず訪れるものであり

自分の人生を前向きに生きていくためにこそ

そのことを忘れないように日々を大切に過ごしていく。


その気持ちを持つことができれば

今、自分が過ごしている毎日の時間を

無駄だったなどと感じることももったいないと思えるはずだ。


効率やコスパの良し悪しといったものを基準に

良し悪しを評価するのではなく、


自分が今という瞬間をどれだけ幸せだと感じているか

楽しいと思えているか


そのことを大切にしていきたいと思った。


そう思わされる一冊でした。




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