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ナイキとかけてりゅうちぇると解く

世の中、相変わらずスニーカーが流行っているようで、一部の賢くおバカな方々は、投資対象として「レアもの」スニーカーを保有しているそうです。すごい時代ですね。

かく言う私もスニーカーは大好きで、90年代はスニーカーを売るほど持っていましたし、実際に売っていました。正確には仕入れる側だったのですが、デッドストックと呼ばれる絶版スニーカーを探しに、危険な香りと視線がたっぷりなブロンクス(ニューヨーク)の奥地に足を踏み入れることもありました。

時には見つけた宝の山(スニーカー)を奪われ、時には買い付け用の現金を奪われと、スリリングな経験もしましたが、お宝スニーカー探しで全米を巡る旅は、今では青春の1ページとなる良い思い出です。

当時は現在のようにファッション・アイテムとしてスニーカーを売っている店自体が少なく、当然商品の種類も今ほどありませんでした。思えば90年代はスニーカーが飽和する前のちょうどいい時代でした。現在も復刻されている数々の名作スニーカーが生み出された「スニーカー黎明期」とも言えるかもしれません。



さて、多くのスニーカー好きがそうであるように、私もNIKEが大好きです。

adidas、New Barance、Reebokも好きなのですが、やっぱりスニーカーの世界ではNIKEが王様です。

機能的にもデザイン的にも数々の革命を起こし続けるNIKE。古き良きスニーカーの味わいを守りつつ、時代に合わせて常に新しい試みに挑戦し続ける。カッコよく言うとNIKEはそんなブランドです。

しかし、王様であるNIKEもたまにやらかします。挑戦し過ぎ、あるいはその逆で新作モデルを完全に外してしまう事があります。デザイン的な失敗です。

そういった意味で、去年から今年にかけては残念ながら完全に「NIKE不作の年」となってしまいました。百聞は一見にしかず。文字で説明するよりも見てもらった方が早いでしょう。こんな感じです。



いかがでしょうか?

もう完全にやっちゃってます。これらのモデルは当然セールで投げ売りされているのですが、私はこれら「やっちまったNIKE」を見てすぐさまある人物を思い出したのです。

そう、「りゅうちぇる」です。

「りゅうちぇる」と文字で書くことに若干ためらいを感じましたが、それはまあいいでしょう。最近あまり見なくなった気がするあのタレントです。私としては、この「やっちまったNIKE」から何となく「りゅうちぇる」の匂いを感じた訳です。

では、「りゅうちぇる」の匂いとは何なのでしょうか?

私の辿り着いた答えは2つ。一つはクレイジー・ファンシーなカラーリングとでも呼べばいいのでしょうか。派手目で大量生産品としてはあり得ない色の組み合わせです。そしてもう一つは支離滅裂な形状デザイン。色々と考えて考えて考えた結果、メチャクチャになってしまったという仕上がり。

私はこの2つの要素の組み合わせが「りゅうちぇる臭」の原因と断定しました。しかし、このNIKEのいささかおバカなアプローチ。実は今に始まった事ではないのです。

NIKEは既に80年代後半から、あり得ないカラーリングやぶっ飛んだ形状のスニーカーを定期的に発売しています。売れ残ってしまい、店内ワゴンやアウトレット直行になるスニーカーが出てもNIKEは気にしません。次から次へと「やっちまったNIKE」の量産を続けています。

なぜNIKEはそんな事を続けているのか?

ここからは勝手な想像ですが、恐らく王者NIKEの遊びであり主張なんですね。がちがちに計算してデザインされた、お利口なスニーカーばかりじゃつまんねーだろ〜と。例え競技用であっても、スニーカーはもうファッションの一部なんだから、もっと遊ぼーぜと。

遊びでデザインしたスニーカーを実際に製品化して次々と売り出っしゃうあたりがNIKEの凄いところで、そこが王者たる所以(ゆえん)なんだよなと思ったりします。

で、たまに、一歩間違えばやっちまったシリーズだったモノから、思いがけないヒット商品が出たりして、新たなスニーカーのジャンルを開拓していくという訳なのです。



緻密なマーケティングや市場分析を行う一方で、それらを無視した遊びやハズしの重要性もちゃ〜んと分かってる。結局、そこがNIKEの凄いところですね。

最近はスポーツ用以外にしばらくスニーカーを買ってませんが、買うならやっぱりNIKEかなと思います。でも「やっちまったNIKE」は遠慮しとこ。

ということで、最後になりますが、NIKEとかけてりゅうちぇると解きます。その心は、

キモがられても止めません



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