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適応障害の症状②動悸が上がって上手く喋れない

 まさに適応障害という言葉の通り、特定の環境や人と関わると反応して出ていた症状が動悸が上がるです。急に心臓がドキドキして落ち着きを失い不安な気持ちが襲いかかってくるアレですね。仕事の事を思い出したり、日曜日の夜にサザエさん症候群モードに入る時も動悸は上がりますが、休職する前は顕著にこの症状が出ていました。

 例えば、通勤電車に乗っている時。僕は本八幡から都営新宿線に乗って市ヶ谷まで通っていたのですが、始発駅からの乗車なので必ず席に座って眠りながら通勤していました。眠ってもアラームをかけたりして寝過ごさないようにしていたのですが、不眠の症状が出だしたタイミングから電車の中でも眠りが浅く、停車の度に目が覚めて駅名を確認するようになります。

 すると、市ヶ谷の手前「岩本町」や「小川町」の駅名を目にすると、動悸が上がっていくようになりました。「あと少しで市ヶ谷だ…」と体がストレスに反応していた証拠だと思います。ちなみに今も確認の為に都営新宿線の路線図をみたら、心臓が少しキュッとなりました。笑 人の身体ってすごいですね。

 オフィスには一番乗りで行くことが多く、始業時間前になると皆さん続々と出社してきます。その時も何人かいた特定の方が出社してくると、動悸が上がって、仕事の集中が切れたり、その場でホウレンソウしなくて良い事が頭をよぎって不安な気持ちに襲われたりしました。

 大勢いる中入ってきただけで動悸が上がっていたので、営業同行やMTGなどで一対一となれば、その症状はより顕著になります。動悸が上がって緊張状態が続き、口の中が乾いた状態でお客さん先にスムーズな提案などできる訳ありません。失敗して問い詰められる際も、頭は疲れ切っているので言葉が出てきません。

 言葉が出ないというより上手く喋れないと言った方が正しくて、ちょうど症状が酷かったこの頃に大学の友人と蒲郡に旅行へ行きました。旅行中、会社の人でない友人に対しても上手く喋れない事が多発し、勝手に凹むこともしばしば。楽しい時間を過ごせたのですが、帰りの新幹線で感じた焦燥感は忘れられません。

 ストレスで動悸が上がるメカニズム

 不安や危険な事を感じ取って動悸が上がるのは生物の本能的な反応です。脳にある扁桃体という場所はそれらのストレスが脅威と判断すれば、身体の各所に指令を出します。一般的に言われている、交感神経の活性化ですね。

 交感神経が活性化すると、瞳孔が開き、アドレナリンが分泌され、いつでも逃げられるよう身体が硬直するなどの反応が起こり、その中に心拍数の増加も含まれます。身体の内部で起こる反応は実感が難しい分、動悸が上がる反応は分かりやすく、ストレスを感じ取る為の指標にもなります。分かりやすいが故に「ああ、またドキドキしてる」と不安を煽る要因ともなってしまうのですが。

 ストレスを受けて動悸が上がり脅威に対抗し、それが終われば身体は落ち着いていくのですが頻繁に動悸が上がってしまう=交感神経が活性化し続けてしまうと、身体は色々な機能不全を起こしていきます。アドレナリンが常に分泌されているような状態で安眠などできません。一口にストレスは身体に悪いと言っても身体では色んな影響が起こっているんですね。

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