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深夜アニメオールタイムベスト70


好きな小説のオールタイムベスト100はすでにやったので、今度はアニメでやりたいな~~とずっと思っていました。リストは数か月前に作り終えていましたが、せっかくnoteに投稿するなら一言ずつコメントを添えたい……!でもめんどくせぇ……!!という葛藤にようやく打ち勝って、いま記事を書き始めています。がんばります。



ちゅうい

・他人へのおすすめランキングではなく、あくまでわたしが個人的に好きで、かつ「自分はこれが好きだ!」と積極的に公言したいアニメのランキングです。知り合いに見せるとみんな口をそろえて「すげぇお前らしい偏ったラインナップだね」と言います。「上位の観たけどつまんなかった!」とか「○○がないやん!にわか乙」とか言わないでね☆
「○○が上位なのになぜ△△が入ってないのだろう」という有識者のご意見に関しましては、おそらくまだ観てないだけです。


・いわゆる「深夜アニメ」のみのランキングです。『花とアリス殺人事件』などのアニメ映画や、『イナズマイレブン』『プリパラ』などの子供向けの非-深夜アニメはいくら好きでも対象外です。といっても、深夜アニメの厳密な定義を知らないのでガバガバかもしれません。


・なぜ100でも50でもなくベスト70なのかというと、それが挙げられる限界だったからです。そんなに好きじゃない作品も含めれば100は超えるでしょうけど、それじゃあオールタイムベストの意味がないですからね。
といっても、70~40位あたりの作品も正直大好きといえるかは微妙です。ほとんど内容を忘れているものも多いです。それでもオールタイムベストにいれて紹介したい!という謎の意志がはたらいております。


・2期, 3期などの続編があるものは、観たところまでの総合で判断しています。アニメ映画は除くと書きましたが、劇場版による続編があって鑑賞済みの場合は、映画もやや込みで考えています。


dアニメストアのリンクを貼りますが、配信されていない場合はAmazon Prime Videoのリンクで代替しました。


・最終的に3万字を越えました。クソ長いです。覚悟してください。
それから、好きなOPの動画とかをたくさん貼ってるのでクソ重いです。覚悟してください。





それでは70位からどうぞ!!!!!!!







70位「グラスリップ」 2014年

・・・はい、いきなりの問題作です。こういうランキングの最初=最下位ってそんなに好きじゃないのに記事上ではいちばん目立ってしまう難しいポジションなので、何を置こうか悩みに悩んだ結果、本作が適任だという結論になりました。このために観たといっても過言ではない(過言)

こちら↑で視聴時の詳しい感想などを書きましたが、端的に言っておもしろくはないです。それも、そこらへんの普通のアニメの「おもしろくない」ではなく別次元の「何か」を味わえます。ただ、エンタメとしてのパッケージングに失敗している(というか成功しようという姿勢が全く感じられない)だけで、駄作ではなく根気強く向き合っていけば傑作に変貌するらしいです。問題は、根気強く向き合うだけのモチベを持つことがめちゃくちゃ困難なことなんですが……。観ずに「クソアニメ」とか言うのはやめましょう。

青春恋愛群像モノが大大大好きなので、のちの伏線?としてもここに置いておきます。あと背景美術がめっちゃ良いです。福井に聖地巡礼いきたい。






69位「終末のイゼッタ」 2016年

まずわたしはバトルもの・戦争モノが好きではなく、それに加えてファンタジーも得意ではないのですが、そんな2重3重のデバフを乗り越えて、フィーネとイゼッタの姫×従者-百合の一点張りでランクインしました。どのように尊かったのかはよく覚えていません。深夜アニメをニコ動でリアタイし始めたころに観た作品で、「あら^~」とコメントしてたような気がします。

「あば^~」「デュワ^~」とかの派生形がめっちゃまとめられててワロタ





68位「プリンセス・プリンシパル」 2017年

ついこないだ観ました。とても上質な百合アニメという評判は前々から聞いていましたが、逆張りが発動して、なぜ自分はアンジェとプリンセスのCPを受け入れられないかについての長文お気持ち文章を知人に送りつけました。その節はごめんなさい。

しかし冷静になって振り返ると、全体的には美少女萌えアニメとロンドンのスパイアクションものをよく融和させたウェルメイドな作品だったことは確かだな~と思ったのでランクイン。10話は泣きました。ドロシーが好きです。劇場版は観ていません。




67位「ゾンビランドサガ」 1-2期 2018,2021年

(2期のdアニ配信ないんか・・・)

本作、というか本シリーズをこの順位に置くのは非常に心苦しいです。というのも、2018年に観た1期はそのクールでのベスト作品に選ぶほど好きだったのに、最近やった続編の2期はぜんぜん楽しめなかったからです。毎話観るごとに、あんなに好きだったゾンサガを、フランシュシュをどんどん嫌いになっていくのが悲しかったです。ということで、1期だけなら30位台なのですが、平均をとってここに入れました。

正直、1期と2期でそんなに作品の方向性が変わったようには思えません。3年間で変わってしまったのはそれを観ているわたしのほうです。このような王道アイドルもの(ゾンビだけど)を素直に絶賛できる感性がなくなってしまいました。いま1期を観たらどうなのかが気になりますが、怖いしモチベが死んでるので無理そうです(ゾンビだけに)。

たえちゃんが好きです。ステージ上で一人だけ全然振り付けがあっていないたえちゃんを見るたびに救われます。たえちゃんしか勝たん。




66位「ひとりぼっちの○○生活」 2019年

同じ原作者(カツヲさん)の「三ツ星カラーズ」が大好きで、その流れでこちらも楽しくニコ動で観ていました。本庄アルさん(CV. 鬼頭明里)の印象が強いですが、内容はよく覚えていません。
オープニングがめちゃくちゃ名曲。約束のびーずぃーえむ すき。フルver. のCメロ泣ける




65位「えんどろ~!」 2019年

異世界で勇者と仲間たちと魔王(全員美少女)がわちゃわちゃする日常もの

異世界ファンタジーが苦手なハズですが、こちらはきらら系として普通に面白かったです。これもOPすごくすき




64位「放課後さいころ倶楽部」 2019年

京都市街が舞台の美少女×ボドゲもの。

なんて言うんでしょう、大傑作ではないけれど、1クールに1つこういう作品がいてくれるとすごくありがたい、と言いたくなる良作でした。1つと言わずなんぼあってもいいです




63位「PSYCHO-PASS」 2012年

1期しかみていません。

SFもサスペンスも苦手なのに当時の自分よく見れたな……と思います。連続殺人事件の死体の描写がめちゃくちゃ怖くて、夜中に眠れなくなったのを覚えています。それも含めて思い出深いアニメです。





62位「ストライクウィッチーズ」 1-2期 2007, 2010年

2期までと劇場版をニコ生一挙放送でみて、たしかブレイブウィッチーズもみた気がします。・・・が! 3期(ROAD to BERLIN)は未見です・・・めっちゃ評判いいので早くみなきゃ・・・

キャラはもちろんエイラが好きです。1期2期のエイラーニャ回はOrangestarファンとしても見逃せません。(「夜間哨戒」「アスノヨゾラ哨戒班」の元ネタ)

(というか「午前四時半」の投稿文にある「第107津田沼統合戦闘航空団夜間哨戒班」自体が第501統合戦闘航空団のオマージュです。)




61位「日常」 2011年

ニコ生一挙で観ました。作画すごいしめっちゃ笑った気がするけどよく覚えていません。はかせかわいい。感動回で号泣した覚えだけある




60位「未確認で進行形」 2014年

みでしは自分にとってかなり特別な作品です。というのも、これまでで唯一、声優コンテンツとしてドハマりしたアニメ作品だからです。メイン3名の声優さんが出演するニコ生番組「~夜までみんなでぐッ!~」がめちゃくちゃ面白く、そこで吉田有里さんのファンになりました。あの番組には人生で大切なすべてのことが詰まっていると思います。

それがきっかけでアニメを見るという倒錯的な流れでした。正直なところ、アニメ本編はめちゃくちゃ好きというわけではないです(動画工房の作画は素晴らしいですが)。ただ、声優に思い入れがありすぎてこの順位です。2期をもっとも切望しているアニメの1つなのですが、理由が理由なので後ろめたく、あまり大きな声では言えません。

ボカロPのJunkyさんによる楽曲群はキャラソン含めてどれも超名曲です。こちら↑のPVはOPでもEDでもないのに1つのアニメーション作品として完成度が高すぎます。

全世界のましろファン&吉田有里ファンは2÷す氏のこの音MADを聞いてほしい




59位「ダーリン・イン・ザ・フランキス」 2018年

『グレンラガン』も『キルラキル』も1話で挫折するほどTRIGGER作品が苦手であり、SF×ロボットモノも苦手中の苦手です。わたしは本作を昔馴染みの少年少女たちの恋愛群像劇としてしか観ていません。14話のイチゴの告白シーンがあらゆる観点から完璧すぎて(脳内の5名の審査員が「100」と書かれたフリップを順に掲げていきました)、アニメにおけるヒロインの告白シーンとして私のなかで未だに伝説になっています。ほとんどそこだけで評価しています。ゼロツーにはまったく惹かれません。というかここだけの話、多分最後まで観てすらいません。それでも絶対にオールタイムベストに入れたいほどにあの回は好きです。






58位「アイドルマスターシンデレラガールズ」 2015年

ほんの一時期デレマスPだったこともあり、やはり本作は外せません。既にキャラクターに思い入れがある状態で観たのでズルいといえばズルいのですが、たくさん感動して泣きました。特に終盤のくだりは、アニメでここまで鬱患者を刻銘に描くのか……と衝撃を受けました。それがなければありふれたアイドルアニメだったかもしれません。





57位「星合の空」 2019年

問題作です。等身大の男子中学生たちの爽やか熱血テニスものかと思いきや、絵に描いたような家庭内虐待・親子問題を抱えている子ばかりの陰鬱でセンセーショナルなドラマが重なっており、どう観たらいいのか呆然とするアニメです。最終話とかめちゃくちゃビビりました。

ですがわたしが本作を偏愛せざるを得ないのは、高クオリティなスポーツ作画と「青春」を体現したかのような屋外の明るい美術・色彩設計がたまらなく好きだからです。OPも良いですが、EDのダンスがめっちゃすき。会長さんかわいい



56位「メイドインアビス」 2017年

原作の重厚な世界描写を損なうことなくアニメに昇華できている時点で超絶傑作です。漫画でもキツいのに音声や映像が付いて観るとさらにヒエ〜〜ッてなるシーンがたくさんありました。マルルクちゃんが好きですがまだ劇場版みてません・・・




55位「多田くんは恋をしない」 2018年

お手本のような王道ラブコメもので大好きです。いかにも漫画原作っぽくて実はオリジナルアニメだというのも高評価ポイントです。『さよ朝』マキア役だった石見さんが演じられているテレサちゃんはかわいいし、宮野真守はめっちゃ良い奴だし、ピン先輩-委員長ペアの関係はたまりません。

オーイシマサヨシさんの曲はどれも大好きですが、本作のOPが地味にいちばん好きかもしれない





54位「色づく世界の明日から」 2018年

アクアトープの記事で書いたことを繰り返します。P.A.WORKS×篠原俊哉監督ということでめっっっちゃ期待してハードルを上げ過ぎた結果、プロットが青春群像劇として凡庸すぎて肩透かしを食らったアニメです。ただ、長崎を舞台にした背景美術や「色づく」というテーマ負けしない巧みな色彩設計といった作画面では文句の言いようがないほど素晴らしいです。ハルカトミユキさんのOPも最高。これを毎回聞くだけでも観る価値があります。

長崎まで聖地巡礼に行くくらいには、なんだかんだで思い入れのある作品です。同じスタッフ陣で現在放映中の「白い砂のアクアトープ」は果たして本作を越えてくれるのか、乞うご期待です。




53位「ARIA」 1-2期 2005, 2006年

たしかニコ生の一挙放送で観てたはずなんですが、どこまでみたのか正直よく覚えていません。癒やしアニメの金字塔としての地位は揺るぎないものですが、舞台が現代日本のリアリズム作品ではない分、個人的には少しだけマイナスです。(あと労働アニメであることも。)とはいえ、"ここではないどこかにあるユートピア" としての惑星アクアにはやはり憧れます。原作漫画を早く読みたい!!!





52位「AIR」 2005年

あの時代のエロゲにありがちな、立場は弱いくせになぜか偉そうな男性主人公とか、無駄に壮大なスケールのシナリオとか、文句を言いたくなる部分はたくさんあります。それでも、映像や音楽といったアニメの持てる全ての要素を用いて """""夏""""" という概念をここまで完璧に表現しきった点で、名作としか言いようがありません。いまちょうど原作ゲームをスマホでやっています。夏なので。






51位「とらドラ!」 2008年

原作未読。岡田麿里シリーズ構成・脚本ということで観ました。恋愛群像劇はやっぱり良いですね。特に終盤の展開が好きだった気がするのですが、観たのがだいぶ前なのでよく覚えていません。





50位「青春ブタ野郎はバニーガールの夢を見ない」 2018年

恋愛群像劇はやっぱり良いですね。といってもがっつりドロドロ三角関係モノではなく、主人公の咲太はあくまで一貫して麻衣さんだけを愛し続けることに好感が持てます。こういう青春群像モノにありがちなスコシフシギ要素を「思春期症候群」という設定に落とし込んだのが見事だと思います。原作未読。あと劇場版も見れてない・・・





49位「Angel Beats!」 2010年

Liaさんが歌うOPが名曲。なんかいろいろ泣いた気がする。かなり前に観たっきりなのでよく覚えていません。なつかしい・・・





48位「シュタインズ・ゲート」 2011年

SFは苦手ですが、これはさすがにドハマリしてガチ泣きしました。クリスもめちゃくちゃ好きですが、無垢なヒロインを演じるざーさんに弱いのでまゆしぃ派です。「ゼロ」は観れていません。原作ゲームもいつかやりたいです。




47位「この美術部には問題がある!」 2016年

これも上質なラブコメでとても良かったです。ヘテロ恋愛最高!マジョリティの暴力最高!!!




46位「Re:ステージ!ドリームデイズ♪」 2019年

知名度は今ひとつですが、アイドルアニメとしては破格の出来だと思います。『プリパラ』と同じくらい好きです。音楽もめちゃくちゃ良い。





45位「スーパーカブ」 2021年

問題作です。まず、1話は歴代アニメのなかでもトップ10か20に入るくらい好きです。ほとんど主人公のみで話が進行する点、山梨の田舎町の空疎にだだっ広くかつ閉塞的な雰囲気の演出、すべてが完璧でした。何度も見返しました。そのまま突き進んでいけば良かったものの、カブを通じて友人ができ(それはまだ良い)、カブ乗りとしての偏屈なプライドがみるみるうちに育ち、それを隠さなくなってからは悲惨の一言でした。

「感謝はカブに言って」・・・一見カブを立てているようでいてその実は、巧妙にカブを盾にして目も当てられない醜悪なナルシズムに塗れたドラマを隠蔽していることを如実に表す台詞です。11話は悪い意味で伝説の回としてわたしの脳裏に刻まれています。

ということで、最高と最悪で相殺してこの順位です。ただ、田舎町の季節の変遷・自然の描写は最後まで良かったです。最終話でいきなり鹿児島まで行ったのにはウケました。



44位「ウマ娘プリティダービー」 1-2期 2018, 2021年

1期も普通に王道美少女スポ根モノとして楽しめましたが、2期でドラマの作りがさらにグッと良くなりました。アニメキャラの挫折描写が性癖なので何度も絶頂しました。テイ×マクしか勝たん……(ライスシャワーやミホノブルボン周りの話も好きです。ターボ回はあんまし好きではないです)




43位「SSSS.GRIDMAN」 2018年

ロボットものであるデバフを弾き飛ばすほど、キャラクター造形・描写が秀逸で、加えて夏と青春の描写が最高でした。アカネと六花という、ただでさえそれぞれが天才的な上に、対になって真価を発揮するデザインにはマジで参りました。

あと特に9話の演出に当時衝撃を受けました。後にエヴァを履修して「グリッドマンのあれってエヴァだったんだ〜」と気付きました。

OPもEDも大好きです。





42位「進撃の巨人」1-4期 2013~2020年

すこし前に1.5倍速を駆使しながら1期から4期まで一気観しました。さすがに逆張りできないほど良かった。というかすごかった。アニメ最新話に追いついたあとは続きの原作を買って最終話まで読みました。最終巻はやや残念でしたが、それでも大傑作なのは間違いないと思います。

もちろんミカサが好きなので例のテーブルのシーンは最高でした。





41位「ヤマノススメ」 1-3期 2013, 2014, 2018年

ショートアニメの1期から徐々に長くなっていくという珍しい形式のアニメですが、中身は安心安全勝利確定の美少女日常系です(きらら連載ではない)。登山自体にそこまで興味はありませんが、必然的に外の風景・背景美術がたくさん見れるので最高です。挫折描写が好きなので富士山回とか良かった。

あとこのOVAの特にここなちゃんパートがめちゃくちゃ良かったです。魚眼ショットを多用した天使による路地散策


登山っていいよね!




40位「ゆるキャン△」 1-2期 2018, 2020年

アウトドアつながりで。キャラクターもドラマも作画も音楽も、きらら系・日常系のなかでもっとも完成度の高いアニメだと思います。それでももっと上位に置かなかったのは、ぼっちを謳歌していたしまリン(初期の小熊といい、1人を楽しめるキャラが好きです。)が徐々に野クルのメンバーと仲良くなり、皆でいることの楽しさを知ってゆく様に「置いていかないで……そっち側にいかないで……」という大人げない嫉妬?心を抱いてしまうからです。

といっても、しまリンは複数名でのキャンプもソロキャンも両方とも手放さず、逆になでしこもソロキャンに挑戦するようになるなど、決して「ひとり」を否定しない点はやはり素晴らしいです。スマホを介した結びつきの描き方も最高。ただ、バイトで資金を貯めてキャンプ用品を買ってキャンプに繰り出す、というルーチンを皆があまりに当たり前にこなせている、そのハイソサエティ感にときどき辟易しそうになる気持ちもあります。ほんっとにどうしようもなくダメな人間ですまんな!!!

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最終話の「でも、やっぱり、さみしいはさみしいよ」という台詞に号泣しました。まーじで名台詞。ほんとうにそうだよ・・・・・・「さみしい、けど」という逆接でさみしさを別の何かに置き換えてその場を収めることはできる。でも、さみしさをそのままに肯定すること、そうして旅の終わりまで持ち帰ることが旅のいちばんの楽しさであると心から思えるようになでしこがなった、という事実が、シーズンの終わりとして完璧すぎるし、アウトドアアニメとして完璧すぎる。

他にも2期4話の特殊ED演出も素晴らしかったですね。・・・もっと上でも普通に良い気がしてきた。



39位「あまんちゅ!」 1-2期 2016, 2018年

「ARIA」より好きなのは、現代日本を舞台にしているからです。それも静岡の熱海市・伊東市!!スキューバダイビングという主題のため必然的に海沿いの描写が多くてたまりません。うぴょ^〜




38位「あの夏で待ってる」 2012年

タイトルから直球で伝わってくる王道青春群像劇のオーラ。それに違わない作品です。「ダリフラ」でゼロツーよりイチゴが好きなので、当然ながらイチカより柑菜派です。

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か” わ” い” い” ッ!

そういえば、去年くらいに高速道路で「あの夏で待ってる」のラッピングバスを見かけてびっくりしました。まだ走ってるんだ・・・


この記事よかったです。






37位「推しが武道館行ってくれたら死ぬ」 2020年

もともと原作漫画を購読していて、アニメも平尾アウリ先生の繊細な画風を損なわない高クオリティで良かったです。ファイルーズあいさんのえりぴよは超はまり役でしたね。ちょっと視点のちがうアイドルものとして傑作だと思います。

「桃色片想い」カバーのEDも良いけどOPもすき




36位「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」 2020年

ラブライブは無印1期1クールだけ観てイマイチ楽しめず、サンシャインは観ていません。ただ虹ヶ咲はとても良かったです。

特に1話と2話がめちゃくちゃ好きで、単話なら歴代アニメのなかでもトップクラスだと思います。「こんなすげぇアニメがあるのか!!」と興奮しっぱなしでした。その後も各キャラを順に取り上げていって良回を積み重ねていき、そして問題の11話ラスト。……最高でした。わたしは「みんなを笑顔に!」とぬかすことが無批判に称揚されがちなアイドルもの全般が苦手なのですが、ここでの歩夢はその「アイドルならみんなを大事に想わなくてはならない」というテーゼの薄ら寒さを看過する、気持ちのよい展開をみせてくれました。(描写自体は "情念" でしたが)

ただ問題提起が優れていたものの、次話の解決のさせ方にはまったく納得がいっていません。それでも、ここまでソロライブを重ねてきて満を持して全員ライブを描ききった最終話には参りました。

どうあがいても名曲

ちなみに現在放送中の「ラブライブ!スーパースター!」は5話時点では本作よりも上位です。このまま突っ走って欲しいです。




35位「少女☆歌劇レヴュースタァライト」 2018年

TV版はメイン2人の描写だけ全然納得がいかずうーんという感じでしたが劇場版はめっちゃ良かったです。一言で表すなら「演出大喜利」でした。1クールのTVシリーズもそこそこの名作だったが劇場版で明らかにギアを1つ上げてくる、という点ではガルパンを連想しました。コンテンツとしての本気度が伺えます。

キャラは断然まひるさんが好きです。劇場版でひかりさんに「嫌い」と言ってくれて無事昇天しました。あと大場ななさんのキャラ造形は本当に秀逸だと思います。

この記事めっちゃよかったです




34位「三ツ星カラーズ」 2018年

こないだ上野に行ったとき「カラーズで観たとこだ!!!」とめっちゃテンションあがりました。いくら反動的と言われようと、子供のイノセンスが好きです。三ツ星カラーズでは、さっちゃんの「うんこ」発言のように、純粋ではあるが綺麗なわけではない子供らしさをコミカルに描いていて良かったです。とちゅう作画が怪しい回もありましたが、そうしたチープさを隠しきれないところも含めて「小学生」を描いたアニメとして嫌いになれません。ゆいちゃん(赤・リーダー)が特に好きです。

OPもEDもいまだに聞きます。「どーしたら(どーしたら)みんなを守れるかな」という冒頭から泣きメロで泣ける。

EDは楽しい音がいっぱいでめっちゃ踊りたくなる。おつカラーズ☆




33位「女子高生の無駄づかい」 2019年

がっつりコメディでランクインするのは珍しいかもしれません。WEB連載していた頃から原作漫画がすきでしたが、アニメでさらに面白くなっていたように思います。ロボがすきです。ワセダくそおもろい

あとヲタの即売会・ボカロP回はボカロ好きとして本当に感慨深かったです。自作のボカロ曲を伸ばす方法として「漫画家として成功してアニメ化してもらって作中でガッツリ曲を流す」ことを発明したのは偉大。(ボカロP一本のほうがまだラク)

MVがToe「グッドバイ」風のオープニングにめっちゃハマりました。バカヲタロボ3人のラップたまらん



32位「恋は雨上がりのように」 2018年

みずみずしい年の差恋愛アニメ。ドラマ部分というより、作品全体の上品でやさしい雰囲気が深く印象にのこっています。おっさんが小説家志望であり文学作品がいろいろ出てきたのも良かったです。原作漫画を読みたい。

ハニワのボカロはあんまし聞いたことないけど提供曲はどれもめっちゃ好きなんだよな・・・ポップスを書くのがうまい




31位「サクラクエスト」 2017年

P.A.WORKSお仕事シリーズの第3弾。2クールあって途中ダレるんですが、最後まで視聴し切ると「ここまで観て良かった」と思えるようなアニメでした。ど田舎の限界集落の町おこしという地味で難しいテーマに真摯に向き合っていたと思います。

同じく2クールで話の構造がかなり似ている「白い砂のアクアトープ」が放映していることもあり、サクラクエストを見返す機運が高まっています。



30位「Charlotte」 2015年

これだけは言っておきたい。「『神様になった日』のおかげで『Charlotte』が名作だと気付けた」??・・・最初っから名作ですから!!!

いや、まぁ最後の数話が破綻しているとか尺が明らかに足りないとか全面的にその通りなんですが、わたしが本作をオールタイムベストに数えざるをえないのは第7話:みたらし団子回のためです。この回は観てきたアニメのなかでも確実にトップ10入りするほど好きです。ただでさえキャラが挫折して自暴自棄になる描写が性癖なのに、そのうえネットカフェに流れ着く、というのがクリティカルなのです。なぜなら、わたしにとってアニメとネカフェは切っても切れない関係にあるからです。詳しくは後ほど、上位の作品で書くと思います。

オープニングは言うまでもなくガチ名曲。Liaさん最高。




29位「灰羽連盟」 2002年

先日視聴して感想メモを投稿しました。

「ちょっと灰色にしたARIA」という趣で、ひたすらに心に沁みます。昔の作品をほとんど観てきていないので、おそらく今作がこのリスト中でもっとも古いアニメではないでしょうか。(つまりエヴァは入っていません。感想はこちらで書きましたが)90年代のアニメなども面白そうであれば観たいのですが、わたしのアニメの好みが10年代以降の特定のタイプの作品に偏っているため、ある程度の根気が要るだろうなぁと思っています。




28位「少女終末旅行」 2017年

サブカルオタクはみんな好きなつくみず作品。原作漫画の独特なタッチをいい意味で脱色しているアニメだと感じました。チトとユーリの声優チョイスもばっちりでした。12話の締め方がイマイチでしたが、5話「雨音」の挿入歌演出は本当に良かったです。

その「雨だれの歌」の作曲はボカロPのBakerさんですが、本作ではOPもEDもボカロPが担当していて嬉しかったです。特にオープニング「動く、動く」という名曲を作ったのは "今朝北海道で水揚げしたばかりの毛蟹P" というそんなに有名ではない方で、もともと「human」などが好きだったのでまさかの起用にはびっくりしました。




27位「宝石の国」 2017年

これも漫画原作の2017年アニメ。原作については以下のnoteで書きました。わたしが書いたなかでもっとも読まれている記事の1つです。

市川春子さんのミニマリズム的な漫画表現をどうアニメイトするのかは極めて困難な仕事だったと思いますが、オレンジによる3DCGアニメにしたのは英断でした。リッチなグラフィックも当然素晴らしいのですが、もっとも感動したのは「音」の演出です。宝石たちが床を歩く時の カツッ という音が、その宝石の硬度によって変わっており(要出典。聞き違えかも)、あぁ "アニメ化する" ってこういうことだよなぁ……とひどく感銘を受けました。

音響演出といえば声優のキャスティングも良かったです。無性別である宝石たちに人間の声をあてることは否応なく性を持ち込むことになりますが、敢えて(金剛先生以外は)若手女性声優で固めることで、宝石間のセクシュアルなギャップを擬似的に無化する効果があったのではないかと思っています。ボルツ(CV. 佐倉綾音)とかダイヤモンド(CV. 茅野愛衣)とかルチル(CV. 内山夕実)とか100点。

オープニング曲「鏡面の波」の作品へのマッチ具合も素晴らしいのですが、この曲は作品を離れた単体の曲としてもめちゃくちゃ好きです。アニソンのなかでも5本の指に入る。照井順政さん最高




26位「波よ聞いてくれ」 2020年

原作漫画を数巻だけ読んでいた状態で観ました。原作の時点で「ジャンル不明」と言いたくなるカオス具合をコメディとドラマでまとめ上げる手腕に驚嘆しましたが、アニメで観てもやっぱりすごく面白かった。いちおう「地方ラジオのパーソナリティ」を軸にしているとはいえ、あくまで1つの軸に過ぎなくて、主人公のミナレは縦横無尽に札幌を走り回るから気持ちが良い!

そのように良くできたコメディとして楽しんでいたところで、最終話に完全にノックアウトされました。しかも後から聞いた話によると、最終話だけアニオリらしいじゃないですか!……采配が凄すぎて何も言えません。傑作でした。




25位「スロウスタート」 2018年

「自分に合うきらら系」と「合わないきらら系」があって、例えばきんモザやごちうさ、ゆるゆり、まちカドまぞく辺りの大人気ラインナップは現時点では「合わない」ほうに分類されます。「スロウスタート」はそんな自分がもっとも好きなきらら作品の1つです。

なにが好きって、やっぱり「スロウスタート」設定ですよね。過去回想ではあきらかにふざけたコメディみたいにして描かれるんですが、それが作中現在の花名にはシリアスな心の淀みとして作用してくる。こうしたきらら作品らしい美少女ゆるふわ空間が優しければ優しいほど、「隠している」花名の心情は複雑になっていく。でもやっぱり優しさが通底している・・・というこのバランスが見事。プロセカ「25時、ナイトコードで。」の暁山瑞希が「まんがタイムきらら」に連載したらこんな感じになるのでしょう。

花名いがいのキャラもみんなかわいくて魅力的です。とくに7話「ぐるぐるのてくび」で描かれた栄依子と先生の関係は伝説で、「えーこウッソだろお前……」と絶句した覚えがあります。しかもこの回は、その2人を描きながらも、最初と最後はヘアピンを通じて主人公の花名に還ってくる構造が単話としてマジで完璧だと思います。





24位「ガールズ&パンツァー」 2012年

こないだ久し振りにTVシリーズを見返して「やっぱおもしれ〜〜〜」となりました。キャラコンテンツとしていちばんハマったアニメ作品がガルパンです。二次創作をピクシブで漁り、ガルパンオンリーの即売会でミカさん・継続グッズを買い漁りました。

ご多分に漏れず私も2015年の劇場版からハマった口で、立川爆音上映も含めて3回ほど足を運びました。(主題歌「piece of youth」が大好きです。)ミリタリーに興味はないしバトルものは苦手なのにも関わらず、なぜここまで好きになれたのだろう、と考えるに、戦争モノではなくあくまで「部活動モノ」というスポ根萌えアニメ文脈にパッケージングした手腕が巧みであったから、かと思います。(ミカさんがどストライクだっただけ説もある)そして、最終章をみてつくづく思いますが、膨大なキャラクターに出番を与えながら処理しなくてはならない制約と、 "本気" の戦車戦を描くことを両立する離れ業をずーっと高い精度でこなしているのが本コンテンツです。たくさんのキャラクターが入れ代わり立ち代わり喋りまくって個性を主張しまくる一方で、試合のクライマックスでは、山王戦ラストのようにいっさいの台詞が消える──という振れ幅、あるいは切り替えの上手さに例のクリシェをこぼしてしまうのです。

スクリーンショット 2021-08-28 11.01.00

公式サイトより

わたしがもっとも愛するアニメキャラクターである、ミカさんにも触れないわけにはいかないでしょう。一般的な感性や常識や社会から外れて生きることを何も苦だと思っていないようなマイペースなキャラクターが性癖です。「俺の嫁」的な好きではなく、「自分もこんなふうに生きられたらなぁ」という憧れ・羨望の対象としての 好き です。このタイプの他のキャラクターとしては「プリパラ」のそふぃさんや「WHITE ALBUM2」の千晶などが挙げられます。

ちなみに継続高校の二次創作カップリングではミカアキが一番人気ですが、わたしはあくまでミッコを含めた継続トリオを3人組として愛でたい派です。ボイスドラマ「継続の夏休み」を聞きながらでないと入眠できない時期がありました。

しかし、3人以外の他の継続高校生も見たい(組織としての "継続高校戦車道チーム" の解像度が上がる供給がほしい)という願望も強かったため、最新話は本当に嬉しかったです。

最終章第4話がたのしみです。




23位「ふらいんぐうぃっち」 2016年

15歳の少女真琴が見習い魔女として青森に居候し始める話。

癒やし系日常アニメのなかでもっともオススメできる作品です。本作を越える日常モノはもう現れないんじゃないかと思うくらい。「ARIA」や「灰羽連盟」的なのどかで穏やかな暮らしを描きながら、その舞台がファンタジーではなく現代日本の田舎(青森県弘前市)というのが優勝です。青森に引っ越してくる1話冒頭からしてほんとうに "良い"

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聖地巡礼いきたいです・・・。

「魔女修行」という非現実要素もそれほど主題にはならず、むしろ本作の日常性を引き立ててさえいると思います。なんでしょう、こういう田舎の美少女アニメなんてただでさえ非現実的なんだから、「魔女」というファンタジックな要素があることでその非リアリズム性を相殺して逆説的により親しみやすくなる、と言いますか………。あ、これはいまテキトーに考えたことなので特に根拠はないです。

背景美術だけでなく、きらら日常系とは異なる等身高めで萌え文脈からやや外したキャラデザもすばらしいし、出羽良彰さんの劇伴もめっちゃ良いです。サントラよく聞いています。あと、いちおう高校生の男女がひとつ屋根の下で暮らしているのに恋愛のレの字も漂わない(ことに違和感を覚えすらしない)のがすごいです。




22位「true tears」 2008年

はい、ようやく来ました。「とらドラ」はラノベ原作なので、マリーこと脚本家の岡田麿里さんが手掛けた初のオリジナル作品にして、P.A.WORKS初の元請け作品(1作目)が「true tears」です。監督は6年後に「グラスリップ」を作る西村純二氏です。

「西村監督の作品である」と知ったのがついこないだなので監督に関しては何も言えませんが(見返さなきゃ……)、とりあえず、"マリーらしさ" はすべてtrue tearsに詰まっていると言っても過言ではありません。本作の2名のヒロイン──乃絵と比呂美が、後の作品のあの子やその子の原型です。そして、両名のうちどちら※を応援するかによってオタクは大別できるとも言われています。わたしはもちろん比呂美派です。

(※いちおう愛子という3人目のヒロインもいます)

本作の乃絵と『心が叫びたがってるんだ』の成瀬順を並べて言及する人は多いですが、『空の青さを知る人よ』と絡めて論じた以下のブログ記事はとてもおもしろかったです。

じっくりnoteも書きました↓が、『空青』はガチで良いのでぜひ・・・

それから「true tears」の舞台はP.A.WORKS本社がある富山県南砺市であり、「地方で生きる若者たちを描くアニメ会社」としてのP.A.の原点でもあります。劇中でその地域の伝統的なお祭りを描くのも原点感があります。(エロゲの影響はあるでしょうが)

言うまでもなくオープニング曲「リフレクティア」はアニソン史に残る名曲です。



21位「TARI TARI」 2012年

tt」といえばPAの「true tears」、そして「TT」といえばPAの「TARI TARI」です。

3人以上の女子キャラをメインとした青春群像アニメとしてもはや「古典」といっていいほどの完成度だと思います。レーモン・クノーは「あらゆる小説がイリアス型とオデュッセイア型に分類できる」と言ったあとにこっそり「そしてあらゆる青春群像アニメはtrue tears型とTARI TARI型に分類できる」と付け加えたそうです。この言にしたがえば、たとえば「心が叫びたがってるんだ」「凪の明日から」は前者、「サクラクエスト」や「色づく世界の明日から」「花咲くいろは」「白い砂のアクアトープ」などは後者です。

そして音楽アニメとしてものちの「響け!ユーフォニアム」に連なる素晴らしいクオリティだと思う(同じ橋本昌和監督の吹奏楽アニメ「ハルチカ」は微妙でした)し、進路選択という結構シリアスな話題まで1クールでちゃんと描いて、まさに「青春全部盛り」と呼ぶにふさわしい様相を呈しています。

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オタクはみんな沖田紗和さんが好き





20位「放浪息子」 2011年

志村貴子先生の『放浪息子』はわたしのオールタイムベスト10に入るくらいには特別な漫画であり、以下のnoteで少し語りました。

小学5年生の時点から始まる原作に対して、アニメではいきなり中学生編から始まり、原作のラストまで行かないままに1クールで幕を閉じます。わたしは基本的に原作厨であり、その一部だけを切り取っては作品の魅力を十全に表現することは不可能だろうと考えていますが、アニメ『放浪息子』はその巧みな編集力で──シリーズ構成・脚本は岡田麿里── "キャラクターの人生の一部を切り取ること" の暴力性を原作の有する儚さに昇華して、ひとつのアニメ作品として完成させました。まずは原作から読むことを勧めますが、それでもこのアニメもぜったいに見る価値のある傑作だと思います。

ねりまさんが本作を「オーパーツ」と評していましたが、本当にそうで、なぜ志村貴子の繊細な水彩画のようなタッチをアニメーションでここまで見事に表現できたのかさっぱりわかりません。「作画」がもっとも印象に残ったTVアニメじゃないかと思います。

それから声優もすばらしい。主人公の声を務めたのは当時じっさいに中学生だった畠山航輔さん。アニメではなかなか聞くことのない生々しい演技を聞くことができます。

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それから、至極単純に、安那ちゃんが動いて喋っているという事実に感動してスクショしまくりました。




19位「荒ぶる季節の乙女どもよ」 2019年

「放浪息子」が志村貴子原作のマリー脚本だったのにたいして、こちらはマリー原作のマリー脚本、正真正銘純度100%の岡田麿里成分が味わえます。原作漫画(作画は絵本奈央さん)を読んだときに、そのあまりのマリーらしさに笑いが止まりませんでした。細かなテクニックや繊細な作家性……のような面倒くさいことを抜きにした、多くのアニメファンが認識する露骨な「岡田麿里っぽさ」をなぞるかのような作品です。・・・要するに、「性(下ネタ)」を主題とした高校生男女の青春ラブコメディです。

アニメ化前に原作漫画についてはこちら↑のnoteで語りました。

漫画連載中に全1クールのアニメが始まり、原作最終話にやや先行する形でアニメの最終話が放送されました。(内容はだいたい同じ)おそらくアニメとの連動ありきの企画だったのだと思います。そのため、アニメになってよかった!と明確に思えるシーンも多々ありました。その最たるものが、1話の例のシーンの演出でしょう。アニメで堂々と〇〇〇〇を映す時点でかなり挑戦的ですが、そのシーンに合わせてブルーハーツ「TRAIN-TRAIN」を流す演出は本当に天才的だと思います。

1話だけでいいから観るべき

あまりにも露骨で馬鹿げていて、あまりにも切実で真剣。それがマリーの味であり「荒ぶる季節の乙女どもよ。」の魅力です。

それから相変わらずハニワのオープニング曲はとても良い




18位「ワンダーエッグ・プライオリティ」 2021年

今年(2021年)の冬クールに放映されたCloverWorks制作のオリジナルアニメ「ワンダーエッグ・プライオリティ」は、90年代に『高校教師』などの連続ドラマで一斉を風靡した(らしい)脚本家の野島伸司さん初のアニメ作品としても話題になりました。生まれる前のブームなので全く知りませんでしたが、とりあえず野島脚本はめちゃくちゃ自分好みでした。青年期の重苦しい社会的問題を生々しく描く作風は、岡田麿里をもっと保守的にしたような感じだと認識しました。『高校教師』観たい……

少女たちがある目的のために化け物たちと戦う、という「まどマギ」をより現代チックにしたようなストーリーで、リアリスティックな現実パートと、キッチュでみずみずしいバトルパートの対比が心地よかったです。

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いじめ・自殺などのシリアスなテーマを過度にセンセーショナルに描かず、しかし刺すところでは思い切り刺す、というバランス感覚が非常に巧みだったと思います。ホラー的演出が多様され、ホラーを苦手として普段いっさい観ないので新鮮でもありました。

特に印象に残っている演出として、5話でアイの部屋でねいるがリカにくすぐられて我慢できずアハハハと吹き出す→エッグの世界で「ミテミヌフリ」(モブの化け物)の大群がアハハハと笑っている映像に切り替わる、というあまりにも悪趣味なジャンプカットがあります。あそこは「やってんなぁ!」と思いながらも、そんなふうに「やってくれる」アニメをあまり観たことがないので本作への信頼をより深めました。

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「アハハハ」繋がりによる悪趣味なジャンプカット

本作は最終話(13話)の制作が間に合わず「特別編」として数カ月後に放映されました。しかもその内容があまりにも投げっぱなしで物語を回収できていない、これだから野島伸司は……と叩かれているようですが、わたしは大満足でした。そもそも「物語を回収する」というのが一体どういうことを指すのかイマイチ理解できていませんし、本作に関しても、そのSF・ファンタジー的な世界設定にはほとんど興味がなく(したがって終盤の数話はそれほど好きではありません)、女子高生4人を現代的にアニメへ落とし込んだ青春群像劇として観ていたので、"特別編" も最後までアイちゃん(主人公)の表情や仕草の作画がとてつもなく魅力的だったので文句はありません。

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そう、キャラクターの作画がとにかくびっくりするほど良くて、これが現代アニメの最先端か・・・と感嘆しながら毎話視聴していました。作画だけでなく美術も、DÉ DÉ MOUSE&ミトによるエレクトロニックなBGMも、そして台詞回しに至るまでセンスが良かった。特に2話ラスト、病院の屋上でアイとねいるが仲を深めるシーンは良すぎて何も言えません。

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ただ「外見がハンサムで女子に男子として好かれてしまう(けど悪い気もしていない)ことに悩む」少女の桃恵まわりのジェンダー描写はかなり危なっかしく、特に10話はさすがにアウトやろという部分が多々あったのには注意が必要です。

いろいろと疵瑕もありつつ、個人的には完璧というか、自分の理想の何段階も上をいってくれたアニメでした。ぜんぜん合わなかったり納得できない人も多いでしょうが、現代美少女アニメを追う上で絶対に観るべき作品だと思います。

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アイちゃんかわいすぎる・・・。みんな好きですが、人物造形的にはリカ(右のメッシュの子)が特に好きです。




17位「ローリング☆ガールズ」 2015年

本作はすこし前に観て感想メモを投稿したばかりです。

簡単にまとめると、水彩画チックな美術が最高だし、音楽(劇中歌)の使い方がとても上手いし、基本2話ごとに盛り上がってストーリーが丸く収まるので見やすいし、そのヘンテコな世界観と雰囲気は他のアニメではなかなか体験できないしで、とにかくめっちゃ好きでした。「ワンダーエッグ・プライオリティ」のようなハイセンスで高クオリティな作品も良いですが、わたしはわりと「チープな」作品のチープ感が愛おしくて偏愛する場合も多いので、本作のチープ感とモブ性を結びつける主題にもかなり感心・感動しました。

原曲をほぼ聞いたことがないから言えるのかもしれませんが、ブルーハーツのカバーめっちゃ良いです。これがアニメでのブルハの正しい使い方やぞ!聞いてるかマリー!




16位「月がきれい」 2017年

わたしは青春"群像"劇がすきですが、本作は「群像」ではなく男女1組のただひたすらにみずみずしく甘酸っぱい恋愛アニメです。普通なら、作ろうとしても「いやいや……さすがにベタ過ぎるだろww」と恥ずかしくなってしまうところをどストレートに描ききったところに「月がきれい」の卓抜さはあります。(そもそも「月がきれい」という陳腐化したワードを何のてらいもなくタイトルにしてしまったり、各話のタイトルを文学作品名にしてしまう点からして風格が違います)

そして、そんなド王道の内容を駄作・凡作にしていない大きな要因が、その圧倒的な絵のキレイさです。

YouTubeの公式チャンネルで1話が配信されていました。こちらを見ればわかりますが、画面作りが内容と神がかり的に合致しています。

青春時代を思い出して身悶えしてしまうほどピュアなストーリーの雰囲気に完璧に沿った作画・美術・音楽などで脇を固める布陣がうまくハマった例と言えるでしょう。死にたくなりたいときにオススメです




15位「Just Because!」 2017年

1カップルの恋愛劇であった「月がきれい」に対して、こちらは男女5人組のまごうことなき群像劇です。わたしが「恋愛群像アニメ」に求めている全てを期待通りに成し遂げてくれた、青春群像劇のテンプレートにして理想形の作品です。

同じ年の作品だというのもあって「月がきれい」とつい比較したくなってしまう本作ですが、めちゃくちゃ作画が良かった「月がきれい」に対して、こちらはところどころ怪しい部分もけっこうあります。ですが、それさえも含めて「これだよこれ!!!!!」と言いたくなってしまう類の作品なのです。"テンプレート" と評したように、わたしが好む恋愛群像劇って結局のところ大筋は決まっていて、その典型的ぐあいが陳腐に映るひともいると思うのですが、この種の青春アニメでは、チープ感でさえもが味になるパターンが少なくありません(これ以降も幾つか出てきます)。

そもそも「青春」という単語じたい、明確な定義もないのに多くのひとがこの言葉の向こう側に似通った──陳腐な──ものを透かし見るファインダー的装置です。クソ映画愛好家を引き合いに出すのは色々と問題がありそうですが、とにかくわたしは高クオリティであればいいってもんじゃない、という価値観を特にある種のアニメに関しては抱いているのです。

テンプレといいましたが、本作はプロットの進行のさせ方がかなりリアル調(アニメ的なドタバタでドラマチックに転がらない)なので、その意味では十分に特異な作品であるという説もあります。また、光の演出が優れているという論もあります。見返さなきゃ・・・




14位「放課後ていぼう日誌」 2020年

わたしが普段なにを楽しみに深夜アニメを観ているのかというと、もちろん「かわいい女の子のキャラクター」がその回答のひとつではあるのですが、それと並んで「エモい風景」(=背景美術)が重大な評価基準となってきています。スクショをクラウド上で管理するようになった最近は特に。(ここでいう「エモい」は「自分にとってなんか良い(グッとくる)」程度のごく主観的な意味合いです)

そしてわたしはきわめて凡庸な人間であるので、「エモい風景」のうちわけとは、海に臨む無人駅とか、あたり一面の向日葵畑とか、三叉路とか電柱とか、どこまでも紋切り型で記号的なものです。

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旅をしてこうした風景を自分の目で見るのも格別ですが、しかしアニメで見るエモい風景にもまた独特の魅力があります。けっして現実のパチモンや劣化版ではありません。(ここで「そもそも肉眼だって水晶体というスクリーン上に映った、いわばニセモノを視認しているわけで……」などと捲し立てる人は友達が少ない)

前置きが長くなりましたが、要は『放課後ていぼう日誌』は「海沿いの田舎町(村)の堤防」という激エモ超好条件の舞台設定でほぼずーっと物語が進行するから神アニメ、ということです。背景が映っているだけで常時大量に加点されるバグみたいな作品です。釣りにそこまで興味がない(生き物が苦手なので)自分でも、風景という無生物には大いに喜んで釣られてしまいます。

ていぼう部のキャラクターたちも大好きです。特に部長はどストライクでした。生脚……

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公式サイトより

話の内容も、釣りの環境被害面までしっかりと描いており、門外漢としては非常に良かったと思います。またキス釣り回では主人公の陽渚がカベにぶつかる様子および周りの部員たちがそれを見守り励ます様子をたいへん丁寧に扱っていて号泣するほど良かったです。

熊本に聖地巡礼いきたいです




13位「SSSS.DYNAZENON」 2021年

グリッドマンがかなり好きだったので、楽しみ半分心配半分で視聴し初めたダイナゼノン、1話の時点では「これ大丈夫か……?」とわりと不安でしたが、まさかここまで好みの作品となるとは思ってもいませんでした。

グリッドマンから更に推し進めた、いかにも「現代の若者」って感じの会話の雰囲気、そのリアリティが最大の魅力だと思います。この辺は「ワンダーエッグ・プライオリティ」と近いものを感じました。この会話劇への注力はネット配信されていたボイスドラマでさらに前景化していました。

特撮ロボット系列の作品でありながら「日常」描写をメインに据えており、「非日常」との折衝じたいを主題に織り込むという手法がカンペキに達成されていたのではないかと思っています。(怪獣と戦うための巨大ロボを学校の登下校や遊園地に行く便利な足として使うのがその典型)

基本的に戦闘パートには興味がないのですが、それでも夢芽がコックピットでしゃがみながら操作する絵面や「なんとかビーム」といったテキトーさ・ユルさ(=日常性)がめちゃくちゃ良くて、結果的に楽しく観れました。

ダイナウィング2

通学バッグを適当なところに引っ掛けている感じも最高

というか、夢芽を筆頭に、女子キャラクターのデザインが全員天才的にかわいくて「これが現代美少女キャラデザの最前線か……」と言葉を失いました。ちせも良いし、ムジナさんはもう反則。あの外見であの性格なのはほんとうにズルい。

無職や不登校のキャラクターの描き方・物語的な決着のさせ方もめちゃくちゃ良かったです。こうした社会における周縁的な存在の物語表象は、ジェンダーマイノリティなどと同様にどんどん更新されていってほしいと思っており、ダイナゼノンはその観点でも価値のある作品でした。

そして、なんと言っても「よもゆめ」(主人公とメインヒロイン)の描写が…………。ふだん青春恋愛モノを好むとか言ってるじぶんですが、ここまで濃密で ""強い"" 異性間恋愛のカップリングに出会ったのはいつ以来のことだろうと途方に暮れてしまうほどにノックアウトされました。とんでもねえ作品でした。

バトルもののアニメでこれより好みな作品に今後出会いたいですね。

EDめっちゃ好き。展開の仕方にボカロ曲っぽさがある気がする。最初ナブナさん作曲かと思いました。




12位「ゆゆ式」 2013年

はい、聖書です。これを越える「日常系」は存在しないというか、本作のみが真の日常系である、という言説も当たり前すぎますね。2期まだですか?


あくまで「この3人組」が至高ですが、特にゆかりちゃんが好きです。





11位「映像研には手を出すな!」 2020年

まずnote↑で熱く語るほどには原作漫画がめちゃくちゃ好きで、更に「アニメ作り」が主題の本作をアニメ化するとなれば非常に高いハードルがありましたが、湯浅監督はやり遂げてくれました。ほぼネット配信でしかアニメを観ない自分が、毎週リアタイでTVにかじりついて観ていたのもいい思い出です。

湯浅監督もカンペキな人選でしたが、主人公の浅草みどりに女優の伊藤沙莉さんを抜擢したのも見事でした。浅草氏がアニメ的な美少女になり過ぎると『映像研』の根幹が崩れるので、伊藤さんの特徴的なハスキーボイスはドンピシャでした。あと金森氏の田村睦心さんも最高でした。

やっぱり「アニメに関するアニメ」ってメタ的な演出──作中でまさに登場人物が喋っているアニメ技法を使って進行するなど──を入れ放題なので、それだけで原作勢としては感激もひとしおです。映像研の登場人物たちが、自分たちで描いたアニメのキャラが動くだけで感動するように、わたしも原作のキャラが動いて喋っているだけで感無量でした。アニオリ要素も(最終話だけはイマイチでしたが)基本的にはめちゃくちゃ良かったです。

あとこのOPが天才。「創作のワクワク感」をこんなにも音楽に落とし込める???





10位「SHIROBAKO」 2014年

はい、「アニメ制作アニメ」つながりです。『映像研』と『SHIROBAKO』は決してネタ被りではなく、ちょうど相補的な関係にあるアニメだと思います。

『映像研』では(超敏腕プロデューサー金森氏を据えながらも)基本的にアニメ作りのいちばん根底の段階を担う人たち(設定を練る原作者・アニメーター・演出家など)が主役です。

いっぽう『SHIROBAKO』は、主人公を作画マンでも監督でもなく、それらのクリエイターを媒介してマネジメントする「制作進行」という役職に設定していることが大きな特徴であり、本作が大成功したいちばんの要因でしょう。(アマチュア/プロ という軸でも両作は表裏一体の関係です)

主人公の宮森あおいが制作進行として現場(けっして1つの会社内だけではありません)を文字通り駆け回り這いずり回りながら、個性あふれる様々な役職のスタッフたちを紹介していき、作中アニメ制作の進行とともに『SHIROBAKO』という作品もドライブしていく──こうしたメタレベルまで織り込んだテンポの良さが魅力です。(ミクロな演出でメタを張った『映像研』とは対照的に、本作はマクロなスケールのメタです)もっともクオリティの高い「群像劇アニメ」の1つといってよいでしょう。キャラはやっぱりずかちゃんが好きです。例の回で泣くために何度も見返しているとこはある。

劇場版も「SHIROBAKOの劇場版をやるならこうでしかありえない!」という期待通りの傑作でした。




9位「宇宙よりも遠い場所」 2017年

超しょーもない天の邪鬼なので、本作のような誰からも評価されているような名作アニメをあんまり評価したくないんですが、まぁでも大傑作であることは間違いないし、自分が大好きであることも間違いないので順当にこの順位で。

ストーリーもキャストも音楽も作画も演出も全部好き、といいたいところですが、ただ1つだけ、11話だけは受け入れられませんでした。わたしは本作で三宅日向さんがもっとも好きですが、彼女の意向をほっぽりだして、第三者(というか部外者)が当人の問題に深くコミットし、勝手に溜飲を下げる(ことで視聴者も溜飲を下げることを狙っている)プロットには全く乗れません。「悪者」を断罪して気持ちよくなる行為がいっさいの自己批判精神の挟まる余地もなく描かれている雰囲気には辟易しました。ただ、そうした全能感・見境のなさまで含めて「若さ」なのだ、「青春」なのだ、と言われてしまったら、何も言い返すことはありません。本作はたしかに純度100%の「青春アニメ」でした。

ちなみにその次の12話では普通に号泣しました。最高でした。

「11話に限らず全話を通じてそうした(スカッとジャパン的な)傾向があった(かつ、それは「青春」という主題に照らしても一貫性がある)」という指摘もあり、ごもっともだと思います。




8位「夏色キセキ」 2012年

女の子4人が退屈な日常からちょっとした非日常へと踏み出す青春群像劇、という点で実質『宇宙よりも遠い場所』ともいえる本作。ですが、わたしが肩を持つなら、あらゆる面で高クオリティな「よりもい」ではなく、絶妙にチープ感のある「夏色キセキ」に決まっています、絶対に。(「肩を持つ」って何?? いち視聴者の分際で……)

上で書いたように(どこで書いたかは忘れた)、わたしは「チープ感の漂う青春アニメ」が好物です。「青春」という概念自体がチープな想像力に支えられていることに加えて、「青春アニメ」にはお決まりの構成やギミック、展開などがあり、それらの総体が醸し出す、なんともいえない ""良さ"" を追い求めてアニメを視聴している節があります。

静岡県下田市が舞台(聖地巡礼行きました)である本作は、そんなわたしの「理想の青春アニメ」のひとつの完成形といっても過言ではありません。「夏」という季節設定も、地域の神社のフシギ・パワーでちょっぴりファンタジックなことが起こって幼馴染関係がかき回されるのも、あらゆる要素が「顧客(自分)が求めていたもの」すぎて・・・。

本作に関しては「偏愛」としか言いようがありません。「わたしはこんな感じのアニメが好きです」という名刺代わりに丁度いい作品といえます。





7位「ココロコネクト」 2012年

本作も、すこし前に感想を投稿しました。

この「ココロコネクト」も名刺として使いたい作品です。

「夏色キセキ」はメインが女子4人であり、主に彼女らの友情関係が主題となりました。しかし多くの場合「青春」につきまとうのが恋愛です。本作は男子2人・女子3人という黄金比(「Just Because!」と一緒)を採用しており、顧客(わたし)が青春恋愛群像劇に求めていたすべてがここにあります。いえ、「求めていた」というか、それ以上のものを見せてくれました。「メタ-青春群像アニメ」の側面がある作品なので、青春群像劇オタクにとってはたまらないのです。

上のnoteで詳しく書いた通り文句はいっぱいあるのですが、それでも愛さざるをえない作品です。(ラノベ原作を読まなきゃ……)




6位「響け!ユーフォニアム」 1-2期 2015, 2016年

さきほどから「青春群像アニメ」と言いまくってますが、結局のところ自分は、キラキラした青春ではなく、ドロッドロの情念にまみれた人間関係で形作られた「青春群像劇」が観たいのです。「ユーフォ」シリーズは、そうした粘度の高い人間関係のオンパレードで私にぶっ刺さりました。

ドロドロ群像劇が大好きですが、とはいえスポ根も好きなので、「ユーフォ」はまさに完璧。死角がありません。「上手くなりたい橋」に聖地巡礼して「上手くなりたい!」と(適切な音量で)叫びながら走りました。

特に好きなキャラは長瀬莉子さん(チューバ)と中世古香織さん(トランペット)です。ちなみにわたしは音楽の素養がゼロなので、例のオーディションでの演奏技量の違いがまったくわかりませんでした。

新作劇場版『誓いのフィナーレ』も最高でした。(ここだけの話、Twitterとかにいるユーフォおじさんが苦手なので「ぜったいに酷評してやるぞ〜〜」という強い意志をもって映画館に臨んだのですが、無事号泣しました。「青春モノ」として100点満点の映画でした。)

『リズと青い鳥』もオールタイム級に好きな作品ですが、「ユーフォ」シリーズとは別作品だと捉えているのでここでは特に語りません。以下のnoteですこし語っています。




・ ・ ・


いよいよベスト5の発表です!







5位「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。」 2011年

わたしが深夜アニメにハマるきっかけとなった、最初の1作です。受験をいっさい放棄していた私は、現実から逃げ込むように地域のネカフェに初めて入りました。そこのPCで無料配信していた『あの花』をなんとなく観たのがきっかけで、こうして今でもアニメを観ています。じんたんの境遇がそのときの自分の精神状態にドンピシャでした。めんまの造形も茅野愛衣さんの声もドンピシャでした。そして、岡田麿里さんの脚本が何より、自分の好みど真ん中でした。

・・・というか、もともと青春ドロドロ恋愛群像劇が好みだったから『あの花』が刺さったのか、それとも、初めて観た深夜アニメが『あの花』だったから「深夜アニメ=青春ドロドロ恋愛群像劇」という公式が脳内に作られてしまったのか、真偽は定かではありません。(昼ドラそのものは全く見たことがないし……)ただ、自分にとってのすべての元凶であり、とても大切な作品であることだけは確かです。

オープニング曲「青い栞」のさいしょの1音を聞くたびに心臓がビクッてなります。思い入れがありすぎて。

10年後の8月を過ぎてしまいました。といってもわたしはリアタイ勢ではないので、自分にとっての「10年後の8月」はもう少し先です。

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僕にとってめんまとは「深夜アニメ」の象徴です。いまだに、あの日ネカフェの個室のちょっと良いパソコンで見た彼女の幻影を追い求めて、僕は深夜アニメを見続けているのかもしれません。




4位「花咲くいろは」 2011年

旅館お仕事アニメ

岡田麿里脚本つながりで「あの花」のたしか次くらいに見ました。そして、おそらく本作が初めて見たP.A.WORKSのアニメでした。

2クールあって、途中のエニシング辺りとかダレるっちゃあダレるんですが、その26話の長さに付き合うことが、喜翆荘の長い歴史を追体験する──とまではいいませんが、その歴史のほんの一端に身を委ねられる気がして愛おしいのです。

・・・いや、テキトー言ってます。正直、ベスト5の作品なんてどれもが文字通り「殿堂入り」であって、どこが好きなのか、なぜ好きなのかなんて逆になにも語れません。好きだから好き。思い入れがありすぎて、客観を装った「分析」なんてできません。オタクとして失格?そうでしょう。オタク失格でいいから『花いろ』が好きな自分でいたいです。


とはいえ少し書いておくと、個人的に1話はマジで完璧だと思います。(というかマリー脚本の1話はだいたいどれもえげつない完成度)

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ほかに特に好みなのは10話「微熱」(緒花が熱を出す回)です。はやみねかおるの『名探偵夢水清志郎事件ノート / 機巧館のかぞえ唄』のような夢と現のあわいを撹拌するフィクションが好みなのですが、この回は熱を出しているときのボーッとする感覚をこの上なく忠実に表現していて大好きです。自分が熱を出すたびにこの回を思い出して「やった!10話の緒花になれる!」とテンションが上がります。(ちなみにこの回の脚本を担当したのは『グラスリップ』の西村純二さんだと最近知って驚きました)

花咲くいろはにはナノライプの楽曲群も欠かせません。こちらのnoteで存分に語りました。

作品の思い入れ込みで、「青い栞」と「面影ワープ」がわたしの好きなアニソン2トップです。


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『花咲くいろは』の舞台である石川県の湯涌温泉に訪れたときに出会った、花いろとは無関係の雪像です。長らくTwitterのアイコンにしていました。





3位「のんのんびより」 1-3期 2013, 15, 21年

ナノライプつながり。今年3期が放映され、完結してしまった「のんのんびより」が並み居るマリー作品を押しのけて3位にランクイン。

今のわたしがこんなに「アニメの風景」オタクなのも、のんのんびよりの影響がかなり大きいと思います。マンガ原作も購読していますが、たっぷり間をとって田舎の風景を映して圧倒的な抒情と癒やしを体現する「のんのん」の方向性はアニメ特有のものです。原作はもっとコメディ寄りです。

これに関しては本当に川面監督およびアニメスタッフが天才としか言いようがありません。ほんとうに感謝しています。

もちろん原作からのコメディパートも非常に面白いですが、それだけではオールタイムベスト3には選びません。匿名的な「田舎」をここまで写実的に描くことで記号化し、究極のノスタルジーを顕現せしめたこと、これだけで大傑作です。精神的に不安定だった時期、毎晩アマプラで『のんのんびより』を垂れ流しながらでないと眠れませんでした

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特に、1期4話「夏休みがはじまった」終盤の、立ち尽くすれんちょんへのクローズアップ長回し。蝉音の演出まで含めて、アニメ史に残る回だと思います。思い出すだけで泣けてくる。……いま見返しましたが涙がとまりません。

(そして、その上での3期10話です。作中では1年のところを現実では8年!こんな "長回し" あります?この "間" の演出こそがのんのんびよりです)


こういうブログもあります

キャラクターでは断然れんちょんが好きです。無垢な子供キャラに弱い。サントラ「陽だまり道とれんちょん」を聞きまくっています。

上述の1期4話とか、それから駄菓子屋との自転車回(2期10話)とか、のんのんびよりって成長と同時に「喪失」を巧みに描く作品でもあります。

年少期の喪失の手触りなんてとうに喪失してしまったわれわれですが、本作を通じて少しだけ思い出せる気がするんです。そして、育っていったり喪っていったりと変わりゆく物事の傍らには、いつも自然が、あのうとましく愛すべき「田舎」が変わらずに在り続けるのです。


沖縄編の劇場版もめちゃくちゃ好きです。(これも喪失の話)

アクアトープの記事ですこし語りましたが、「アニメにおける田舎とは何か」「日常性と田舎のリアリズム」等のテーマをもう少し掘り下げて、いつか単独のnoteにまとめたいです。





あと2作品!!






2位「凪のあすから」 2013年

わたしが色んなところで「いちばん好きなアニメ」と言いまくっている『凪のあすから』(篠原俊哉監督, 岡田麿里シリーズ構成, P.A.WORKS制作)はまさかの2位!noteのサムネはブラフでした。「オリジナルアニメ」では1位なのでまぁ良いとしましょう(?)

本作は2クールにわたる「海と陸に住む人々」のちょっぴりファンタジックな恋愛群像劇です。

凪あすに関してしばしば耳にする言説に「2クール目から面白くなるから前半は我慢して見ろ」というものがあります。

わたしは声を大にして言いたい。


凪あすは1クール目こそ至高


だと。

これは逆張りでもなんでもありません。わたしはふだん日常のあらゆる行動を逆張りによって決めていますが、これに関してだけは最初に本作を見たときから思っていた、正真正銘いつわりのない気持ちです。

本気で「2クール目で化ける」と言っている人は同じアニメを見ているのか不安になります。ですが、これがおそらく私のような青春ドロドロ恋愛群像劇オタクと、一般的なアニメオタクの違いを如実に表しているのでしょう。

もちろん『凪のあすから』は前半と後半で意図的に大きな変化を演出している(ことに意味がある構成になっている)作品であることは理解していますし、2クール目に名シーンが大量にあるのも同意できます。でも、1クール目のジワジワと追い詰めるような昼ドラ的多角関係こそがマリーの真骨頂であり、いちばん面白いところだと思うのです。

こうした齟齬は、おそらく本作のキャラクターのうち誰が好きか、という点にも大きく関わっています。・・・そうです、幼馴染原理主義者であるわたしは向井戸まなか(CV. 花澤香菜)がいちばん好きなので、必然的に後半クールでは胃を痛めてやきもきしながら視聴せざるをえないことから、「前半のほうが良かった」という思いを抱いている節があります。

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←まなかと美海→

そして、後半を評価する多くの方は、本作で一番人気のヒロインである美海(みうな)派なのでしょう。・・・ええ、美海がめちゃくちゃ魅力的なキャラクターであり(例の砂浜シーンは最高)正真正銘メインヒロインとなることは間違いありません。それでも、わたしは幼馴染原理主義者なので(そして岡田麿里も幼馴染原理主義者なので)まなかを諦めることはけっしてできないのです。(ちなみにOPも前クールのほうが好きです)

・・・なんだか変に熱くなってしまいました。誰が好きであろうと「凪あす」は面白く、そして誰に感情移入しようともツラくなることは確定しているので安心してください。なんてったってマリーのドロドロ人間関係ビリヤードの極北、七角関係モノ(数えようによってはそれ以上)ですから。
「増やせばいいってもんじゃないだろ!」と言いたくなるアホみたいな人数ですが、見事にさばき切ってみせています。

また、仮にそうしたドロドロ恋愛劇が苦手だとしても、凪あすの最大の魅力である美しい世界観は堪能してほしいです。わたしが「凪あす」をこんなにも好きなのは、恋愛多角関係というだけでなく、美麗でファンタジックな背景美術も大きな要因です。

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東地さんの個展行きました

さんざん「SFやファンタジーは苦手」「現代日本が舞台じゃないと」と言っておいて、ファンタジー作品である『凪のあすから』をこの順位に据えるのもこの美術の美しさゆえのことです。

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・・・だって、こんなに綺麗で魅力的な世界を見せられたら、リアリズム厨である自分も降参するしかないじゃないですか。


以上、圧倒的に美しい背景と世界観から繰り出されるマリー渾身の恋愛群像劇に精神をもっていかれるほど大好きなアニメが『凪のあすから』です。

わたしが本作を見返すときには、1週間前から精神的な "準備" をする必要があります。でないと海の藻屑となって死にます。






いよいよ最後、1位の作品はこちら!







1位「ちはやふる」 1-3期 2011, 13, 19年

現時点でのわたしのオールタイムベストアニメは『ちはやふる』です。

『凪のあすから』とどっちを1位にしようかと迷いましたが、こないだ久しぶりに見返し始めたらあまりの面白さに止まらなくなり、1-2期全50話を2,3日で完走してしまい、「面白さのレベルが違う」と痛感したためこちらを選びました。まーじでほんとうにおもしろい。各キャラクター造形から台詞回しから音響演出からストーリーにいたるまで、すべてが別格。毎話泣いてました。というかずっと泣いてました。見返せば見返すほどに味わい深くなっていくと感じます。(そして何より「見返すと止まらない」のがすごい)

『凪のあすから』はドロドロ恋愛群像劇オタクとして最ッ高に好きな作品ですが、こちらはそういう気持ち悪いオタク以前の、より根強く普遍的?な次元での面白さがあります。(まぁこっちも三角関係モノではあるんだけど)

そして、1位にまでしておいてアレですが、わたしはアニメより原作漫画『ちはやふる』のほうが好きです(原作厨なので)。ちなみに実写映画は第1作の時点で解釈違いを起こして放棄しました。

漫画『ちはやふる』はわたしの人生に実際的な意味でもっとも大きな影響を及ぼした作品といってもよく、中学時代にドハマリして競技かるたを始め、高校入学とともに学校中を駆けずり回って同好会を設立までしました。マンガやアニメで「好きな部活を立ち上げる」のに憧れがちですが、実際にやった感想としてはもう二度とやりたくありません。入学直後、誰も知り合いがいない状態での部員集めや顧問探しはキツすぎる。縁に恵まれてなんとか同好会を発足することができ、3年間活動した(公式団体戦にも出た)こと自体はとても良い思い出です。

このように、オタクになるずっと前から物理的?にわたしの人生に多大な影響を及ぼしているので、『ちはやふる』はやはり別格という感じがします。殿堂入りとして除外してもいいのですが、アニメ『ちはやふる』をちゃんと観ているひとが非常に少ない気がするため、布教も兼ねて入れています。特に6年ぶりの続編であった3期は配信されるサイトがきわめて少なく、Twitter実況や2/5chスレなどもあまりに過疎っていたことから、新鮮な感想に飢えすぎて英語圏まで覗きにいって書き込んでいたほどでした。日本のオタクはもっと真面目にやってほしい。

まだまだ完結にはほど遠い(原作はおそらくもうすぐ完結)ので、アニメ4期を心待ちにしています。ここからが特に好きなところです。

競技かるたは「音」にもっとも敏感な競技なので、アニメでは音響面の演出が非常に練られていて素晴らしいです。札の読み上げやキャラの内的独白、BGMや効果音の使い方・温存の仕方が完璧です。声優陣のキャスティングもハマっています。(特にいちばん好きなキャラである真島太一を宮野真守さんが演じてくれるのは本当にありがたい。暗記確認パートのつぶやく声がめちゃくちゃ格好いいです)

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また、ちはやふるはわたしが最も好きな三角関係モノでもあります。完璧な関係性の3人組。(先日クリアした『WHITE ALBUM2』も同じくらい好き……というか両作はほぼ一緒です)

恋愛モノとしてもスポ根モノとしても1級品であり、これ以上に自分好みな作品があるとはちょっと想像ができません。『ちはやふる』より面白いアニメに出会ってみたいものです。





以上、 "オールタイムベスト深夜アニメ70" でした!



すべてにコメント付けるのに1週間かかりました。あー疲れた。

全70作品のジャンルや制作会社、制作陣、出演声優などの統計データをとってみたい気もありますが、いまそんな気力はありません。

はじめに書いた通り、このリストはあくまで「好きだと公言したい」アニメのランキングです。「コードギアス」とか「リゼロ(1期しか見てない)」とかはフツーに面白かったですが、オールタイムベストに敢えて選ぼうとは思いません。そういう作品がけっこうあります。偏愛ランキングと言い換えてもいいです。「おもしろい」と「すき」は違うのです。

そしてこれは「現時点」でのランキングです。じっさい、今期放送している夏アニメで上位にランクインが有望視されている作品もありますし、これからどんどん入れ替わっていくことでしょう。入れ替われるほどにもっとたくさんのアニメを見ていきたいです。

こんなふうにコメントを付けるかはともかく、いちどオールタイムベストを作っておくと便利です。わたしは自分でこういうランキングを作るのも大好きですが、同じくらい、他人のオールタイムベストを眺めるのも大好きです。アニメオタクの皆さまにおかれましては、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。ベスト10やベスト30からでいいので。教えてくれたらニヤニヤ眺めながら「ふ〜〜〜〜〜〜ん」と言います。よろしくおねがいします。



それでは。




【他の人のアニメオールタイムベスト】


深夜アニメを見始めた最初のころにめちゃくちゃ参考にしていたブログ記事です。わりと好みが近くて影響を受けまくっています。



尊敬しているオタクであるねりまさんのすごい表





【じぶんのアニメ感想noteリストはこちら↓】



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