妹を看取った時のこと⑥:妹の友達への経過報告

*2021/10/30作成
**ガンとか生き死にの話が出てきます

本来、緩和ケア病棟は、患者の身体・精神両面の苦痛を和らげることを目的としているので。
誰でもいつでも病室を訪れることができるのが基本なのですが。
今回はコロナ対策として、「面会できるのは患者の直接の家族の2人のみ、面会時間は1日30分まで」という制約がありました。
コロナとかその他の感染症がある以上、残酷だけども、こういうやり方がこれからの緩和ケアの標準になるのだと思います。

妹の立場に立てば、人生の最後になるかもしれない時になんてツライことだろうと思いましたが。
もう一つかわいそうだったのが、病棟に入れない、妹の友達や会社の同僚の方々でした。
中には、「○○ちゃん(=妹の名前)とkamo-taka兄とは腹違いの妹ってウソついて、中に入られへんかなあ?」と真剣に相談してくる子もいました。

ちなみにぼく自身については、妹の身の周りの世話的な仕事をした後、彼女の手を握ってしゃべれる時間は10分くらいしか残らず、毎回すごく悔しく思っていました。
とはいえ、ぼくみたいに会社勤めをしていない人間が、ずっと妹のそばにいたとしたら・・。
それはそれでぼくは自分を失って、壊れていたかもしれません。
なんとも言えない気分です。

・・というわけで、妹の友達の3つのグループに向けて。
1ヵ月半の間、それぞれに週に1度くらいのペースで、LINEやメールで妹の様子を報告しました。

元の世界に戻れないと自覚しだすと、大好きな戻りたい世界の人たちと関わることが、妹にとってはツラくなってきて。
LINEに返事することができなくなってしまっていた・・という状況だったので。
彼女たちへの報告メールに、どんな内容の話をどんなレベルで書くか、悩みましたが。

だんだん悪くなっているという事実を淡々と書き連ねながら。
自分の家族に話すように、ぼくの主観的な感覚的な表現も、あえて報告に加えました。
彼女たちが心から妹のことを心配してくれていることがわかったので。
もう、ぼくから見ても身内の扱いでいいやろ・・と思ってたので。

ぼくはそんな彼女らを代表して妹の顔を見ているので。
多少生々しくても、妹の様子もぼくの感情も含めて、彼女たちが病室にいるみたいにリアルに伝えることにしました。

週に1度の報告メールを書くのに、めちゃめちゃエネルギーと時間を使いました。
ぼくの琴線を文字にする作業なので、最も伝えたい部分ほど、感極まって泣いてしまう、ということを繰り返していたので。
まあでも今思えば、この作業はぼくの心の中のものを吐き出して解毒する、という重要な役割も担ってました。

その甲斐あって、全員が全員ではないかもですが。
お式の場では予想外に、友達たちから感謝の言葉をもらいました。
妹とその友達たちの間をつなぐことができた気がして、とてもよかったと思ってます。

元々、ぼくは株トレである程度のおカネができたら、残りの人生をかけてブログを書いてみたいと思ってまして。
今回はその道の途中で、文章で感情や感性を伝えることの素晴らしさとか書き方を学べました。
妹からは今回、たくさんのものをもらいましたが、報告メールに関わる経験もそのうちの大事な一つになりました。

ではまた。

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