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エッセイ集

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小説以外で書いた覚書などを掲載します。
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2014年10月の記事一覧

ありがとう

 ネタ切れなので、引用文を使わせて頂きます。
 森沢明夫さんの「癒し屋キリコの約束」からの引用です。

「ありがとうって言葉はさ、表の意味では感謝を表してるけど、うら側のもっと本質的な部分には、さらに大きな意味があるんだよ」
「え、どんな?」
「わたしは、わたしの過去を受け入れました。そういう意味」
「ってことは……」
 わたしはもう自分の過去を受け入れました。だからもう大丈夫ですって、夫に宣言さ

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放射

 先日、寒くなってきたなぁと思って、何気なく朝の天気予報を見ていたら、放射冷却という言葉が耳に入ってきた。雲ひとつ無い天気がいい冬の日に起きる、朝方気温が下がる現象のことだ。

 冬になると空気が澄んでくる。一昨日も奥多摩へ向かう電車から雪化粧した富士山がきれいに見えた。朝通勤する列車から富士山が見え出すともう冬はそこまで来ていると感じてしまう。

 空気が澄んで、雲ひとつ無い星空を仰げる夜空だと

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体の芯まで温まる

 朝、ジョギングしていても、あまり汗をかかない季節になってきた。夏場だと、どんなに朝早く走っても、着ている服が汗でびしょびしょになる。そして、走る前と走った後で、体重を測ると1kg近く落ちている。体重が落ちたふうに感じるが、実際は水分が抜けただけで、体重が減っているわけではない。

 効率良く脂肪を燃焼させ、痩せるためには、適度な汗をかく必要があるのだろうが、大量に汗をかく必要はないとも思う。

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蔵開き

蔵開き

 先週の土曜日、10月25日に奥多摩に紅葉の写真を撮りにいったのだが、この日は、「澤ノ井」という日本酒の酒蔵である小澤酒造の蔵開きの日でもあった。

 小澤酒造は、JR青梅線の澤ノ井駅前にある。青梅駅から発車する電車の中は、通勤ラッシュとまではいかないものの、人と人の肩が触れ合うほどの混みようで、身動きできない車中から、普段は、それほど人影がない澤ノ井の駅に大勢の人が降り、酒蔵へと消えていった。

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伝えるということ

 Mayumi 富節句さんのnoteで、承認欲求という「誰かから認められたい」という後天的な欲求があることを知った。僕の場合、誰かに認めてもらいたいという欲求は、あまり強くないかもしれない。それよりも、自分が知っていることで人に役立つだろうと思えることは、積極的に伝えたいという思いの方が強い。伝えたい事柄が重要であって、伝える自分がどう思われようとあまり感心がないのだと思う。

 学生の頃、アルバ

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書くということ

書くということ

 小説家の姫野カオルコさんが、トーキング松尾堂の中で、「書くこと以外で、人並みに出来ることがない」みたいな発言をされていた。だから小説家しかできないと。

 姫野さんのように才能がないので、小説家にはなれなかったが、僕も、喋るよりも書く方がいいタイプの人間だ。こう書くと小説家を目指したことがあるようなふうに思われるかもしれないが、子どもの頃、なれたらいいなぁと思ったことはあったが、目指したことは一

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2冊目の週刊誌と風評被害

2冊目の週刊誌と風評被害

早野龍五・糸井重里著『知ろうとすること』(新潮文庫)の本の中で、糸井さんが、売り場に積み上げて置かれている週刊誌を買うときに、上から2冊目の週刊誌をなぜか取ってしまうことと、風評被害を受け入れてしまう行為が似ていると仰っていて、なるほどなぁと思ってしまった。

 一番上にある週刊誌が特に汚れているわけでもないのに、なぜか2冊目の週刊誌を取ってしまう。それは、おそらく、何人もの知らない人が触っている

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星のかけら

星のかけら

 早野龍五・糸井重里著『知ろうとすること』(新潮文庫)を読んでいて、けっこう感銘を受けたところがあったので、その部分をご紹介します。文章自体は、書き直しているので、そのままの引用ではありませんが、趣旨はそのままです。

 138億年前、ビッグバンで宇宙が誕生しました。まず、最初に出来たのが陽子で、その次に電子がくっついて水素の原子ができあがります。

 次に星ができて、その中で水素どうしが化学反応

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電車の中で本を読むということ

電車の中で本を読むということ

 休日を除いて毎日のように、noteに文章を書いていると、ネタが切れそうになって焦ることが多い。

 ネタは、今まで経験したきた体験談が元になってたりする。
が、しかし、自分の体験談で、面白い話に繋がるようなものはそれほどあるはずがないので、あっという間にネタが尽きてしまう。

 そうなると、なにか行動し、その中からネタを探さなければならない。休日写真を撮りに出ることが多くなったのはそのためだ。こ

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バーチャルウォーター

バーチャルウォーター

 昨日の新聞で、餃子の王将が、『お客さまの「おいしい」という、安心のために』というフレーズで、餃子に使用している素材を全て日本産に切り替えると一面広告をうっていた。すでにほとんどの素材を日本で調達していて、生姜と皮に使用される小麦粉だけが輸入だったそうだ。そして、今回生姜と小麦粉も国産にするという。

 この動き、他のチェーン店でも試みられている。確かリンガーハットも目指していたと思う。考えてみれ

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水の恐ろしさ

水の恐ろしさ

 9月27日の御嶽山の噴火は、衝撃的でした。御嶽山の頂上で数十人の方々が瞬時に命を奪われました。ご冥福をお祈りします。新聞記事によれば噴火して5秒もしないうちに被害に遭われ亡くなられた方がいらっしゃったそうです。

 何の兆候もない穏やかな昼下がりの山頂に突然出現した噴火は、水蒸気爆発によるものでした。

 ちょうど、それよりも一週間前、テレビで火山のことを伝える番組があり、岩盤に含まれた水が火山

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大学時代の思い出(20)

大学時代の思い出(20)

 車を壊してしまい、ローンだけ残った状態で次の車を買うことは不可能だと思っていた。

 ところが、バイト先のガソリンスタンドの常連さんでホンダ自動車販売店の店長さんが名義書換料さえ、払えば車を譲ってもいいと言ってくれた。ガソリンスタンドのすぐ近くにあるホンダの販売店は、新車が売れると、バイト先のガソリンスタンドで10リッターだけガソリンをつめて、お客さんに車を渡す。ガソリンを入れにくる度に会うので

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大学時代の思い出(19)

大学時代の思い出(19)

 大学時代に車を3台乗り換えている。2台目のランサーは、金額が30万以上したため、寮時代の友達と二人で共同購入した。ところが、この車を僕がひっくり返してしまい廃車にしてしまった。最終的に、支払いは全て自分が受け持つことになってしまった。今回はその時の話。

 自動車部の練習といっても、ほとんどが山の中にある舗装されていない林道を走ることなんだが、当然対向車が来る確率が低い、夜中に走ることになる。

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大学時代の思い出(18)

大学時代の思い出(18)

 何度目かの水窪ダムでの練習で、お前も走ってみろと言われた。スタートと直後にギアをセカンドに入れ、後は、アクセルをベタ踏みにして走る。1000CCカーという非力な車なため、アクセルコントロールするほど馬力がない。そのままドリフトを繰り返してゴールにたどり着いた。非力な車なのに、なぜか、その時走った同じ2年生の中で2番目のタイムだった。

 間借りに帰って、Tの部屋で飲み会になった。練習の話で盛り上

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